朝起きたら材料ゆき

目の前が煙に包まれ、どこからか声がする。
「今日はなりたいものになれる日だ」と。

まだ夢か、俺はまだ寝てるんだと思って、
なりたいものはないから、俺を消してくれ、と頼んだ。

「物理的に消すのか、社会から消すのか、一時的に抹消するのか、どれだ」

物理的に、と言った瞬間に、
煙が真っ赤になって、スクラップされた。
真っ赤な服を着た赤いおじいさんがこちらを見ていた。

「物理的に消すを選べば、なりたいものはミンチ肉で請け負うのがわしの流儀。
社会から消すを選べばやらかしの末の謹慎、
一時的な抹消は、一回人間を剥奪のうえ半日たってから、なりたいものを再度聞くこと、
はは、物理的を選ぶとはなかなか。
最後まで話は聞いておくべきであったなァ。」

物理的だけミンチ肉なの選択肢おかしいだろ。
社会から消すが普通に聞こえる。
一回人間を剥奪ってどういうことだ?

どれを選んでもなかなかのバッドエンド。

ていうかこの状況はいったいなんだ。

「まあよかろう、わしが責任を持って、ロールキャベツにしてやるからの。」


せめてハンバーグにしてほしかった。