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#1 社長、note始めるってよ

正確に言うと「始めさせられた」です。
老舗BtoB企業も一般への広報を頑張らなければならない時代だと遅ればせながら騒いでいた所、社内の若手がこの任務を引き受けてくれ、当社は2022年4月より公式YouTube、Twitter、Facebookなどを開設し、運用することとなりました。

若手から「社長は文章書くの嫌いじゃないからnoteを担当してください」と言われ、言い出しっぺの私が何もしないわけにはいかないと、仰せに従うこととなりました。こちらはあまりふざけられないのが辛いところです。


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私は、福岡県北九州市に本社を置く、岡野バルブ製造株式会社の社長、岡野武治です。創業は1926年、間もなく創業100周年を迎える老舗企業で、東証スタンダード上場、事業内容は原子力・火力発電所向けの高温高圧バルブの開発・製造・メンテナンスを主業としていますが、最近はそれ以外の様々な取り組みを始めています。詳しくは当社のホームページを見ていただけると幸いです。岡野バルブの岡野ということで、当社は現状いわゆるオーナー企業と呼ばれる企業で、私で世代としては4代目になります。私は今年で41歳、もう立派なおじさんですが、上場企業の社長としてはかなり若い方ではないかと思います。


今回noteを始めるにあたり、その時々で思いついたことを書いていこうとは思っているのですが、まずは会社と自分自身の紹介をするためにも、今回は「電気・発電」について簡単に話していこうと思います。


発電の仕組みって知ってる?

みなさんが日々使っている電気、これがどのようにして作られているか、実は意外と知らない人が多いです。発電には火力発電、原子力発電、地熱発電、水力発電、風力発電、太陽光発電等、様々な発電方法がありますが、太陽光発電を除き、ほとんどの発電方法の仕組みは基本的に同じかつシンプルです。

平賀源内の「エレキテル」、歴史の教科書等で見覚えがある人も多いかと思いますが、発電の仕組みは今もここから大きくは変わっていません。つまり、発電機(ジェネレーター)というやつをグルグル回すと、バチバチバチと電気が発生するというシンプルな構造です。

ただし、日本に1億強の人びとが、世界に70億程度の人びとがいますが、それだけの人たちが使う電気をつくるには、小さな発電機を人間が手動でグルグル回すのでは到底追いつきません。そこで、大容量の電気を発生させられる大きなジェネレーターを回すために、水の力を使うのが水力発電、風の力を使うのが風力発電、そして現在世界中の電力供給で主流となっているのが、蒸気の力を使う、火力・原子力・地熱発電というわけです。

火力・原子力・地熱発電では、蒸気によってジェネレーターを回転させます。ケトルでお湯を沸かしてピューっとでる蒸気に風車をかざすと風車が回転するのと同じです。その風車がジェネレーターと連結される「タービン」と呼ばれるもので、より少ない風(蒸気)でいかに大きく早く回転するかを考えられてつくられています。


そして、その蒸気をつくるのが「ボイラー」であり、水を加熱して蒸気がつくられています。原子力の力でお湯を沸かすのが原子力発電所、石油、石炭、LNG等でお湯を沸かすのが火力発電、地球のマグマの力を使って蒸気をいただくのが地熱発電というわけです。

ただし、単なる蒸気では何百トンもある重さのタービンは回転するはずもありません。巨大なタービンが回転するだけの力を得るために、圧縮した蒸気をつくる必要があります。気圧の低い標高の高い場所ではお湯は100℃ではなくもっと低い温度で沸騰します。逆に、気圧の高いところでは100℃になってもお湯は沸騰しません。これを利用して、お鍋の中の圧力を高めたうえで加熱し、強い力をもつ圧縮蒸気をつくるのが発電所のボイラーです。圧力鍋と同じ仕組みというと解りやすいかもしれません。最新鋭の超々臨界火力発電などでは、圧力40MPa(メガパスカル)、温度700℃といった圧縮蒸気がタービンを回転させ、大容量の電気をつくりだします。

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この超ヤバい、高温高圧の蒸気を制御するのが高温高圧バルブであり、当社岡野バルブはこれの開発・製造・メンテナンスをしている会社というわけです。国内においてこの高温高圧バルブを作れる会社は2社であり、世界中を見ても指で数えれる程度しか存在しません。岡野バルブはその領域における世界的なニッチトップの会社なのです。


余談 電気は保存できる?

みなさんが使っているスマホ、これは常に電源と繋がっているわけではありません。それでも使えるのはバッテリーに電気が蓄電されているからなのはご存じの通りです。では発電所でつくった大容量の電気はどうかというと、実はまだそれだけの電気を保存する蓄電技術はこの世にはないのです。

つまり、つくった電気はその場で消費しないと消えてなくなるということです。だから、発電所はいつもどこかで24時間発電を続けているのです。世間では再生可能エネルギーが脚光を浴び、それの発電量もどんどん増えていますが、太陽光発電は昼間しか発電できない、風力発電は風が吹いているときしか発電できない、そして作った電気を貯めておく術はない。再生可能エネルギーのことを考えるときは、この事実も理解しておくことが重要です。


さて、2000字を超えてきたので、第1回目のnoteはこれくらいで終わりにします。ではまた次回!

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