「いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本」を読んでみた【後半】
----------書籍情報----------------
書籍名:いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本
著 者:宗像淳、亀山蔣
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はじめに
前半のレポートでは、コンテンツマーケティングの全体像やポイント、コンテンツの洗い出し方法やKGI・KPIについてを考えてきました。今回は、書籍「いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本」の後半部分を読み、今後の業務に活かすことをまとめます。今回は、実際のコンテンツ作りの方法や、作ったコンテンツをどう広めていくか、PDCAのやり方についてを考えていきます。
コンテンツテーマのタイプ
本書によると、コンテンツのテーマには、下記の4つがあります。
・エバーグリーンコンテンツ
エバーグリーンコンテンツとは、流行りすたりがなく、常にみんなが知りたい情報のことです。本書では、「ビジネスメールの書き方」「名刺交換の作法」といったテーマが例として挙げられています。
・トレンド型コンテンツ
最新トレンドに対応するためのコンテンツはたくさんの人に興味を持ってもらいやすため、潜在顧客にアプローチするうえで有効です。
世の中のトレンドに合わせた記事はもちろん、業界で注目を集めるニュースのまとめ記事も有効だと本書では書かれています。
・課題解決型コンテンツ
顧客からよくある質問や、質問サイトに良く上がっている疑問などに答える記事がこの課題解決型コンテンツです。また、課題が顕在化していない状態でも、課題に気づいてもらうためのコンテンツを作ることもできます。
・興味深堀型コンテンツ
ターゲットが興味を持ちそうなトピックを専門家の視点で深堀したコンテンツは、信頼を得たり、ファンになってもらうために有効なコンテンツです。トレンド型や課題解決型のコンテンツの中で反響が大きいテーマを選んで興味深堀コンテンツを制作すれば、コンテンツ間の導線の充実も図れると本書では書かれています。
ネタ切れ防止策
私は記事のネタを考える時に、軸となるキーワードとの掛け合わせキーワードをキーワードプランナーで洗い出して検索インテントと合う内容を記事にしますが、それだけだとネタ不足になってしまうことがよくあります。
そこで、本書で紹介されているネタ切れ防止のための下記の方法を使っていきたいと思います。
①RSSフィードやキュレーションアプリを活用する
②ソーシャルメディア上のトレンドを観察する
③顧客からの質問やフィードバックをコンテンツ化する
④業界の著名人にインタビューす
⑤著名ブログのコメント欄で議論されているトピックをコンテンツ化する
⑥関連書籍の目次を参考にする
⑦Q&Aサイトのお悩み相談を参考にする
本書で書かれている、「1のアウトプットを生み出すには10のインプットが必要」という言葉がとても腑に落ちました。この言葉を意識して、日頃から上記のような関連情報を収集しておくことがネタ切れ防止策として有効だと思います。
コンテンツ制作時のポイント
コンテンツを実際に書いていく時、最初から完璧が求めずにライティングと編集を分けた方が良いということは分かっていましたが、実際にはどうしても最初から良いものを書こうとしてスピードが落ちることが多かったように思います。本書では、最初は60点くらいを狙って書くという基準がせってされていたため、この基準をクリアするくらいで最初は書くという風に決めようと思います。
また、一番参考にしたいと思ったポイントは、「目の前にいる顧客に話しかけるように書く」という点です。実際に話しかけるように声に出してみると不思議と書きやすくなるといいます。分かりやすく語りかけることをイメージすると、コンテンツが書きやすくなります。
伝わりやすい文章構造
文章に構造が無いと読みにくい文章になってしまします。構造が無く分かりにくい文章とは、話があちこちに飛びすぎている、言いたいことが分かりにくい、具体例がなく納得感が無いといった文章です。
分かりやすい文章とは、メッセージが明確で、根拠が正しく列挙されているという共通点があります。
「伝えたいメッセージ→その根拠」ということがセットになっている構造にすることが必要です。
また、「1つの文章が長いと読みにくい」ということは良く効きます。本書では、一般的に1つの文章の長さは40~60文字以内が読みやすいと言われていると述べられています。
今までは「1つの文章が長すぎるかどうか」を感覚的に判断していたため、この文字数の基準を参考に添削を行っていきたいと思います。
読んでもらうための表現方法
本書では、Web媒体の望ましい文章の書き方として、「ジェットコースター型」という書き方が紹介されています。
ジェットコースター型の文章では、まず出だしは短く、すぐに本題に入ることがポイントです。また、本文はスピード感を持って一気に読ませることを意識します。そのためには、各文章はできるだけ短くたたみかけるようにすることが必要です。また、箇条書き、数字や固有名詞を使うと読みやすく、引きのポイントにもなります。
無料コンテンツは、お金を払ってじっくりと読むというものではありません。忙しくネットサーフィンをしている時に見つけて「ちょっと気になったから読んでみよう」という場面が多く見られます。そのため、ユーザーは飛ばし読みをしていることを前提にして、その中でも箇条書きや数字などを使って、言いたいことが理解できるように意識することが重要だと思いました。
また、数字を入れるということはコンテンツのタイトルにおいても有効です。
数値や説得力を持たせるだけでなく、協力なアイキャッチにもなると本書では書かれています。オウンドメディア内の全てのコンテンツのタイトルに数字を入れてしまうと不自然かもしれませんが、アイキャッチ的な要素が他に無い場合は積極的に数字を使っていきたいと思います。
ディレクターとライターで二人三脚をとる
本書では、「コンテンツの品質は発注者が決める」と書かれています。ライターに発注をするときに「あとはやっておいてね」と丸投げをするのでは、当然品質の高いコンテンツはできません。
これは発注をする企業だけでなく、社内におけるディレクターとライターとの関係でも同じことが言えると思います。
本書ではライター向けマニュアルを作成するのが良いと書かれています。実際に今もライターマニュアルを作成して使用していますが、本書を読んで、まだ不足している部分があると感じました。
コンテンツを制作する目的やターゲット、読了後に起こさせたいアクションなどについては、現状ライターに十分伝えることができていません。
ライターから上がってくる記事が「なんかイマイチだな」と感じてしまう原因は、指示をするディレクターが作ってしまっていると本書を読んで感じました。このコンテンツをどのように使っていくのかについてもライターに情報を下ろし、同じ目的を見ることが大切だと思いました。
双方向のコミュニケーションはソーシャルメディアで行う
ソーシャルメディアでのコミュニケーションはユーザーに安心感や信頼感を与えると共に、シェアによる二次拡散の効果も期待できます。
ブログ記事などのコンテンツを制作したらソーシャルメディアでシェアをするというのが王道の使い方ですが、ソーシャルメディアのもう1つの使い方は、ユーザーと双方向のコミュニケーションを取ることです。
ソーシャルメディアではユーザーの自然な声がキャッチできますし、それに対していいねやシェアなどのアクションをすることもできます。
また、ソーシャルメディアで、自社のサービスに対する不満や疑問を見つけることもあります。そのような時には、こちらからユーザーにコンタクトをして不満や疑問を解消するためのサポートをするということもできます。本書ではこれを「アクティブサポート」と呼んでいます。
しかし、ソーシャルメディアでは空気を読むことが重要です。アクティブサポートもやりすぎると気持ち悪いと思われてしまうこともありますし、売り込みの投稿が多いと、ユーザーの求めている情報提供から離れてしまいます。
競合分析の方法
現在はコンテンツマーケティングに取り組む企業が増えてきたので、自社の競合となる企業もコンテンツマーケティングをやっている可能性が高いと考えられます。
そのため、他者のコンテンツではなく、自社のコンテンツを選んでもらい、ファンになってもらう必要があります。
そこで必要なのが競合分析です。
コンテンツマーケティングでは潜在層をターゲットにすることが多いため、顕在層をターゲットとする広告とは「どこを競合とするか」という考え方が異なります。
例えば化粧品を打っているとして、「肌を綺麗にする方法」というコンテンツを制作するとします。この時、化粧品会社だけではなく、健康食品を打っている企業も同様のコンテンツを制作する可能性があります。
そのため、競合企業を設定する際には、類似サービスを扱っているかではなく、「検索インテントが被るかどうか」という視点で考えることが必要です。
また、私は今まで競合分析というと、競合のサイトにどのようなキーワードが集まっていて、どのくらいのセッションがあるのか、ペルソナやコンセプトはどのように設定しているかという程度しか調べていなかったのですが、今後は本書で紹介されている下記のポイントを元に、競合分析を行っていこうと思います。
①ブログの運営状況
→更新の頻度、読者の反応、記事の内容など
②メールマガジンの運用方法
→アドレスの取得方法、会員管理、メールの内容など
③マルチメディア系コンテンツの状況
→動画、漫画、画像系ソーシャルメディアなどの利用情報など
④ソーシャルメディアの運用状況
→それぞれのSNSのフォロワー数、更新頻度、投稿の内容など
⑤ダウンロード資料
→資料の内容、ダウンロード時に必要な登録情報、コンテンツの品質など
⑥リアルイベント
→セミナーなどの開催、参加状況
改善の手順
コンテンツマーケティングは、一度全体の戦略をしっかりと練ったら、走り出してからはスピード感を持ってPDCAを回していくことが必要です。
しかし、改善ポイントが多すぎてどこから改善したら良いか分からないということが多く発生します。
まず、改善を手に付ける順番を判断するポイントは、「改善することによるインパクトが大きいかどうか」です。そして、インパクトの大きい順というのは、「購入」に近い順と本書では述べられています。そのため、改善を行う際には、セールスファネルの下の方(購入に近い層)から行うことが必要です。
たとえば、フォーム項目の改修などが購入に近いポイントにあたります。
ユーザーに好かれるコンテンツを作る方法
コンテンツマーケティングでは、ユーザーに好かれ、ファンを増やすためのコンテンツを作ることが必要です。
本書では、好ましいコンテンツを作るためには、「顧客ニーズの理解」「共感を占める」「フレンドリーさ」「正直さ」の4つが必要であると言われています。
隠し事やごまかしをせずに情報を発信することで、信頼感やフレンドリーさを得ることができます。また、正直に自分自身を表現することも、好まれるためには有効です。
また、サービスへの情熱が分かる創業ストーリーなどは共感が得られるコンテンツです。
まとめ
本書を参考にして、今後、業務で下記のことを実践していきたいと思います。
・競合がどんなコンテンツマーケティングを行っているか、それに対してどのような反応があるかをオウンドメディアだけに限らずリサーチする。実際にターゲットが調べるであろうキーワードでリサーチをして、どうすれば競合ではなく自社を選んでもらえるかということを考える。
・キーワードプランナーだけでなく、ソーシャルメディアや顧客からの問い合わせ、質問サイトを自分でリサーチしてコンテンツのネタを見つける。
・プロット作成時に、「伝えたいメッセージ→その根拠」という文章構造になっているかを確認する。
・ライターには、コンテンツ制作の目的、ターゲット、このコンテンツを読んでどのように行動したいかまで伝える。
・共感性やフレンドリーさを高めてファンになってもらうために、「創業ストーリー」など、クライアント自身の情熱や人格が見えるようなコンテンツも企画する。
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