夜と涙のスケッチ

車内の椅子に置き忘れられた、ミンティアの空き箱みたいな気持ちになる夜

枕が少し濡れている、それ、もしかして冷めたうどんじゃないですか?

来年にはない祭り、太鼓を強く叩く

誠実さのかけらもなく笑っている奴が手に隠していたものを集めて早し最上川

波動拳を出しているのではない、波動拳から自分が出ているのだ

バラバラになったBMWが夜な夜なパーツごとに現れる夢を見る、デアゴスティーニの始まりだ

ひよこにもひばりにも正しさがある

隅っこも全体の一部である

夜の長さを調整できるツマミがある、未来の若者が羨ましい

コウモリの羽をちぎったら多分死ぬ

どんぶりからイクラが一粒溢れる度に泣きたくなる

世界で一番美しく雑な人生、リュックの肩紐がいつもずれ落ちる

地団駄踏み狂え、誰よりも高く飛べ

全国のとんかつ屋が布告した脱とんかつ宣言に箸の震えが止まらない

室外機の相づちはまばらだけど、話し相手もいないからずっとお喋りしてる夜明けまで

ベーコンがないので代わりに美味しい気持ちをたっぷり込めたカルボナーラが不味い

あなたはあなたの自由意志に基づいて金玉が痒い等の発言をすることを許されている

上半身が人間で、下半身も人間

書いてもいない自分の書籍を、青空文庫で探すような人生だ

ピンクの電話の面白いほうに似てるね

生まれた時に始まった青春が、死ぬ瞬間も終わらなかった

しょげなくていい、しょげてもいい、お金貸してくれればそれでいい

暖かいところにいるべきだ

どんなものでも大抵"ほんのちょっと困ってるジューシーフルーツ"の一言で例えられる

アイルビーバックって言ったきり音沙汰ないけど、元気かしらあのサイボーグ

毎日一つ、胸がしびれるアイデアを

ツンデレという言葉が生まれた瞬間にツンデレが絶滅した

ニアイコールの許容範囲がわからない

空から熱々の餃子が降ってきて、それで死ぬ人もいる、救われる人もいる

想像以上のことが起こると思っていたその想像も簡単に超えるような毎日だ

知恵の実齧りかけてこっちを見てる(どエロい)

薄いレモネードで覚醒する

ダビデ像のちんちんのところについているあれって、もしかしてちんちんですか?

それじゃまるでガーファンクル&ガーファンクルだよ

洗濯物から、お前とだったら一生乾かない自信あるわと、プロポーズされた

家に帰りたくなくなるまでがデートです

ケツの穴みたいに小さな男

本に囲まれて一冊も読まずに暮らしたい

夜な夜な多種多様な動物がやってきて部屋を荒らしていくスタイルの年末年始

絶対に負けられない戦いに何度負けてきたか分からない

プラスチックで出来た生き物にも愛情を注げる

コミカルを絵に描いたような囚人

世界中のエロ本が自らの意思を持ち始めた日のこと覚えてる?

ブルータス、俺もなんだ

ファンタを飲むときに起こるある感情について

ノーベル賞を取ったはずだが、どの部門かは忘れてしまった

音もなく忍び寄り、歌いながら遠ざかる

音もなく生まれ、歌いながら死んでいく

目を逸らした先にも虹がある

言葉覚えたての犬でも、もうちょっと気を使った言い方するぞ

詭弁だけを燃やすはずの炎が、正論さえも焼き尽くしていく

おどけてもいないのに朝が来てる

まるで生きてるような人生だった

ちんちんの皮を被った悪魔

熱と温度のような関係

致死量の優しさをザバザバ浴びせられても、すくすく成長できる人生に憧れていた

宙に浮いた酒井若菜に、浮いていない者の代表としてなじられ続ける夢

自分より面白くない物や人を、わざわざ探し安堵している、事に気づいたときにはもう手遅れだから、今日はすり鉢の底記念日

「ツラに資本のない奴らが、なにやら騒いでいるけれど」で始まる新しい日本国憲法前文

産声からよぼよぼまで約5秒

君の考えるちょうどいい感じの痴女は、この世界にはきっと存在しない、鏡に向かってつぶやいてみる

マルサの女のテーマ曲がエンドレスで流れているコンビニ

強い気持ち弱い犬

もう2度と会えない人たちのことをワンブロックで考えてしょげる

夢は賞味期限ギリギリが一番うまい

さっきまで生きていた人

さっきまで生きていた人を撫でる

句読点のない日々は、読み方がわからず困難だ

毎日うんこ踏みますことを心よりお祈りいたします

チェンジをした私にもチェンジをされた貴方にも同じ朝が来る

眠い日々でもなんとかなるさ、時間が経てば華も咲く、枯れるとしても華は咲く

目を見れば分かる、母の葬式に現れたマスクマンはあの時に家を飛び出した兄だった

全身に目がある妖怪、手のひらに目がある妖怪、尻の穴に目がある妖怪、涙腺もそのそばにある

目隠しされたままエロいことをされて、美味いものを食べさせられて、暖かいところで冬を越した

もう何も信じていないはずなのに、 私をじっと見つめるあなたの目はなんだ

そんな怯えた目で僕をアムウェイに誘うなよ

全てのエアーオルガズムを見抜く、俺の目は騙せない

卒業式の日に、何度も目が合った

嘘つき村の人たちに目力あるねと褒められる

壁に耳あり障子に目あり、頭の片隅に元カノあり

褒められてもけなされても同じようにくすぐったい

我輩の辞書に後悔の文字はある、でも辞書の引き方が分からない、もう分からなくていい

クソババアになっていく君を定点観測していたい
ふたりの性欲は完全に釣り合ってる

分け与え続けて何にもなくなりたい

日を追うごとに深くなるその皺に潜り込んでずっとうたた寝していたい

100年待ってくださいって言われても一日も待てないからね

タイムマシーン、壊してきました

自分のことを狼だと思い込んでいるインコ

現実と同じ解像度で夢を見ている

言葉の存在証明を、言葉自体で試みる遊び

紙を切り抜いて作ったつがいのトカゲをあげよう

握りしめてトロトロになったバターを僕の唇に

生きてる俺を追悼するない

踊れてないダンスの面白さを理論的に証明した人っているのかな

寂しいとか人恋しいとかを口にする一瞬前に、その言葉は頭の中から逃げ去ってもうそのドアの外、誰かの感情と見分けがつかなくなっている

ベタすぎて逆に照れるから、人類を滅ぼさない選択をする次のステージのAI

自分でノートに描いたやつでも、虹

トイレの神様に出てこない、語られないほうのおばあちゃんのことを考える

「さようなら」や「また明日」をこれ以上言える自信がない


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