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続く「富」の国外 "垂れ流し" 。 ー 貿易赤字、対外証券投資。

 1月貿易統計(速報、通関ベース):
 ①輸出額 6兆3,320億円 +9.6%(年率、11カ月連続)
 ②輸入額 8兆5,231億円 +39.6%(3カ月連続で過去最高を更新)
 ③貿易収支 ①-②=▼2兆1,911億円(6カ月連続、2014年1月に次ぐ過去2番目の赤字額)

 「シルバーデモクラシー」に "静かな反乱" 。 ー 「お金」の ”脱・日本” 。|損切丸|note が止まらない。本日(2/17)発表の1月貿易統計 ↑ によると②輸入額は過去最高③貿易赤字は過去2番目というから「富」の "垂れ流し" は悪化の一途高い物を買わされて赤字続きの会社のよう。

 当然そういう ”危ない会社” からは「お金」が逃げ出す「通貨」を国の「株価」と考えれば「円安」は合理的な動き。実際*対外証券投資(  標題添付~12/2)でも国内投資家の海外株・ファンドの買越が続いている。

  "中長期債” は逆に1週間で▼1.9兆円の売り越しだが、金額規模から邦銀の「ヘッジ付外債」の売却 ↓ と想定される。欧米で「利上げ」が現実化する中、 いよいよ「大転換」? 日本も「利上げ」シフト。 ー 「外債投資」から 円へ「お金」が逆流する可能性。|損切丸|note は当然の流れ。ただ、投資は通貨スワップ為替直先FXフォワード2営業日後と数ヶ月先のドル円を同時に売って買い、または買って売りする手法)を用いており、「お金」は国内に戻るが「円高」は発生しない

 問題は当面有効な「円安対策」が見当たらないこと。根本的には日本の付加価値を高め ”稼ぐ力” を復活させる事が必要だが、かなり時間がかかる。「現状維持」にこだわり「シルバーデモクラシー」を続ければ事態が急激に改善する見込は薄い

 せめて時間稼ぎのため「円安政策」だった ”バズーカ” の後始末 ー 「10年日本国債@0.25%無制限買取オペ」の深層。|損切丸|note が必要なのだが、文中に書いたように大問題になるのが「日銀の金利差損失」

 今回もまたタイミングが良いというか何というか、昨日国会で同様の質問がなされている  。質問者はあの ”円暴落論者” (笑)藤巻議員(維新)。同じ外資出身で米銀の東京支店長までされた方だが、情報を事前に知っていた訳でもなく、アシストのために note. した訳でもない(苦笑)。

2/16午前 衆院財務金融委員会 黒田日銀総裁答弁

 「仮に将来評価損が生じたとしても、中央銀行は継続的に(お札の価格が製造コストを上回ることによる)通貨発行益が発生するので、信認が毀損されたり、政策運営に支障が生じることはない」

 既に119兆円もの銀行券を発行(@1/31)しており、今後も「通貨発行益」が「金利差損失」をカバーしうる程、兆円単位で発生するのか?

 「政策金利を引き上げると当然支払い利息が増えるが、日銀の保有国債の平均残存期間は7年弱で、償還期限の来た国債に再投資するので、受け取り利息の大半を占める国債の金利も上がっていく」

 日銀保有JGBの平均年限が「7年弱」と判明。再投資しても今ある500兆円の利回りは大きく改善しない "無理なナンピン" よりも、買い換えの前に今保有しているJGBの「損切り」が先ではないのか?

 「短期金利の急上昇などで一時的な逆ザヤはありえるが、そうなると決めつけることもできない。プラスの形が続く可能性もある。一概に出口にさしかかると金融収益がマイナスになると決めつけることもできない」

 「決めつけることもできない」の繰り返しプラスになる「可能性」は低そうだが、それは7年間「利上げ」しないという意味か?

 「FRBも出口の局面で数年赤字になるとの予測を示していたが、コロナの中で緩和を続け、今頃正常化のプロセスはじめるということで、おそらく赤字になる可能性は薄い」

→ また「おそらく」「可能性」少なくともFRBは数年赤字になる事を覚悟の上の「利上げ」なのに、日銀は政府・財務省と話をしていないのか?

 まさに突っ込み所満載。質問時間が短くて詰め切れなかったのかもしれないが、これでは答弁になっていない。

 日本と違い「お金」に厳しい欧米。 ”ラガルド総裁の心変わり” で突如「利上げ」シフトした欧州でも、当然「金利損失問題」は話し合われている。仮に財務省が例の「財政健全化至上主義」日銀の損失を▼1円も認めない=「利上げ」させない、という態度なら、日本だけが取り残されてしまうだろう。つまり「富」の "垂れ流し" が続くことになる。

 「損切丸」を始めて以来ずっと言い続けてきたことだが、これは政府や日銀、財務省の責任だけではない行き過ぎた「清貧思想」に毒され「お金」に甘すぎた我々日本人にも問題がある。「円安」防止で「利上げ」を求めるなら、その結果発生する日銀の「損失」も覚悟すべき。そもそもこんな馬鹿げた政策を認めた選挙民の責任でもある。

 筆者は ”円暴落” にも 日本の "トルコ化" (?)|損切丸|note にも組みしない。今後は「大変だ」「耐えられない」といった "感情論" に流されず、もう少し「お金」に焦点を当てた "現実論" を戦わせていくべき。そのための "FACT" を赤裸々に映し出すのがマーケットであり、その中でも "超現実主義者"「金利」の発するメッセージは貴重JGBは押さえ込んだ10年金利を横目に、2~5年と10年超の金利が上昇基調を強めている ↓ 

「無理は通っても無理」 ー 「金利」はそう語りかけている



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