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さらば "異次元" - 次に待ち受けるのは「利上げ」催促相場

 とタイトルは付けたが、「損切丸」の第一印象は「結構思い切ったな」

 実際「マイナス金利解除」するとどうなるのか?|損切丸 (note.com) では「マクロ加算残高」を残す予想をしたが、特殊な「三層構造」↓ は崩れ ”元来の準備預金制度” へ戻る。これで@0.10%の「付利」対象は一気に300兆円以上増え、日銀は年間約▼3,000億円のコスト持ち出しになる

 もっとも増えた▼3,000億円の利払いはそのまま銀行の収入となり業績にはプラス普通預金金利を現行の@0.001%から@0.02%(20倍!?)に上げるようだだから、そのうち2,000億円=預金1,000兆円×@0.02%は預金者に渡る住宅ローンの負担増ばかり煽る記事が目立つが「預金大国」日本では高齢者を中心に国民のメリットの方が大きい

 その後JGBは買い戻され金利は全般に低下日経平均が@40,000円に戻した動きを見ると、事前報道が多すぎたので ”お漏らし” などと批判する専門家もいるが、とにかく今回日銀は "賭け"に勝った”勇気” の代償とも言え、 "お上" が率先する事でリスクを取っている個人投資家にも自信になる

  ”フォワードガイダンス” とか ”オーバーシュートコミットメント” とか前体制が「異次元緩和」を正当化するために無理矢理捻り出した ”呪文” を全部外したのも英断これでやっと "異次元" とおさらば。後から外そうとしてもまた大騒ぎになるのは目に見えているのでマーケット、特に株式市場の地合いのいい今、一気に片付けようとしたのかもしれない

 17年振りの金融引締めを祝うかのようにTONAR(無担保コールO/N金利)は3/19に@▼0.001%を付けた。3/21からすぐ新しい政策を反映させるのも日銀の "強気" を窺わせる。遂に「プラス金利」が始まるe.g., TONAR@0.01~0.05%

 と喜ぶのも束の間、日銀にはマーケットとの新たな闘いが待っている。織込み済みだったとは言え、結構思い切った ”タカ派” な決定を下しただけにドル円が@150円台後半まで一気に「円安」に飛んだのは想定外だっただろう。いわば「利上げ」催促相場の始まりである

 今回 はっきりした「ドル建日経平均」戦略Ⅳ - 狙われた日本人 ≓「新NISA」|損切丸 (note.com) でも書いたようにヘッジファンド(HF)の中には「ドル円」「日経平均」の売り崩しを狙ったが、おそらく買い戻し損ねて焼かれた所もありそう。ここ数日ドタバタ売買いを繰り返して何とか「損」を取り返そうと躍起だったが、今日の動きで傷口を広げてしまった。現状は「新NISA」と日銀の勝ちと言っていい

 とにかく奴らは「キャリートレード」が大好き。またポジションを「ドル円」+「日経平均」の「ダブルキャリートレード」↓ に組み直したのは明らかで、今後も波乱の芽になるだろう

 これを止めるには少なくとも日米の「金利差」が▼2%以上縮小する必要がある。例えば日銀+1%「利上げ」+FRB▼1%「利下げ」。これでやっと「円安」が止まるドル円を140円割れで定着させるにはそれ以上のアクションが必要になるので日銀だけでは相当難しい。どうしてもFRB頼みになる

 明日(3/20)のFOMCの決定を待つが、現状では「利上げ」開始は9月、年内▼0.50%「利下げ」も怪しいので「円安」是正の道筋は依然厳しい

 財務省的立場で「国庫」の損益を鑑みると、現在日銀が保有しているJGB600兆円×平均利回り約@0.20%=+1.2兆円 ↓ から@0.10%付利増加分の▼3,000億円がも持ち出しになる。次に+0.25%に「利上げ」すると「逆鞘」に陥るため彼らにとっては「税収減」と同じ。もっともこれはFRBやECBにも同じ事が起きているわけで「利上げ」の代償でもある

 おそらく彼らの狙いは「財政健全化」。この辺りの「お金」の増減は精緻に計算しているはずで、政治家の先生方には「これだけお金が足りなくなります」とレクチャーして無駄な支出を削る作戦だ

 既に医療財政が著しく逼迫している日本では "ゆりかごから墓場まで" はもう無理。ー 「お金」の事ははっきりさせよう。|損切丸 (note.com) 「英国病」≓「失われた20年」「通貨安」など起きた現象も酷似しており、かつてのイギリスと同じ道を歩もうとしている

  "Sell the Rumor, Buy the Fact" (噂で売って事実で買え)

 今回これを地でいったのがJ-REIT平均配当利回りが一時@4.7%まで売り込まれたが発表後は@4.5%割れまで急回復「あおぞらショック」→ 米商業不動産・REITの「投げ売り」があったにせよ、日銀が買入停止を発表した直後に急騰の皮肉。それと合わせるように不動産関連株が急騰している。まあ「損切り」後の市場の動きはこんなもの。もっとも地銀などは "みんな一緒に売った" ので安心(?)

 何度も何度もしつこいようだが(苦笑)、+1%金利が上がるぐらいで破綻するような住宅ローンや事業借入はもう止めた方がいい。そもそも「リスク管理」が出来ていない証拠。これで日本はやっとベッドから起き出して本格的リハビリを開始する訳でこれからが本番

 元・金利トレーダーが老婆心で言えば「金利は上がる時は速い」昨年のFRBで散々見たはずが、人間 "自分事" になると厳しくなれない。客観的に物事を見れなくなって「利上げしないで!」と祈るようになったらもう「損切り」時"後悔" しないよう「シナリオ」を策定し「事前準備」を尽くしたい。己の意志決定が全て。皆さんの健闘を祈る

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