慢性腎臓病における入院率に関するプラグマティック試験

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2311708

背景
慢性腎臓病、2型糖尿病、高血圧の三主要疾患患者に対するガイドライン準拠治療の実施による死亡・合併症リスク低減を検討した大規模試験の結果が不足

方法
三主要疾患患者11,182人を介入群(電子カルテに基づくアルゴリズムでガイドライン治療)と対照群(通常治療)に無作為割り付け
主要評価項目は1年時点の入院率
副次評価項目は救急受診、再入院、心血管イベント、透析導入、死亡

結果
介入群71クリニック5690人、対照群70クリニック5492人
1年入院率は介入群20.7%、対照群21.1%と群間差なし
救急受診、再入院、心血管イベント、透析導入、死亡のリスクも同等
介入群で急性腎障害がやや多い

結論
一次医療での電子カルテアルゴリズム・実践支援者の活用は、三主要疾患患者の1年入院率を低下させなかった


一次医療現場でIT技術とマンパワーを投入してガイドライン準拠治療を強化しても、これらの重要な臨床アウトカムの改善には繋がらない。
この結果から、単にガイドラインの実践を促すだけでは不十分で、より根本的な介入が必要であることが示唆された。
治療アドヒアランスの向上などを含めた、より包括的な対策が求められる。

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