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YUKI SOUNDS OF TWENTY 名古屋センチュリーホール公演 所感

2022年にソロデビュー20周年を迎えたYUKIさん。
多感な時期にYUKIと出逢い、28年という歳月の半分以上この人の音楽を聴き続けた私にとっても特別な節目となるお祭りイヤーです。

コロナ禍におけるライブの難しさはありますが、昨年の“Terminal G”ツアーを経験すると、YUKIのライブにおいて感染症対策へのネガティブな感情は無く安心感があったので、当然今回のツアーもチケットを申し込んだわけです。
ファンクラブ会員ではない私は(どちらかが当たれば良いな〜)なんて気持ちで名古屋の2daysで申し込んだところ、まさかの2公演とも当選。
2日連続でライブを見るというのはどのアーティストでもやったことが無かったので困惑しつつも、(設定したクレジット決済が取り消しという選択肢を与えてくれなかったので)両日行ってみることにしました。

このライブは過去に経験したどのアーティストのどのライブよりも素晴らしかったです。
何がこんなに良かったのか。
忘れてしまうのが勿体無いのでnoteにしたためることとしました。
よろしければお付き合いください。
※以下、ネタバレ含みます。

  • YUKIのパフォーマンス

テレビに出演すると不安定な歌声となってしまうYUKIさん。
番組を一緒に見ていた嫁にもdisられ、「違うんだよ!ライブだとめちゃくちゃ上手いんだよ!メイ見たもん!」と半泣きで主張していましたが、今回初めてライブに参加する嫁にその歌の上手さを証明することが出来て誇らしかったです。

特にbling blingツアーあたりからその安定感とタフさが爆発しているYUKIは今回もステージを縦横無尽に駆け回り、ノンストップで歌いまくる始末。
年齢を重ねる毎に成長しているYUKIに我々も元気を分け与えてもらえます。

Google検索で「YUKI」と打つと、関連ワードで「劣化」なんてワードが出ますが、これはYUKIを知らない連中のデマです。
むしろ「YUKI 劣化しない」、「YUKI 石仮面でも被ったのか?」と困惑する皆さんの投稿がこのワードを呼び寄せたのでしょう。

  • セットリスト

ネタバレしまくりますが、今回のセットリストは新参者に受け入れやすく、ファンを泣かせる巧みな構成だったと思います。

まず凄いのが、導入の可愛いアニメーション映像からの『呪い』です。
YUKIは『呪い』について、暗いメッセージを孕むこの曲を作ったことを後悔していると何かで読んだことがあります。
バンドという万全な母体から1人巣立ち、不安定な中作ったこの曲は滅多に披露されてこなかったわけです。
これを20周年の1曲目に持ってくるということは、あの頃を軽く笑い飛ばせるような現在の充実ぶりを証明しているかのようです。
次の『the end of shite』で音楽的にもその明るさとパワーで雰囲気をガラッと変えるのが気持ちよかったです。

そして最も異彩を放っていたのは『マイ・プライヴェート・アイダホ』でしょう。
YUKIのアルバム作りにおけるこだわりとして、必ず1曲は「お?」と思う曲を入れているそうですが、これはその中でも代表的な謎曲。
キツネとヒツジが乗馬し海岸線を突っ走る映像を見ながら巨大なたてがみを模した衣装で踊り狂うYUKIの歌を聞くという・・・。
そんな混沌とした時間は非日常を味わえるYUKIのライブならではの特別な体験です。
意味不明なことが次々と繰り広げられるYUKIのライブの中でも、最も笑えたパフォーマンスでした。

逆に泣けたのが『星屑サンセット』の演出です。
THE FIRST TAKE風にYUKIが歌う映像と共に、過去のMVの名シーンが映し出され、楽曲と重なる自分の思い出を走馬灯のように思い浮かべながら現在の楽しそうに歌うYUKIの姿を見て号泣してしまいました。
この映像が見たすぎるので間違いなくライブ映像を買ってしまうでしょう。
「愛だ」というメッセージも胸に来ます。

当然、クライマックスに向けて盛り上がる曲ラッシュをしてくれたのは最高でした。
特に『舞い上がれ』と『ヘイ!ユー!』をやってくれたのが嬉しかったですし、『ワンダーライン』からの『ランデヴー』、そして『WAGON』ですから、正気ではいられませんでした。

最後に、2日間参加した事で気づいたセットリストの変化について報告します。
『誰でもロンリー』から始まるメドレーがあり、この内容をガラッと変えてくれました。
『ビスケット』が入った初日も良かったですが、特に『プレイボール』と『世界はただ輝いて』が入った2日目のメドレーがたまらないです。
あの10年前の東京ドームの懐古でエモーショナルな気分に浸れました。

また、初日で『ひみつ』をやった場面で、二日目は『2人のストーリー』をやりました。
この2曲は名曲中の名曲でライブの定番曲でもあるのですが、良すぎて2曲ともやると「重いな」と感じることがありました。
こうやって2日間にセパレートして披露してくれたことによって、身の丈にあった適量の名曲を浴びることが出来るので良かったです。

  • YUKIの米国化について

謎なのですが、今回はYUKIが米国人男性のようになっていました。

NYっぽいストリートを練り歩きながら、ぶっとい金色のネックレスを拾うという怖いVTRも流れましたが、地面を刺した後ジーザスに祈るような仕草や、力こぶを作ってキスするという挙動が米国人男性の様相を呈していました。
先に触れた『マイ・プライヴェート・アイダホ』の選曲もそうですし、思い返せば開演前の会場にも異様に耳に残るラップが流れてましたね。

YUKIさんの脅威のメンタリティーとバイタリティーの秘密はこうした米国化によるものなのかもしれません。

  • 最後に

コロナ禍になってからライブに行く機会が減りました。
それは社会的にも同じ傾向があるのでしょう。
今回もしっかりと満席でしたが、ユキンコリニスタでもない私が良い席のチケットが取れるような状況です。(学生時代は取れませんでした。)

声出しができれば最高ですが、できない状況でもYUKIのライブは120%楽しい体験を提供してくれます。
感染症対策もバッチリですし、安心して楽しむことができます。

YUKIのような超人に触れる機会は特別です。
この2日間でYUKIから受け取ったパワーは計り知れません。
インターネットの雑踏とは全く異なるポジティブしかない空間を味わうことができます。

そうしたライブの楽しさを再認識する貴重な経験をさせていただきました。
もっともっとみんながライブに行って豊かな心で生活できるように願っています。

ライブに行こう!米国人になろう!ユキンコリニスタに再加入しよう!
私が伝えたいのはそれだけです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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