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「来たときよりも、すばらしく」──ラビッシュ・ラビット・プロジェクト(RRP)とは


 2021年にスタートしたラビッシュ・ラビット・プロジェクト(RRP)は、河川のゴミ問題を解決する参加型プロジェクトです。かつ、このプロジェクトを立ち上げたアーティスト岡本亮個人のアート作品でもある。

 この記事では、岡本亮をアウトドアの世界に引き込み、このプロジェクトも裏方で支えている岡本篤(実の兄です)が、できるだけわかりやすく説明します。

遊びなのか社会貢献なのか

 人間の営み、たとえば、

「遊びと仕事」
「休暇と労働日」
「営利活動と社会貢献」

に明確な境目はありませんよね。

 奈良県の高見川のBBQゴミ問題をテーマに「これは遊びなのか社会貢献なのか?」という問いを投げかけます。さらに、ヒトの根源的な楽しみをプラスし、多様な参加者の参加を促す。これがRRPが川のゴミ問題を解決する手法です。

 「来たときよりも美しく」という標語があります。公園で遊ぶついでに落ちているゴミを少し持ち帰る、そういう心がけです。これに似ていて、われわれ川遊び客が清掃業者の役割を少しだけ担う。

 川のゴミというのは、人間が拾いきれないほどの量ではありません。無限に打ち寄せる海ゴミとはちがい、人力でも着々とやり続ければなんとかできてしまう。ですが、これをふつうは自治体とゴミ処理業者に押しつけるのがわれわれです。すると手間とカネが発生し、結局それは税金になって降りかかってきます。

 本来これくらいの仕事は、市民が力を合わせればじつはやったほうがいい。それも、大いに自然を楽しみながら、超オシャレでおいしい食事とともに夕暮れの川辺で語らい、かつ「映え」つつ、社会的影響力を発揮しながらです。その人間活動の多様性提案がこのRRPなんですね。

RRPに参加する方法

 ここに参加する方法はいくつもあります。

(1)川の実際の活動に参加する(労力を出す)
(2)スポンサーになる(お金を出す)
(3)拡散する(リアルやSNSで言いふらす)

 現在のこの活動は、岡本亮がCDO(デザイン責任者)をつとめる株式会社ムサシ(わたしが経営しています)が資金的にも実働面でもサポートしている。しかしこの活動は日本全国はおろか世界中に拡がってほしいし、さまざまな個人・団体がさまざまな役割を果たしながら継続していってほしい。

 ですので、企業経営者のみなさんはぜひスポンサーになることを検討してくださいませんか。

 地元の川を自分たちが出した金で浄化するチャンスです。出資企業の名前は参加者がまとうTシャツに掲載されます。掲載位置はオークション方式。いちばん高額出資をした企業・個人が背面に大きくプリントされます。ちなみに個人スポンサーも企業と同列にデザイン、レイアウトされます。

 そしてなんといってもいちばん楽しいのは、もちろん現地の清掃活動に参加することです。スポンサー企業が社会貢献の一環としてスタッフを送り込むのもいいでしょう。

 川に同志が大勢が集まって遊ぶだけではなく、ゴミ拾いという社会貢献をするわけです。昨年は作業を終えたのち、野外料理が得意なシェフを招き、河畔の古民家で野趣あふれる料理に舌鼓を打ちました。美しい山間部を流れる日本の夏の川で、身体も心も満たされるありえないほど稀有な体験です。

スポンサー支援金の用途

 スポンサー企業や個人からの資金は、当日の運営経費やゴミ拾い用品の購入に使います。活動の参加者はこのRRPにお金を払って参加しています。この志にたいして、企業がさらに志をお金の形で追加して、参加者の体験を豊かにするわけです。遠方からわざわざ自分たちの地元の川を清掃しに来た人たちに報いることができる。

高見川を選んだ理由とほかの舞台への展開

 このRRPは初めての活動の舞台として奈良県南部の高見川(紀の川・吉野川水系)を選びました。BBQゴミ問題に困っていることが発端でしたが、川のサイズ感、景観の美しさ、現地の人々の受け入れ態勢、そして遊び場としてひじょうに優秀でしたので、この川を選びました。

 今後、このプロジェクトのコンセプトがが担保できる場所ならば、日本中・世界中にこの活動を展開していきたいと考えています。

 ご興味のある方、ぜひ8月19─20日に高見川でお会いしましょう。そしてスポンサーの申し込みもお待ちしています。


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