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「なぜ?」からはじめるオープンデパートマニュアル

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ムサシオープンデパートの運営手法を怒涛のように全公開してきます。全国各地で開催するオープンデパートのマニュアルであり、コミュニティデザインの右往左往の記録でもあります。
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#加古川

朝市の運搬仕事の勘どころ

□運搬は悪である □運搬はゼロ化せよ  運搬はそれじたい何の価値も生まない単なるコストである。最小化を目指すこと。朝市の目的は人と人の接点を増やすことだ。それ以外の準備や撤収は労力が少ないほうがいい。一瞬で会場ができるような手法を作る。そのためには重機でも政治力でも魔法でもなんでも使ってよい。 □時短ではなく労力最小をめざす □動線設計は設営・撤収効率をもっとも大きく左右する  会場の動線設計は会場設計のもっとも重要な要素である。イベントの集客や盛り上げが成功しようとも

観察眼がついてきたのは250回も朝市を開催してきた結果です

 最近は加古川以外の町で朝市を開催している。和歌山の中辺路、鳥取県米子などは開催をはじめてまあまあ時間がたっている。そんな中先日ついに熊本の三角で開催となった。そこに関して言うと厳密には天草の企業がマルシェを開催するにあたり我々がサポートしアドバイザーとして関わった形になる。    とはいえ我々の考えや運営のしかたを存分に活用いただき、結果的に実に見事なマルシェができあがった。    その様子がどんなだっかはまた書きますが、ひとことでいうと1回目としては最高の形になり過去に開

丘の上文化祭(ON THE HILL 1周年)終わる

 ON THE HILLで開催されていた1周年記念イベント「丘の上文化祭」の2DAYSが終わった。  来なかったみなさんのために雰囲気を解説しておこう。  雰囲気はSAVE KAKOGAWA FES(SKF)の小さいバージョンだ。あの開放的な雰囲気に、クラフトやアート系の割合を増やした。それもすべてがハイ・クオリティをかならずしも目指しているわけではない。  バラバラのものを混在させ、それをナゾの空間認知能力を持つ岡本亮(ごぞんじおれの弟ね)がまとめてみせるという、かな

「おかげさま」を越えていく(SKF2022秋)

 スポーツ選手のオリンピックメダル獲得シーン。試合後のインタビューで典型的な応えは「チームメートのがんばりのおかげで」「支えてくださるスタッフ、その他のみんなのおかげで」「家族のおかげで」「おかげさまで」。  「おかげさま」この聞き飽きたフレーズ。  こういうコメントにたいし日本では「謙虚」という評価がされることが多い。しかしじつはこれはその選手が謙虚なのではない。たんなる事実を述べているだけだ。  たいへん当たり前のことを言うと、1人の人間が偉大な結果を残すのは1人で

SKF直前、初めての電子書籍を出す

 明日のSAVE KAKOGAWA FES(SKF)をひかえ、電子書籍を出版することができたので、ひとまずお知らせ。いまのところAmazonランキングで395位まできた。電子書籍っておもしろい。書くのはしんどいんだけど、そこから後に起きるいろんなことのスピード感と空間を超える感触がたまらない。  考えてみていただきたい。とりあえず日本語で書いたけど、これDeepLなんかで翻訳してこれまたAmazonに放り込んだら、いきなり「洋書」が出せちゃうことになる。ほんとあきれた時代だ。

MOD朝市とは

 ムサシオープンデパート(MOD)朝市はどういう事業なのかをあらためて綴っておきましょう。  朝市はいわゆる「マルシェ」形態の「イベント」です。マルシェというのはフランス語の市場のことで、日本語で「市場(いちば)」のことです。日本語には「市場」「朝市」「夜市」など豊かな日常語があるのだからそう呼んでいます。 日常をつくりなおす  さきほど「イベント」といちおう呼びましたが、朝市が目指しているのは「イベントではなく日常」です。この国に必要なのは豊かな日常生活の作り直しであ

記録7 SAVE KAKOGAWA FES 2022

 始まった2日目の営業はあきらかに手応えがよかった。初日より人が多い。昨日のお客さんがもういちど来てくれている人も多い。  お客さんの動線確認にJR加古川駅まで見に行ってみる。要所に配置した地元サッカーチーム、チェント・クオーレ・ハリマの選手たちは想像をはるかにこえる笑顔で呼び込みをしてくれている。健康的で全身からみなぎる若く溌剌としたインパクト。見回っていてもなんだか自然に笑ってしまうくらい楽しい。  ちなみにこの改札前に並ぶ選手たちはすでに選考をすませてあった。かれら

記録(4)SAVE KAKOGAWA FES 2022

 運命の2日目開業まであと15時間ほどしかない。  微妙ではなく明らかな結果が出ていた。駐車場レスでのKMA(川まで歩こう)スタイルでの開催は、ほぼ失敗に近い結果を残していた。客数が少なすぎる。  1日目の終了間際にスタッフとこの点について議論をした。可能性としては2日目は駐車場レスで開催するのをやめ、広い川原を駐車場として全開放する選択肢もあった。  じつはこれは簡単なことなのだ。今回は川原の駐車場は使っていないだけであって、広い川原は使用可能スペースとして残っている。

記録(2) SAVE KAKOGAWA FES 2022

人なんか歩いていなかった。JR加古川駅の北口から川原まで、下見をくりかえして設定した動線はぜんぜん機能していない。 しかも、安全のために配置した誘導人員は、なぜかぜんぜんちがったルートに配置されてボーッと立っている。メチャクチャではないか。  さらに問題発覚。今回、改札前と川原の入り口の2カ所にはとくに愛敬のいいスタッフを配置する指示を出していた。お客さんをまっさきに最高の笑顔で迎えたいからである。なのになぜかきわめつけに愛想のない社外スタッフがぼんやり突っ立っているではな

めんどくさいからと仕事を削るやつはだめ

「ここにタープつけたら相当いいかんじになるなあ」 と提案があったとする。朝市の会場をよりよくするための提案だ。この提案を聞いたら、そしてそれがいいものだと思ったら、どうやったら実現可能かをまず考える。  ここにタープをつけるためには、大きさと重さから判断すると会場のこのあたりとあのあたりに強固な支柱が必要やなと予測できたとする。そのときに感じる、ああこれは結構な作業量になるなと予想できる。  そのときにだ、割と高頻度でそれを阻止しようとしてくるやつがあらわれる 「それ

必ず振り返って確認する。けつはきっちりと拭く

 今週の朝市は13時に終了した。朝市は基本的に何もない場所にテントを張ってベンチを置いて開催するので、おわった後は何もない状態にして帰る。  そのときに、私が必ずやっていることは振り返ることだ。さあ終わりました解散ですとやったあと必ず振り返って会場をみて最後のチェックをする。  ゴミを拾うトングを持ちながら、会場を一周する。ゴミは落ちていないか、現状復帰ができているかどうかなど。ウェルネスパークは公共の場所。駐車場を週末だけかりて朝市をやっている。実は1箇所車が通るにして

ドラムリールのコードは引っかかって抜ける

 朝市の会場は屋外が基本です。当然ですがほとんどの場合電源がありません。電気が必要な出店者は発電機を持ってきます。    発電機はうるさいです。会場の近くに置くと会場全体がゴォーという爆音に支配されるので可能な限り会場から離して、まとめて置くようにしています。ときにはその距離が30メートル近くになるときがあります。ですので出店者にはドラムリールという延長用のコードをもってきてもらうようにしています。    そのドラムリールのコードが実はよく抜けるのです。お客さんの邪魔にならな

飯場あらためサロンとしたこれだけの理由

 朝市名物に飯場ってのがあった。    文字通り飯を食う場所で、イメージは現場で働く作業員が飯をくったりお茶を飲みながら談笑したりする場所。    うちの社長の岡本篤はここをとても大切にしている。そこまでそこに意識が届いていない俺にあっちゃんはいつも「みさお、スタッフとボランティアの飯は用意してるんか、そこちゃんとやれよ」と言う。    すみませんまだです、忘れてましたとやって怒られる。普段から飯をもらってばかりの俺にはリーダーとしてみなに充分な食事と休息を提供するという考え

朝市の唯一とも言える弱点は風。だから私たちは対策をたてる

 朝市は雨のときは中止と決めています。最初は雨でもやっていましたが、朝市が現在毎週開催されている兵庫県加古川市は瀬戸内気候に属し、年間の降雨量がとても少ない。だから思い切って、雨をやめるということにしました。年間に何回かは中止になりますが、それでも他の地区での状況を考えるとやれているかなとおもいます。  そこで本題にはいりますが、雨を中止と決めた朝市にとっての強敵は風です。風の予想が10メートルを超えるとなると事前に中止もありますが、もんだいは5〜8メートルのときなんです。