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彼女のドタバタ女将日記⑥”Like your home or not?”

みなさんは、どんな時に飲食店を利用していますか?

✓ 空腹を満たすために利用する
✓ のどが渇いたときに、ちょこっと座ってのどを潤すために利用する
✓ PCで仕事や勉強のために利用する
✓ 親しい友人や家族、大切な人との会話を楽しむために利用する
✓ 一人時間を満喫するために利用する
✓ 夕食の支度をするのが面倒な時に利用する
✓ 飲食店の味を自宅で味わいたい時にテイクアウトで利用する

などなど、飲食店を利用する目的はいろいろありますね。

特に、行きつけのお店を利用されるときには、
なにか「そのお店に行きたい」という特別な理由や目的があると思うのです

飲食店を立ち上げる際に、絶対に避けて通れないものがあります。
それは、お店のコンセプトを考えるということです。

当時まだ20代だった私は、飲食店というものを理解していませんでした。

飲食店とは、食べて、飲んで、お腹いっぱいになって帰っていただく場所・・・

としか、考えていなかったのです。

しかし、開業してしばらくして、気づいたのです。

行きつけのお店を利用するときには、お客様それぞれの特別な理由や目的がある!

と。

そこで、ぶつかったのが、コンセプトの壁!

同業者の中でいつも話題になるのが、

●"our restaurant is not your home.”
●"please stay and relax physically and mentally like being at your home"

つまり、

レストランという場所は、あなたのおうちではありませんよ!
という考えと

あなたのおうちのようにここで心も体もリラックスして過ごしてくださいね。

という、2極の考え方があるわけです。

どちらも間違っていないし、どちらも正解ではない・・・

私はそう思っています。

ただ、私は、オーナーが何を提供したいのか・・・よりも、
お客様が何を求めているのか・・・を大切にしたいと考えました。

都心のど真ん中で、常に多くの人が行き交う大通り沿いのお店・・
というわけではありません。

長閑で閑静な住宅街のど真ん中で、
二つの川が合流する、自然豊かな場所に位置する当店。


求められているのは、「後者ではないか」と思ったのです。

もちろん、ほかのお客様にご迷惑をかけるような行動は、女将としてお声掛けをしていただいております。

が、

身体想いの優しく美味しい食事と、種類豊富なドリンク、そして、ゆっくり落ち着いて話ができる空間・・・

これを大切にしています。

ご家族でのお話が盛り上がっているのなら、
大切な方とのお話がまだまだ続くのなら、
お一人での時間をもう少し満喫されたいのであれば、

「長居はウェルカム」

そんなお店にしたかったのです。

回転が勝負の飲食店において、

「長居はウェルカム」

なんてお店、考えられないと反対されたこともありましたが、

コロナ禍になった2020年からの3年間、

「お家のリビングのように、リラックスして集える店」

と言っていただき、客数も増え、客単価も増え、そしてなによりもリピーターのお客様・常連のお客様にご紹介していただいたご新規のお客様が増えました。

赤ちゃん連れのご家族でも、
おじいちゃん、おばあちゃんとご一緒の3世代でも、
ご夫婦でも、
カップル同士同士でも、
お友達同士でも、
職場のお仲間同士でも、
お一人様でも、

安心してご利用いただける店になりました。

結果オーライです。

節度を守って、気持ちよくご利用いただいていることにも、
本当に感謝でいっぱいです。

ということで、女将からメッセージです。

ご来店のみなさまへ。

"Please stay and relax physically and mentally like being at your home"

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