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㉞レシピを改良する

 タルトは開店当初からのメニューですが夏前にパート・シュクレ(タルト生地)をじっくり計算し直してレシピを調整しました。お菓子にも理論があり正確な知識と再現性が欲しかったので本を読んで勉強しました。はじめにどんなお菓子にするのかしっかり考えます(サクサクなのかザクザクなのか、かたさが欲しいのかもろさが欲しいのか、しっかり甘いのか控えめなのかなどです)そのためにはどうしたらいいのか考えて集めていきます。粉の量を基準に主な材料であるバター、砂糖、卵の割合、総量を計算していきます。基本のパウンドケーキであればこれらは同量つまり1:1:1:1です。クッキーは粉が一番多くなります。卵は1個2個ではなくグラム単位です。仕入れている卵は割ると56グラムくらいあります。卵黄が18グラムくらいでカラザを取ると卵白が33グラムくらいです。わたしの場合は全くの0からというよりは手持ちのレシピや本を参考にそこからずらしていくようなやり方をしています。過去にだれかが発見して分かっていることをもう一度発見し直そうとは思っていないです。積み上がりを利用しています。時間の問題もありますが小さなお菓子屋でも歴史の一番新しいところにいるような気がして心強いからです。パウンドケーキもクッキーもだれかが最初に作った(あるいは同時多発的に生まれた)のかも知れないですが作者名などないです。みんな歌えるけどだれがつくったのか分からない歌のようなものがとても好きです。改良レシピはべたつかずまとまりのよい生地に仕上がり、焼き上がりのサクサク感もあがりました。クッキーとしても焼くことができます。材料はとてもシンプルですが「タルトの生地がおいしい」と良くいっていただけるようになりました。種類を増やすことよりも同じことを繰り返しそれをブラッシュアップをすることをやりたいと思うようになりました。


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