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②ボロボロのひとへ

 株式会社キビズの第4期は店の臨時休業から始まりました。9月半ばから頚椎椎間板ヘルニアの激痛が続いているからです。痛いことにはもうほんとうに飽き飽きしているのですが、まだ良くなりません。背中に私のことを心底憎んでいる小人が住んでいてぐさりと刃物を突き刺しているような痛みがずっとあります。首のヘルニアは神経の関係で片方の上肢にきます。右腕が使えないというのはお菓子屋にとって結構な致命傷です。仕込みは2週間ストップ、オカメサブレもいつもの4分の1くらいしか焼けませんでした。「腕が痛くてホッペが描けねぇ⋯!」と口にしてみました。悲劇と喜劇は紙一重です。頑張ったから報われるなんて思ったことは一度もないが、ここまでしなくても良くはないですか神様、と売上の財布から一万円札をぬいて話しかけました。売上が減るのは一番不安です。どうみてもいま受難だなあとは思うのですが、良い方の受難と思ってるとこもあるようです。◯◯したからこうなった、という因果関係が分かりやすいし、同じ痛みを持つ人もいるのが明白で口にしてもいいからかも知れません。生きててもっと理不尽で無意味な受難しかなかったですし、だれにも言わないまま終わるんだろうということも多いです。そんなわけでボロボロな人へむけて話しかけてるように思います。

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