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オカメサブレをみんなが知ってるお菓子にするまで日記

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人生においてなにかがうまくいったことのひとつもないわたしが自分で作ったものを自分で売って生きていくと決めるまでと、はじめてからほんとうに考えたことだけを書きます。「ビジネス書」で…
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⑯ECサイトのおひっこし

 2022年から独自ドメインの自社サイトへ完全移行しました。プラットフォームは当時同じような状況から移行する人の多かったShopifyを選びました。売上額が平均して2〜30万円ある店舗であれば33.0$の月額利用料を支払ったとしてもクレジットカードの決済手数料が3.4%なので、BASEの売上ごとにかかる6.6%+40円(3.6%+40円の決済手数料と3%のサービス利用料)よりも全体の手数料が安くなります。BASEからデータをダウンロードしてShopifyにインポートすることが

⑮たたかわない

 よく見るけれどあえて使わないようにしてきたことばに「送料無料」があります。ただより安いものはない、なんてことを申しますが無料は嬉しいものです。とはいえ配送料がどういう契約なのかはそれぞれ違っても実際にはないわけではありませんので「税込4,850円+送料」とか「送料込み」が良いかなと思いそうしています。だれかの仕事が無料のような印象を与えるのはやりたくないことです。現在はこの表記を改善する動きがすすんでいるようで以下は消費者庁ホームページに記載の『物流の「2024年問題」と「

⑭オカメサブレの作り方

 オカメサブレはクルミとバターのサクサクサブレ。赤いホッペはラズベリー。レシピのうち原材料とその比率は開業当時より変えていません。ですがおいしくなった、とよく言われますし私もそう思います。変えたのは何なのかと言うと機材と工程です。これに関してはほんとうに実験を繰り返したといえます。工程のうちもっともたいせつなことは仕込みだと思っています。ここがうまくいっていないと成形、ベイク、焼き上がり、その後のすべてがうまくいかなくなります。はじめの1年くらいは生地の仕込みを全て手で行って

⑬売上のためにその1

 とはいえ貯金を減らさず生活できるレベルまで売上をのばすことは緊急にして最大の課題でした。行商生活は春は良かったですが梅雨に入ると突然の大雨も多く公園のあずまやで池にぼとぼと落ち続ける雨を上から降っているのに下から湧き出てくるみたいに見える瞬間までじっと見ていました。夏になるとさらに過酷で気温30℃くらいならまだしも35℃超えて屋外で自転車でお菓子を売るのは異常な行動だし、だれも買わないと思いほどんど行かなくなりました。わたしは異常なことがしたいわけではないのです。行商中はゆ

⑫オカメサブレでたのしいひとときを

 営業とはなんぞやといいますといまだに良く分かっていません。マーケティングしかりです。よく「顧客の問題解決」とか聞きますがわたしはここで躓いてしまって、オカメサブレはべつだんなんの問題も解決しないと思ってしまいます。この方向で営業しようとすると行き詰まるので悩んだ末いまはこちらもよく聞くことですが「自分が買いたいと思うものかどうか」を基準にしています。食べ物ですからおいしいはあたりまえ、さらにかわいくないといやです。真面目に作られたものであること、とか、いい材料を選び丁寧に仕

⑪経理はかんたんに

 やることすべてのどかで適当なようですが意外にも最初から意識して経理が簡単になるような工夫をしていました。仕入れや消耗品の購入はできるだけ専用のクレジットカードで支払いしてクラウド会計ソフトに連携しました。勝手に同期してくれるし一度設定すれば自動化もできます。同じ要領でネットバンクとオンラインストアのデータも同期したので、たまにある現金で払うしかない印紙代とか同期されない通帳とかを入力するくらいでした。独学ですが簿記の資格を持っているので仕分けはできますが、使用しているfre

⑩行商をはじめる

 独立しようと退職したのはいいですが急にお給料が入ってくることがなくなりオカメサブレのオンラインストアの売上もまだ数万円でした。このままでは貯金も退職金もどんどん減る一方なのは想像できたので私はオカメサブレを毎日どこかで販売して少しでも稼ごうと思いました。わたしは行動が大胆なことがあるため何か深い考えがあるように見えて別にない、というタイプの人間なのであっさり天気の良い日に自転車にばんじゅうをくくりつけてオカメサブレを荷台に積んで行商をはじめました。行商とは人力で移動できる販

⑨自分の仕事を自分でつくる

 どうしてお菓子屋になったのか良く聞かれることがあります。そんなときはいつも「自分の仕事を自分で作ってみたくなったから」と答えています。わたしはお菓子屋さんになるのが夢だったわけではありません。お菓子作りが趣味だったというわけでもなくオカメサブレしか作れませんでした。夢がなかったというよりもそういうの持てる状況にいたことがなく何かになれるなんて思ったことがありませんでした。いまの日本で女性で普通の学歴で若くもなく特殊なスキルもない私がこのままどこかに所属していても先が想像でき

⑧がむしゃらに活動する

 2020年の11月と12月はとにかくがむしゃらに活動しました。IKEBUKURO LIVING LOOPに2日連続出店したり、ポップアップカフェにも挑戦しました。はじめてのポップアップカフェでは片付けに時間がかかって終電を逃し大荷物のままネットカフェで1晩過ごしましたが達成感が圧倒的に勝っていました。まだ就業中でしたので仕事のあと深夜オカメサブレを焼き袋詰してシール貼りをする日々でした。イベントから逆算して何日の何時にここまで終える、という1時間刻みの細かいスケジュールを作

⑦ばんじゅうをオーダーする

 なにかを突き詰めていくとき、誰もが通る道を進んでいるときもあれば完全オリジナルの出来事を自分で起こすこともあると思います。私はことの初めから、どこか知らない街角でお盆を手にして「オカメサブレはいらんかね」としている自分のイメージを強く持っていました。そのイメージに突き動かされてここまできています。実際にそれをするためにいいかんじの「お盆」をとにかく探していました。インターネットやメルカリや、とにかくたくさん探しました。品物としていいと思ったのはアンティークな木のお盆で、スタ

⑥イベント出店をする

 実店舗をもたないお菓子屋にとって次に考えられる販売方法は「イベント出店」ではないでしょうか。わたしは車の免許は持っていますが(しかもマニュアルで)教習所の適性検査で「判断力マイナスE」を叩き出し、卒業するとき教官に「二見さんにはほんとはあげたくないんだけど…(超小声)」と言わしめた実力の持ち主です。路上でも駐車場でも山奥でも事故を起こし運転免許は封印しました。だれかを怪我させたりという事故でなかったことは不幸中の幸いでした。そのような事情ですから出店者みずから什器を持ち込む

⑤店のロゴを作る

 お菓子の箱はけっこうしっかり厚みのある紙を使って作ることにしました。展開状態で納品された方が場所をとらなくていいのですが、工房でしっかりホチキス留めされた箱の方が断然雰囲気が良かったのでそちらを選びました。ご近所なので50〜100個単位で細かく納品してくれるというのもありがたかったです。今思えばオカメサブレの異様な熱意を応援してくれていたのかも知れません。お菓子が映えるし上品なので色は白を選びました。さらに「箔押し」加工ができるということでロゴマークを箔押ししてもらうことに

④お菓子の箱をつくる

 「ものをつくる」ってこういうことなんだ、とはじめて実感したできことは、オカメサブレの箱を作ったときのことです。それまではオカメサブレ専用の箱というものはありませんでした。通販のときも毎回プチプチをつかってみたり、緩衝材をいれてポテトチップスみたいに膨らませた袋にいれてみたりあいかわらずスーパー過保護に試行錯誤していました。それでも割れてしまうことはありました。割れていたからと言って怒るお客さまはひとりもいなくて「サックサクのサブレだから仕方ないですよね!とってもおいしいです

③委託販売をはじめる

 売りたいものが決まって作る場所もできたら、次は販売経路の確保です。オカメサブレの場合はまずはECサイト「BASE」ができましたから次にどうしたかと言うと、近所でオカメサブレを取り扱ってくれそうなお店はないかと考えました。食品の中で埋もれてしまうより別の業種のお店にちょこんと置いてもらう方が目立つのではないかと思い、当時朝霞駅の中にあったCHIENOWA BOOK STOREさんに問い合わせてみました。本屋さんだけど雑貨とか文房具とかフェアトレードのチョコレートとかも置いてい