- 運営しているクリエイター
2018年2月の記事一覧
「コール・ポーターは凄いってことを明けない夜に考えてみた」~『夜想曲集』#2「 Come Rain or Come Shine /降っても晴れても」~カズオ・イシグロ徹底解剖・第55話
いやしかし『なぜ人はパリの春を愛するのか』には驚いたね。 まさかあんな秘密の暗号が隠されていたなんて… ワイは「クリ(栗)・フォード(フランクフルト)・ブラウン(茶色)」のことが気になって眠れへん。 さあ、コール・ポーターの危険な魅力について語ろうぜ。 では始めます… Cole Porter (1891 – 1964) コール・ポーターは、1891年にインディアナ州のペルーという町に生まれた。 ペルー? そういえばイシグロは小説の中でなぜか「ペルー」という
「なぜ人はパリの春を愛するのか?」~『夜想曲集』#2「 Come Rain or Come Shine /降っても晴れても」~カズオ・イシグロ徹底解剖・第54話
だけど、ホントなのかなあ… あの有名な歌『ビギン・ザ・ビギン』が「パレスチナ問題」の歌だったなんて… 間違いないよ。彼のほとんどの作品には「もうひとつの物語」が隠されている。 というか、これまで僕が紹介してきた歌は、ほとんど全部がそうだったよね? せやったな。 そのせいでこのシリーズがここまで長くなっとるわけや。 ボブ・ディランに至っては、2枚のアルバムの曲を丸々解説してきたしな。 コール・ポーターには他にも数多くの「暗号ソング」があるから、それらを解説しな
「アーヴィング・バーリンって誰?」~『夜想曲集』#2「 Come Rain or Come Shine /降っても晴れても」~カズオ・イシグロ徹底解剖・第52話
~~~ 三日目:夜 福江島(長崎五島) ~~~ じゃあさっそく短編『Come Rain or Come Shine』を見ていこう。 前回を未読の方はコチラをどうぞ。 小説の冒頭で、いきなり「4つの歌」が登場する。 ヒロインのエミリが好きな歌として2曲、 アービング・バーリンの『チーク・トゥ・チーク』 コール・ポーターの『ビギン・ザ・ビギン』 そして主人公レイモンドが好きな2曲、 『ヒアズ・ザット・レイニー・デイ』 『イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド
衝撃!カズオ・イシグロ『夜想曲集』#1「 Crooner /老歌手」で歌われる『恋はフェニックス』に隠された秘密のメッセージとは!?~『日の名残り』徹底解剖・第47話
~~~ 三日目・夜 五島・福江島 ~~~ さて、老歌手トニー・ガードナーは、主人公のギター弾きヤネクに対し、ある計画を持ち掛けた。 妻リンディのために、運河のゴンドラの上からセレナーデを歌いたいので、その伴奏をしてほしいと… ちなみに前回を未読の方はコチラをどうぞ! いよいよ例の3曲だな。 ベタな歌ばかりやったけどな。 ベタな歌だからこそいいのだ、ボケ。 あんなところで「ややこしい歌」を歌ってみろ。一気にムードぶち壊しだぞ。 長い歴史の中で、多くの音楽家や画家
カズオ・イシグロ『夜想曲集』#1「 Crooner /老歌手」がどれだけ暗号だらけなのか僕が解説するとしよう!~『日の名残り』徹底解剖・第46話
~~~ 三日目・夜 五島・福江島 ~~~ 忘れてる人もいるかと思いますが、オイラたちは今、長崎県五島市の福江島にいます。 そしてようやくカヅオさんの妹さんがいる修道院まで辿り着いたんだけど、肝心の妹さんは、そこにはいませんでした。 なんでも素行不良で問題となり、無人島の「サザエ島」に「お清め」のために三日間籠っているそうです。 明日の朝、妹さんを迎えに「サザエ島」へ行くことになっているんだけど、ちょっと興奮して眠れないから、おかえもんの読み聞かせ&解説を聞くことになり