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コーエン兄弟・徹底解剖

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#ベートーヴェン

「シドニー・ポラック」『RAISING ARIZONA(赤ちゃん泥棒)』徹底解剖17 (最終回)

さて、引き続きコーエン兄弟『RAISING ARIZONA(赤ちゃん泥棒)』に隠されたベートーヴェン交響曲第9番『歓喜の歌(ODE TO JOY)』を見ていこう。 前回を未読の人はコチラをどうぞ! 今回もラストシーンに関する解説やさかい、ネタバレが気になるお友達は、ここまでにしといたほうがええ。 さて、『歓喜の歌』の4分から5分にかけてからやな。リズムが威勢のいいマーチ風になる部分や。 ここはわかりやすいね。 ハイの夢の中でネイサン・ジュニアがアメリカンフットボ

「ODE TO JOY(第9:歓喜の歌)」『RAISING ARIZONA(赤ちゃん泥棒)』徹底解剖16

コーエン兄弟は『WAY OUT THERE』の歌詞を元に映画『RAISING ARIZONA(赤ちゃん泥棒)』のストーリーを構築した… せやけど、そこには「大事なこと」が欠けとったんや… 『WAY OUT THERE』は典型的な「孤独な放浪者」の歌… 淋しさを隠し、強がってみせる「痩せ我慢」の歌や… 肝心のハッピーエンド要素がゼロやった… 詳しくは前回をどうぞ。 その欠けていた「大事なこと」を補うのが、ベートーヴェンの交響曲第9番なんだよね。 だからコーエン