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乗り損ねた白いバスが嗤う(後編)

 もしも生きている間中、誰とも関わらずに生きていくことができたなら、知らぬ間に誰かの心を傷つけることもないし、自分が傷つくこともないだろう。

でも人間は狩猟採集民の時代から集団で生活してきたから、未だに長期的な強い孤独には適応できない。
だからどうにか自分の置き場所を、他者視点の中で探していかなければならない。
それが苦手な者にとっては過酷だ。

「空腹を満たすため」だけで考えるなら「食べ物が無限に湧き出る箱」でもあれば、誰もが毎日頑張らなくたっていいはずなのだ。

でも大抵の人は、何かに追われるようにして一日が始まり、今日が終わったことをかみしめる余裕もなく眠りにつく。

僕らが送っている日々の生活は、急かされ、責められ、追い詰められ、搾り取られる。
それでも明日には何かが変わるかもしれない。
自分が行動をした時にだけ。

たとえそれが、他人に誇れない行動だったとしても。

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