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あて名違いの贈り物


世の中には、いくつの資格が存在するのだろう。


その中のいくつの資格が、その機能を全うするのだろう。


初めて母にもらった誕生日プレゼントは
「正しい資格の取り方」という本だった。
数ページ読んですぐに本棚の飾りとなったが、それから高校を卒業し家を出ていくまでの数年の間、黄色をベースにした奇妙な配色の表紙はその存在を主張し続けた。

幼いころから事あるごとに
「父のようにたくさん勉強して、資格をとって、手に職をつけて生きていきなさい」と言われた。僕はその度に居心地の悪さを感じた。

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