LoLキャバクラの問題点

 私は、法曹という仕事をしています。
 おそらく、LoLをしている人の中では、一番、日本の法律に詳しいはずです。
 LoLキャバクラの問題点について話します。

1 善悪の判断基準

 私は、ずっと思っていることがあります。
 LoLプレイヤーは、善悪の判断基準を間違っている人が多いということです。
 詳しく説明していきます。

 我々法曹は、普段の仕事で
  違法か
  適法か
という判断基準を持っています。
 この判断基準をもとに判断をします。
 ですから、判断基準にブレがありません。
 
 法曹は、法令に違反しているか、法令に違反していないか、それを基準に判断しているのです。
 それ以外の、倫理的な基準、内部規約の違反については、あくまでも別の物だと捉えています。
 
 一般的なLoLプレイヤーは、この点を、大きく誤解しています。
 LoLプレイヤーは、違法かどうかと、倫理的に問題かどうか、内部規約の違反を混同して話しています。
 
 しかし、違法かどうかと、倫理的に問題があるかどうか、内部規約の違反は、全くの別の物なのです。
 ここを、「大した違いはない」と考えるのは、大きな間違いです。
 なぜなら……
 
 違法な行為は国家権力に制約を加えられる

からです。
 どういうことか見ていきましょう。



2 「kill」とアカウント売買

 2つの事例を検討します。
 一つ目は、LoLの試合中に「殺す」「死ね」「I kill……」などとコメントすることです。
 二つ目は、アカウント売買です。
 この2つのうち、どちらの行為が悪いかというと
  「I kill」などのコメントは違法
  アカウント売買は違法ではない
という結論になります。

 さて、今、あなたはこう思ったでしょう。
 「殺すぞ」みたいなコメントは、みんなやってるじゃないか。
 アカウント売買は、Riotが禁止しているし、明らかにダメな行為だろう、と。

 その判断は、完全に間違っています。

 「銀行員の常識は、一般人の非常識」という言葉があります。
 それと同じで、「LoLの常識は、一般人の非常識」なのです。
 おそらく、多くの人がこの点に気付いていません。

 法律というのは、その国で明確な「正義」として、定められた行為であり、それに違反した場合には、国家によって、制約を加えられるのです。
 具体的には、人に対して「殺すぞ」などと言えば、脅迫行為であるとして、警察に話を聞かれる事態になりかねません。
 
 警察沙汰なんて大袈裟なと思うかもしれません。
 しかし、それは大きな誤りです。
 「殺すぞ」などの脅迫行為は、
  明確な犯罪行為
であり、警察沙汰になっていない理由は、たまたま、被害者が被害を申告していないなどの、偶然の事情に過ぎないのです。
 
 LoLで暴言を吐いている人は、自分が犯罪行為をしているという自覚、危機感が足りません。
 冗談抜きで警察沙汰になる危険性があるのです。
 法曹としては、LoLで、どうしてここまで犯罪行為が許容されているのか不可解です。

 次に、アカウント売買について検討します。
 これは、明確に法律には違反していません
 適法なので、問題ありません。
 
 さて、ここで、Riotは禁止しているじゃないか、アカウント売買が発覚すればアカウント停止になるじゃないかと思った人がいるかもしれません。
 ここです。
 ここが問題なのです。
 
 アカウント売買
 チート
 これらの「Riotの内部規約違反」については、法律違反ではありません。
 ですから、国家権力は動くことがありません。
 せいぜい、Riotが怒るに過ぎません。
 事の重大さが全然違うのです。

 倫理的に問題があると思う人もいるかもしれません。
 その「倫理的に問題」という点と、「違法である」ことの違いを、これから説明したいと思います。

3 LoLキャバクラ

 これは簡単です。
 一行で書けます。

 風俗営業法違反の疑いがあり、許されない。

 以上です。
 これ以上、議論の余地がありません。

 さて、ここで、先ほどの「倫理的な問題」と、「違法な行為」の違いを思い出してください。
 それは、国家権力によって、制約を加えられるかどうかです。
 LoLキャバクラで、国家権力によって、制約を加えられる?
 誰が?
 
 Riotです

 警察から、Riotに、風俗営業法違反の疑いがあることを伝えられます。
 行政指導などがされるかもしれません。
 最悪の場合、Riotは、RiotJPの活動、つまり

 日本でのLoLを一時制限する

可能性さえあるのです。
 これは、先ほどのアカウント売買、チートなどとは、全くレベルが異なります。
 Riotの内部規約違反は、Riotが対処すれば問題ありません。
 しかし、違法行為は、そんなチャチなレベルではありません。 
 冗談抜きで
  Riotの存続問題
に直接関わってくるのです。

 それほど重大な問題は、決して許されるはずがありません。
 法律違反とは、違法とは、それほど重大な問題なのです。

4 終わりに

 法曹にとって、違法な行為と、それ以外の行為は、全く別の意味を持ちます。
 その点を意識していれば、今回のLoLキャバクラ問題は瞬殺です。
 絶対に許されません。

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