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E76: ポテそばとチョコとん

スタンドFMで、友人たち3人が、阪急電車内での話題で盛り上がっていた。懐かしい駅名が飛び交う。僕はコメントで参加する。
あくまで話の邪魔にならないように、かつ話がさらに広がるように。
僕はコメントを入れた。

十三 じゅうそう駅といえば、『ポテそば』が有名ですよ」

十三駅=大阪市淀川区にある阪急電鉄の主要駅です。

あくまで話のネタとして、話に花が咲けはいい、そう思っていた。
狙い通り、彼らは食いついてくれた。
「え?ポテト?珍しい!!」

(……あ、やっちまった!)
話の流れを先読みした僕は、もうその時点で頭を抱えた。

実は、ポテそば………知ってはいるが、
放送日(=3月3日)時点では食べたことがなかったのである。

「なんや、食べてへんのんかい‼️」


予想通り、3人から同時にツッコミが入る。

他の地域の方にとっては、文字にするときつく聞こえるかもしれないが、このツッコミは関西人にとって当たり前の(正しい)流れである。
友人3人、そして僕、全員関西人である。

「知っている」だけでは、話にならない。
料理は、食べてこそ語れるものである。

僕は「あの時」と同じ失敗をしてしまった。


…………
あの時

「源太さん、『チョコとん』食べたことあります?」
「いやぁ、知ってるんですけど、食べたことなかったんですよ」
「あらぁ、食べてみれば結構いけましたよ」

以前ある人と話すうちに、同窓だということがわかった。
その中で出てきたのがこの話題。
もし食べていれば、もっと話が盛り上がったに違いない。

「チョコとんかつ」「バナナメンチカツ」

確かに、母校の近くに、こういう得体の知れない料理(=失礼)を出す名店があった。

実はその店、僕は常連だった。
もちろんそのメニューのことも知っていた。

ただ現役の頃はそんな邪道メニュー(=かなり失礼)
に手を出す勇気はなかった。
「ふつうのメンチカツ」が大好物だったから。

チョコ?トンカツ?
んなもん、別々に食べりゃあ、いいやん?
そう思いつつ、
でも内心、面白そうだな、とも思っていた。

20代の僕は、大胆なところもあるくせに
結構保守的で、つまんない奴でもあった。

チョコトンを食べてゲラゲラ笑っている奴らを、横目で見ているだけ
………確かにつまらない。


よし、食べに行こう! 
東京出張の時、決意してネットで調べたら、
その店は、もう閉店していた…。
実行するのが、7ヶ月ほど遅かったのである。

僕は、昔から
こういうところがある。

………………

世の中はどんどん便利になって、
小さい頃や、若い頃には味わえなかった料理を食べることができる。

でも…
歳を重ねるとわかる。
もう二度と口にできないものだって、ある。

手前味噌ならぬ
「手前豆腐」「手前揚げ」で申し訳ないが、
祖父母が作った豆腐や揚げは
後に食すどんな名店さえ、足元にも及ばない。
(と、僕は思っている ※個人の意見)

もう店もない。作った祖父母も、もういない。


………

僕はわかっている。
思い立った「その時」じゃなきゃダメだ。

今だ! そうだ十三、行こう!
僕は久しぶりに十三駅に降り立った。

阪急そば(現・若菜そば)十三店
(since 1967 昭和42)

阪急電車 十三駅構内 2・3号線ホーム


ポテそば(since 2015)

別々に出てきたものを、自分で載せて、染み込ませて…



(※個人の感想です)
うむ。なるほど…。
うん、なかなか美味い!

そして
別々に食べると、ものすごく美味い!😅


(※個人の見解です)
関西人ですので、濃いだしは好きではないのですが
「ポテそば」に関しては濃い関東だしの方が相性いいかも。

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