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引越4日目。ほふく前進からのワープ

引越4日目。生活に必要な当面の開包作業が終了したので、事務処理を進める。最初が転出手続き。

ネットを検索すると、転出元の川崎市には「転出届(マイナンバーカードで楽々お引越し)」というサイトがあった。「おお、いいじゃん」と思ったが地雷が埋まっていないとも限らない。ここは慎重に《ほふく前進》だ。

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説明を読み進めると【利用の条件】に「本市の電子申請システム(ネット窓口かわさき)のご利用環境をお持ちの方」とある。つまりその設定も事前準備として必要なわけだ。さらに読み進めると「ICカードリーダの使用設定」が必要とある。うーん、地雷ではなく鬼門だったか。

PC関係で《ICカードリーダの使用設定》と書かれていたら、大体の状況でそれは鬼門だ。なぜか。普通の人は『カードリーダー』と発話するがシステム系の人間は『リーダ』と長音を使わないのだ。つまり、そこには『オレはわかっているけどね』というシステム設計者の魔が棲む場所だ。もちろん、システム設計者にも良い人はいる。泣いた赤鬼や友達の青鬼のような人もいる。あくまでも一般論としての鬼門だ。でも私のゴーストが囁くのだ。「これは鬼門だね」と。

それに考えてみれば自宅のPCには『ICカードリーダー』がない。ない袖は振れぬ。かの夏目先生は「私だってない知恵を絞ってやっているのだ。ない袖も振れ」とおっしゃったそうだが、物理的に手許に存在しないものを知恵で解決するのは一般的にはかなり難しいはずだ。ここは『ICカードリーダ』とは決別し、よりよき人生を歩もう。

ということで、川崎市の区役所に転出手続きのためにでかけることにした。ドロシーも別の用があるので出かけるという。新しいエリアの電車に慣れることはとても重要な一歩だ。途中まで二人で行くことにした。

川崎市中原区役所に到着。転出届けを書き、手続きを始める。ICカードの読み取りが出来れば自宅からも出来たかもしれないが、最近の転出・転入の手続きの流れがわかるのもいいなとも思う。待っている時間も窓口業務を減らすには何が必要なのかを、頼まれてもいないのに妄想する。

以前から窓口の待ち行列の案内は番号と大型ディスプレーになっていたが、手許の番号が記載されたシートにも待ち行列の情報が二次元バーコード化されていた。スマホで待ち行列の様子がわかれば買い物にもいける。その場にずっといなくても良いので便利かもしれない。

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そして順番が回ってきて転出手続き完了。

転出届けが受理され、ミッションクリアと思ったら「ここでクエスチョン」。【転出証明書を発行するか】【 マイナンバーカードだけで転入手続きを進めるのか】の選択を迫られる。どうやらこのゲームは戦闘ものではなく、RPG(ロールプレイングゲーム)系だったようだ。

受付のNPCの女性の説明は分かりやすい。前者であれば30分ほど証明書の発行に時間がかかるが、後者であれば転出元での作業は終了。ただし後者の選択には、《サーバーが落ちていることがある》《14日以内に手続きをしないとマイナンバーカード自体が失効する》等、地雷・物の怪のたぐいが出現する可能性ががあるとのこと。さぁ、どっち!

《勇者》は後者を選択した。NPCの女性が指示書をくれた

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因みに印鑑登録は自動的に消滅するとのこと。「えっ、それって何?」という本質的な疑問が真夏の入道雲のように立ちあらわれるが、今はそこは悩むのを止めよう。まずはセーブだ。

ドロシーに電話をして手続きが終わったことを伝える。彼女の用事はまだしばらくかかるという。一人で転入手続きを進めよう。そういえばと検索すると運転免許証の住所変更も警察でする必要があるとのこと。navitimeで検索すると転入先の市役所は家のすぐ近くにあり、そこから対して離れていない場所に警察もある。一度に済ませてしまおう。

それにしても暑い。RPG系だとは思ったが、実際は中国の四大奇書小説『西遊記』だったのかもしれない。孫悟空の大冒険、《きんとうん》が欲しい。そんなことを考えながら南武線から京王線へと乗り継ぐ。幸いに電車はすぐに来た。

あれ、あれれ。電車が最寄り駅を通過してしまう! しかもその先も全然止まらない。おうい雲よ/どこまでゆくんだ/ずつと磐城平の方までゆくんか、という余裕はない。開けろ! 開けてくれ! 出してくれ~ぇ~~

途中ぜんぜん止まらない電車は、その後、トンネルを2つ抜け、京王永山までワープした。どうやら今日のお話は、戦闘ものでもRPG系でも西遊記でもなく、スタートレックだったようだ。妄想の画像をチェンジ。スポック、早く元の世界に戻ろう。

下りのホームから上りのホームへ移動。電車もすぐに来るようだ。と待てよ、スポック、この電車で大丈夫か?

危ない。戻るための上り方面の次の電車もワープ系だった。2度も最寄り駅を通過してしまったら精神的ダメージで気力ゲージがゼロになり、そのまま行き倒れるところだった。

ドロシーに「君も気をつけてね」と電話したら「まずはご自分のアタマのハエを追ってくださいね」とのありがたいおコトバが戻ってきた。追加ダメージに10。

無事に最寄り駅に到着。それにしても暑い。幸い駅と市役所を結ぶ途中に自宅はある。いったん家に帰ろう。電車でワープして心にダメージを負った私は、市役所に直接行かず、一旦家に戻ってガンガンにクーラーをかけて休むことにした。帰宅避難。

ところで、相談ネズミたちよ。おまえたちは、電車でワープして心にダメージを負った私が、市役所には直接行かず、一旦家に戻ってガンガンにクーラーをかけ、ドロシーには内緒でプレミアムロールケーキを食べようとしていることを許してくれるかい? 相談ネズミ、相談チュー。

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と、突然、相談ネズミが協議中にもかかわらず、プレミアムロールケーキは異次元へとワープした。呆れた相談ネズミ一匹が倒れ込んだ。

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元気が出たので転入手続きのために市役所へ。手続きは概ねスムーズに進む。が、ところどころでつっかかる。つっかかるのは市役所の窓口の内側100%マイナンバー関係。誰がわるいという感じではなく、単に慣れていない感じ。予想外に時間がかかる。それでもなんとか無事終了。

「住民票とか入りますか?」と尋ねられたので「このあと運転免許証の住所変更もしようと思っています」と答えると住民票の写しと一緒に運転免許証の手続きを書いた紙をくれる。親切だ。ついでにゴミの出し方もわからなかったことを再確認する。ペットボトルの出し方が川崎市とは微妙に違った。

さて、では次は警察署だと思って説明書きを読み、地図アプリを開く。確か、歩いて5分ほどのところに・・・・あった。警察が。それも《駐在所》が。

駐在所(ちゅうざいしょ、英: Residential police box)は、警察、消防または海上保安庁の施設で、郊外や過疎地域・山間部・離島などで、それぞれ警察官、消防吏員、海上保安官が常駐する。交番と同等の役割を有するが、交番が交代制であるのに対し、通常、駐在所員である警察官とその家族が住む官舎を兼ねていることが違う点である。また、警察官が常駐することから駐在所の名称を警察官駐在所と定めている地域がある(秋田県[1]、栃木県[2]、山梨県[3]、富山県[4]、和歌山県[5]など)。

比較的引越はしてきた私だが《駐在所》を身近に感じたのは初めてのことだ。だって駐在所というのはハナ肇主演の映画『馬鹿丸出し』や森繁久弥らが共演する『駅前シリーズ』の世界のものだったからだ。

もとい。それは私の世界が狭かったにすぎない。それにここで問題にすべきことは駐在所では運転免許証の住所変更はできないという点だ。検索するとさきほどワープしたさらに次の駅「多摩センター」に地域の警察署があるという。隣の市だけど。

ドロシーに電話をすると帰宅していた。多摩センターまでいくとなると一緒に行った方がよいかもしれない。「行けそう?」と尋ねると「すごく疲れてはいるけど行けそう」という。二人で多摩センターの警察署に行くことにする。

警察の手続きは特に問題なく終了。よく考えたら、運転免許を取得してから何度も引越してきたが、もしかしたらきちんと住所変更の手続きをしたのは初めてかもしれない。うーん、少なくとも記憶にない。

多摩センターをしばらくブラブラする。疲れてしまったし冷蔵庫も動いていないし、夕食は外食にしてしまおう。中華料理屋に入り、あさり炒飯を五目焼きそばを注文する。

多摩センターからの帰りの電車、今度は夫婦二人でワープ(^^;) ちゃんちゃん。

訪問していただきありがとうございます。これからもどうかよろしくお願い申し上げます。