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ベッキオ橋で

フィレンツェを流れるアルノ川に架かるベッキオ橋の近くにウフィツィ美術館はある。そのウフィツィ美術館の近くのちいさなお土産屋を兼ねた文房具店で、植物画が描かれた本のしおりを買った。しおりは3枚で300円ほどだったろうか。

そのしおりを二子玉川で額入れした。ちょっとした、自分たちだけのお土産が、記念品のようになった。

ベッキオ橋の中央からアルノ川を眺めた。観光地だから周りにはたくさんの人がいたが、頼むと彼女は小声でジャンニ・スキッキの「私のお父さん」(O mio babbino caro)を歌ってくれた。

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とても可愛い歌だ。「お父さん、私、好きなあの人と一緒になれないんだったら、このベッキオ橋からアルノ河に身を投げちゃうから」なんて歌詞とは思えないとても可愛い歌だ。

壁の額をみるたびに、小声で歌われたこの歌を思い出す。

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