シェア
夏目漱石の俳句は、妙に人をくったようなものがある。その反面、心の底からの実感にあふれているものがある。 前者の典型はこれだろう。 「みんながめでたい、めでたいと煩いが、別にただの一日だろう。昨日も一日、明日も一日。だからなんだというのだ、っけ」という正月に寄せるひねくれた気持ちで満ち溢れている。 そのうえで、嬉しい気持ち、楽しい気持ち、悲しい気持ち、苦しい気持ちからからは独立した存在でありたいという願望、世間の喧騒を少しうらやましく遠くから眺めてしまう自分、そしてその矛
新しい洗濯機を買った。年の暮れに、だいぶ長く使っていた洗濯機がいよいよ動かなくなり、我が家の洗濯の現場が崩壊するという瀬戸際まで追い詰められてしまったのだ。 新しい家電はいい。音も静かで、「なんだ、おまえ、こんな遅くまでまだ頑張って働いてたのか」と愛おしくなる。ドロシーも、「あんまり静かで、買ったばかりなのに壊れた! ウキィー!って思ったよ」と言う。 そして、ドロシーが10年越しでほしがっていた冷蔵庫を春のボーナスで買ったときのことを思い出した。 冷蔵庫を買ったときに作