マガジンのカバー画像

一句鑑賞

185
所属する結社誌で発表した句の鑑賞文。
運営しているクリエイター

#季語

鑑賞*さつまいも焼けばおいしい秋の味

岡田 みかん 焼きたてのサツマイモを二つに割る。 真っ白い湯気が焦げた匂いとともに立ち上が…

岡田耕
1時間前
5

鑑賞*山宿のテーブルごとに草の花〔拡大版〕

磯村 光生                    お客様を快くお迎えする姿勢を表す日本語「…

岡田耕
8日前
146

鑑賞*山宿のテーブルごとに草の花            

磯村 光生  「このお花、素敵ですね。」 「いいや、庭にあったものなんだよ。ほかに何もなく…

岡田耕
1か月前
146

鑑賞*散り敷きて雨呼ぶ萩となりにけり

 西浦  この日は雨が降りそうで止みそうで微妙な天気が続いた。吟行の時は晴れているのが望…

岡田耕
1か月前
158

鑑賞*彼の世から届く伝言鉦叩            

佐野 聰  消え入りそうな鉦叩の声は、どこか別の世と繋がっている気がする。 鎌倉時代、一…

岡田耕
1か月前
122

鑑賞*晩夏光仕舞ひ忘れの旅鞄 

いそむら菊 夏も終わりの日の差す部屋に、大きな旅鞄がまだ出しっ放し。 さすがにお土産と貴…

岡田耕
3か月前
137

鑑賞*北江・耕・紫乃の歩めば蜻蛉生る 

秋山巳之流 句集『うたげ』所収。二〇〇三年 北溟社。  昭和十六年岡山県倉敷市に生まれ。俳誌「河」(角川照子主宰・角川春樹副主宰)同人。角川「短歌」「俳句」編集長を歴任。  「俳句倶楽部銀座」「ぴあ俳句会」(平成十三年時点)。 銀座「卯波」での句会、俳句倶楽部に参加していたご縁で、名を詠み込んでいただいた。個性的なメンバーに揉まれて、大いに刺激を受けた。思い出に残り、感謝。  これからは大きく空を飛べという、熱いメッセージ。 花の宴末座の隅を汚しけり  耕 (岡田 耕

鑑賞*眼裏に消えぬ波音鑑真忌 

佐野 聰 「雨音にまじる波音鑑真忌」の続編。 渡航に五度失敗し、六度目にようやく日本に到…

岡田耕
5か月前
138

鑑賞*初夏や歩幅を刻む鼓笛隊

佐野 聰 遠くから鼓笛隊の笛と太鼓の音がする。 青い空とさわやかな風が待ちに待った夏の到…

岡田耕
5か月前
131

鑑賞*連れ立つて巣箱見にくる四十雀

佐野 聰 四十雀の夫婦の新居探し。 間取りは?日当たりは?セキュリティは?周辺施設は?内…

岡田耕
6か月前
138

鑑賞*ひとひらを波の届ける桜貝(拡大版)

佐野 聰 鎌倉の由比ガ浜海岸は、桜貝が拾える場所の一つ。 由比ガ浜の桜貝は、江戸時代の浮…

岡田耕
6か月前
141

鑑賞*合格子のまた戻り来し掲示板

藤本秀峰 1934年 大阪府生まれ。1991年「扉」(主宰 土生重次)に創刊参加。句集に『寒の水』…

岡田耕
7か月前
124

鑑賞*ひとひらを波の届ける桜貝

佐野 聰 由比ガ浜の桜貝は、今ではなかなか拾えない。 潮の満ち引きや風向き、海流によって…

岡田耕
7か月前
145

鑑賞*嫁入りの頃を語りぬ雛の前

松浦 加古 句集『探梅』所収。平成二十四年作。 「お母さんがこの家にお嫁に来たときはねぇ・・・。」 「・・・いろいろ大変だったのよ。お母さんももう年なんだから、あんたも早くいい人見つけなさいよ。」 そんなお母さんと一緒に来たお雛さんは、あの日のままのお顔立ち。 (岡田 耕) 写真/岡田耕 【スキ御礼】鑑賞*喪中にて冬の小鳥をしばし追ふ