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高野馬齢 神田の古書街は学生街でもある。 心躍らせて始まった学生生活も五月になって生活の…
霜田秀子 海風にまかせて凧糸を伸ばすと、凧は松林を越えて国道を越えた。 姿は遠く小さくな…
辻前 玲子 筍を剥く、茹でる、山椒の葉を千切る、擂鉢で擂る、具材に味噌などの調味料を混ぜ…
山口 香葉 「黄帝内経」という中国の最古の医学書に季節が身体に…
佐野 聰 ゆったりと柔らかな肌着の中に埋もれるようにいる新生児。 着て…
赤津義彦 近衛師団と諸葛菜。 時代も国も違えど日本と中国のエリート軍団たちの名の取合せ。 …
長谷川信之 グラスには、幕末に薩長に対する幕府側についたフランス生まれのブランデー。 当時の薩摩切子にこんな組み合わせがあったろうか。 春燈の下でブランデーの琥珀色がグラスに滲む。 百五十年を経て実現した色の融合と文化の融合。 (岡田 耕) (俳句雑誌『風友』平成二十七年九月号)
山口香葉 屋外でスケッチやデッサンをしている穏やかな一日を想う。 それは4Bであるからこ…
いそむら菊 冬の間は忙しく過ぎていった昼間の時間が、春になって少し長くなり、周りのものを…
佐野 聰 大樹の根元から萌え出る小さな若葉。 高い山の裾に連坦する里の山。 大樹と蘖、主…