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【第4回】一学期目、はじまりはじまり


少し間が空いてしまってご心配をおかけしました。ここからまた連載を再開していきたいと思います。いろいろ書き方を模索したのですが、やっぱり時系列がいいだろうと考え、しばらくは「卒業」を目指して、愚直にグダグダ書いていきますね。


飴玉をもらう入学式

私が入学したのは、2015年8月末のこと。正確な日付ははっきりしないが、8月最終週には新入生のための入学ガイダンス、オリエンテーションのようなものが幾つかあり、そこにはすべて出席必須、との事前通達を受けていた。新居の賃貸契約は8月初旬スタート。念には念を入れて、到着日を8月3日に設定して飛行機のチケットを取った。

待てど暮らせど米国大使館でのビザ面接日程が決まらない、却下された場合に備えて再申請期間を取りたいのに刻々と出発日が迫る……といった、日本国内の準備期間における我ながら信じ難い綱渡りについては、またいずれ改めて書くかもしれない。結果的に、7月28日火曜に面接、31日金曜のアパート解約と同時に大使館でビザ現物を奪取、土日を挟んで8月3日月曜にはもう入国、という滑り込みセーフであった(よい子は真似してはいけません)。到着直後はしばらくホテル暮らし、疲れが出て夫婦揃ってひどい風邪を引き、数日後に船便で送った家財道具を受け取りやっと新居に落ち着いた。大掃除したり、本棚を組み立てたり、アンソニーウォーロウの出待ちをしてサインもらったりしているうちに、あっという間に新学期である。

学部や学科の区別が曖昧なように、「入学式」の定義も曖昧だ。だいたい8月20日頃から、訳もわからず指定された日時と校舎に出向くと順番に、大講堂で学部長からの挨拶があったり、もっと少人数で学科長に出迎えられておしゃべりしたり、留学生担当課からの厳重注意事項や、大学図書館の使い方などをじっと聴いたり。一通り終えたところで「もしかして、一番最初の大講堂のアレがいわゆる『入学式』だったの……?」と、後から気づく。正装して起立して歌を歌ったりする華やかな日本の大学入学式と比べると、ずいぶんショボいものだった。

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