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〖ふれあい市〗—地方活性化の原点

 現在の政治を観ていますと「失われた30年」を何とか取り戻そうという意気込みが全く感じられません。一言で言えば最近の政治家の資質の低下ですが、そういう政治家を選んだのは国民ですからどうにもなりません。
 したがって今必要なことは、「失われた30年」を何とか取り戻そうと真剣に考えている人が、その人のできる範囲で”自律的”にコツコツと実行する以外に処方箋はありません。
 難しい理屈は抜きにして、私は「失われた30年」を取り戻すための処方箋は「地方の活性化」以外に無いと考えています。地方が活性化すれば、現在日本が直面している経済低迷、食糧不安、少子高齢化等々の問題を全て解決できます。
 本記事では、具体的に地方活性化を進めていくための処方箋として、〖ふれあい市〗に焦点を当て皆さんと考え方を共有したいと考えています。
 私は最近、生まれ育った兵庫県新温泉町にUターンするための準備を進めていますが、時々故郷に帰るといつも住民どおしの交流の乏しい重苦しい雰囲気に包まれうんざりとしてしまいます。
 そんな中、先日帰省した際に「照来ふれあい市」という「朝市」が週一回毎週行われているということで顔を出してみました。

照来ふれあい市

 「照来」は新温泉町の山間部にある盆地で、7つの集落からなっており、人口1360人、518世帯の小さな規模の地域です。
 「照来ふれあい市」は、町の行政とか社協とか自治会とかは無関係に照来地区の有志10人ほどの人が世話役となり、よくある「朝市」の形式で地域の交流のためにサービスしている活動です。
 毎年農産物の採れる6月から12月までの期間、毎週土曜日の朝6時半から行われており、主に農産物を安く提供しています。
 照来地区は農村ですから農産物は基本的に自給自足でまかなっていますので需要がすくなく、農産物以外に工芸品やパンなど自慢の手作り品なども出品しています。
 私は当日出遅れて7時ごろ到着したのですが、私の友人が出した食パンは60個完売していました。2斤の大きさで、しかも一時期都会で流行った高級食パンレベルの品質で、250円と破格の値段でしたので、10分で完売したそうです。
 気になる農産品の値段ですが、1束150円均一です。写真で見てわかるように都会では買えない値段です。
 下に会場の様子と出品の例を紹介します。
 これらの写真は開場後1時間後の状態で、お客さんのほとんどが帰ってしまった後ですので閑散としていますが、開場早々にはレジに列ができるほどの盛況ぶりです。

地方活性化のあり方

 日本は戦後の高度成長期に社会資本を都市部に集中させる政策を講じてきたため、地方の過疎化がすすみ、結果として「失われた30年」に陥ってしまいましたが、もっと問題なのは政界がこの事態を反転されるための処方箋を認識していないということです。
 たとえば、各自治体が地方の活性化策として実行していることは、金太郎あめのように観光業やふるさと納税や自治体主導の交流会がほとんどです。
 答えは簡単で、そんなことで活性化した地方はほとんどありません。言葉は悪いがそんなことは馬鹿でも解ります。
 どんどんと人口減少するばかりです。
 地方が活性化するためには、地方の基本となる産業を通じて住民が自律的に生活を営み、かつ地域内で協調し合える社会を創ることです。その上で自治体が子育てなり教育なり医療なりの体制を整備していくことです。
 観光やふるさと納税や各種交流会は別次元の話です!
 このような視点から考えれば、今回紹介しました「ふれあい市」は地域活性化のための原点であり、この活動をさらに範囲を広げ地域住民の生活に根付かせていけば、想像できないようなすばらしい社会が実現するものと確信しています。
 今はまだ私のUターンは道半ばですが、だんだんと明かりが見えてきたと感じています!

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