陣痛のような痛み
夫が尿路結石になった。
朝方は元気だったのに、ご飯を食べ昼前になった頃に、トイレから出てきて「腹が痛い」と言う。お腹が痛いとトイレに駆け込む姿は日常茶飯事で、見慣れたものなんだけど、今回は何かが違うみたいだった。うずくまるように丸くなって横にもなれずにいる。それが平日の11時頃、私は「午前診療、まだ間に合う時間だから病院に行ってきなよ!」と声をかけた。
だけど、夫は病院に頑なにいかない。いつものことだ。早めに行けというのに行かず、結局はいきなり大きな病院にかからなくてはいけなくなる。しかも、大体が時間外診療。最悪だ。
別に病院に行くことを最悪だと思っているわけじゃない。「早めに行っときなよ」と毎度何度も言う、その何度目かにちゃんと行っていればもっと結果は違ったんじゃないのかって。もっと低コストで、もっと小さく、もっと小さな処置で済んだんじゃないのか(今回は関係なかったかもしれないけれど)、って。その方が本人にとってもいいことなんじゃないのかって。こういうことがある度に、そう思ってしまう。ただそれだけ。
とにかく、いつもとは様子が違うように見えたので、気持ちいつもより強めに病院をすすめてみた。それでも、結局3度目くらいまでは「様子を見る」と言われ、4回度目くらいにようやく辛そうにして「やっぱり行く」と言われた。
時間は過ぎて11時半。
おいおいおいー!!!(これは心の声)
急いで、近くの対応してもらえそうな病院に電話した。午前診療が12時までと時間がなかったので、少し離れたガレージまで車を取りにいきながら電話をし(本人は痛くて電話出来ないという状態だったから)、部屋まで迎えに行ってせっせと病院へ運んだ。
診断の結果、「"たぶん"尿路結石だろう」と。ただ、CTを撮ってみないとまだ分からないとのことで病院を回され、ここでやっと『尿路結石』だという診断がついた。石が小さかったようで、痛み止めだけ処方され帰ることになった。
そこからは、水分をとって休むしかないのでベットとトイレの往復。唸りながら辛そうにしていたり、息を吐いて痛みを逃したり、少し楽そうにしたり、そうかと思えば何もなかったかのように過ごしたり。時間によって、日によって違うみたいだった。
ネットで見たのだけれど、『女性は陣痛、男性は尿路結石が生涯で1番痛いと言われている』らしい。
確かに陣痛の時の自分を見ているようだなと感じる瞬間が沢山あった。トイレにこもって出て来れなかったり、痛みが強すぎてヘロヘロになっていたり、腰を抑えていたり、上で書いたように息をゆっくり吐いて痛みを逃していたり、眉間に皺を寄せ唸り声をあげて耐えていたり、眠れないでいたり。
それを見てからは、「それは大変だわ!!」と、それまでより割増に気の毒に思えて、気持ち程度に多く心をこめて腰をさすってみたり看病をするようになった。
早く良くなるといいね!早く出てくるといいね!
もちろん本心。だけど、意地悪な私はそれとプラス、"1人で耐えさせられた陣痛の辛さを少しは理解してくれたかな"なんて思っている。なんてわるいやつ(笑)
でも、やっぱり家族の健康が1番だから。
早く出てきて終わったらいいね。大好きだよ!
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