HHKB Pro2へのdes-dome-gasket導入が一筋縄では行かなかった件

はじめに

この記事は キーボード #3 Advent Calendar 2021 の4日目の記事です。

3日目の記事は、千葉千夏さんの『ポエム:私の自作キーボードはここから』でした。

(2日目も拝見した上で)
私も同じく今年辺りから沼に浸かり始めた身では有りますが、ここまで作って作りまくれるような財力は院生にはないもので、羨ましい…

いや、沼に貴賤は無いわけでして、
私もせっかくだからココに何か書いてみようと思っ…..ても自キ関係のネタはまだ特に無いですやっぱり…

ならば、私の沼はHHKBからでした。それなりに弄り倒してきたHHKBのネタを書きます!よろしくおねがいします。


disclaimer:
注意ですが、これはHHKBの話なので、リアフォなどでどうなるか正直わかりません!

des-dome-gasketて何

deskeysというショップ

タイトルにある”des-dome-gasket”ていうのは、自作キーボードのカスタムパーツを開発・販売しているdeskeysの商品です。

なんといってもdeskeysは商品の多くを静電容量(Topre, Niz, HHKB, Leopoldなど)向けのカスタムパーツで占めています。

deskeysの静音リングは聞いたことも有るかもしれませんが、最近では独自開発のラバードームや、cherryMXキーキャップ対応のスライダー(なんと6uスペースバーにも対応)も開発するなど、かなり力の入ってるメーカーとなっております。

ちょっと影の薄い商品が一つ

で、これがタイトルのdes-dome-gasketです。。
この商品の解説をするために公式ページの写真を拝借しましょう

公式ページより

要は
”静音リングを入れると、常にスライダーを少し押した状態にしてしまうため、ガスケット(本商品)がPCBに対してスペーサーの役割をしてストロークを確保する”
ということです。

「そんな変わらんやろ」と思う人がいるかもしれませんが、ほぼ前半にあるタクタイル感を潰してしまうので結構悪化します。一言で言えば「低反発枕を押している感じ」ですね…

deskeysの静音リングはかなり分厚い0.5mmや0.7mmのラインナップもあるため、特に無視できない変化になります。

…「そもそも静音リングってなんだよ」って思った人へ、
スミマセンが、省きます!ググってからまた来てください。


入れた結果…

私は0.5mm 静音リング、そして0.5mm des-dome-gasketを購入し、自分のHHKB Pro2をフルストロークのまま静音化できるのがワクワクで仕方ありませんでしたが…

ラバードームの隙間から見える白いガスケット

カッチカチいうやん…

なぁにこれぇ(CV.風間俊介)


原因

いろいろとチェックしていくうちに、ノイズの原因が2つ有ることがわかりました。

キーキャップとトップケースの干渉

静音リングがスライダーの始点を下げてしまうので、ガスケットがPCBつまり終点側の位置を下げて相対的にストロークを確保します。「始点と終点が両方下がって結果プラマイゼロ」になっているんですね。

終点が0.5mm下がったので、どうなったかというとキーキャップがバチコリ筐体にヒットするようになりました。

おもしろいのが、PCBを止めているネジに近いキーではこのノイズが起きない事。ネジの有るところは無いところよりPCBがより締め付けられてギリギリ上にあるので、干渉しないってことですね。絶妙(に悪い)ラインだったようです。

スライダーにある突起とトップケースの干渉

もう一つの干渉がスライダーにある突起の干渉です。

スライダーには、筐体から脱落しないように突起がついていて、分解してもスライダーがバラバラっとならないようにしています。この突起も、des-dome-gasketによってボトムアウト時に筐体にぶつかるようになっていました。


解決

原因がわかったので、追加工事を決行。もうあとに引けないので…

キーキャップのステムにOリングをはめる

キーキャップの干渉は、キーキャップを少し上げるようにすれば解決、ということで、キーキャップのステムにシリコンの柔らかいOリングをはめてスライダーに装着。

コレ自体は静音化じゃなくて、あくまでゲタを履かせているだけです

これでキーキャップは少しだけ上にずれたので解決…キーキャップはなんとかハマりますが、緩みが来るのが心配。緩んだら買い換えよう…(麻痺)

この方法はdeskeysの公式discordで相談に乗ってくれた方が思いつきました。ありがたや。

スライダーの突起を落とす

スライダーの突起はニッパーで落とします。実際、開けるなら気をつけて開ければ大丈夫なのでこんな突起いりません。

ツルッパゲでも構わない



まとめ

フルストローク静音化完了〜
deskeysのリングを使うと、静音性能はいいですがかなり打鍵感に違いが出ちゃいますから助かりました。一時はどうなるかと思いましたがやって良かった。。

ちなみに、みなさんがHHKB向けにdeskeysの静音グッズを購入する際は次のオプションがあります。

 代替案1. des-slidersを使う

des-ring #5(0.5mm) + des-sliders
des-ring #3(0.3mm) + des-sliders

des-slidersはdeskeys独自開発のcherryMX互換対応スライダーです。皆さんはコレを買ったほうがいいでしょう…
かなりの利点があり、MX向けのキーキャップで遊べるだけではないです。

  • POM製でなめらか

  • 静音リング取り付けを考慮した設計で、ストロークが過剰に縮まない

    • #5 des-ringで3.8mm

    • #3 des-ringで4.0mm

  • スタビライザーセットも完備

などこれまでにない神仕様なので、皆さんはコレを買ったほうがいいです。(2回目)
私がコレにしなかった理由は、ストックのキーキャップにしたかったから、当時スタビライザーセットがまだ未発売だったからです。

代替案2. #5ではなく#3ガスケットを購入

des-ring #5 + des-dome-gasket #3
des-ring #3 + des-dome-gasket #3

ストックのキーキャップがいい方へ。
#5のガスケットが諸悪の根源ですので、#3(0.3mm)のガスケットを買うのが確実です。静音リングが打鍵感を悪化させるものの、#3であれば、引き算で0.2mm程度の減少になり、そこまで気にならないでしょう。

気になりそうなら、リングも#3で済ませましょう。静音性能は劣るかもしれませんが、カフェや職場では十分ですし、「静音すぎて打鍵感が良くない」という理由で薄いものを選ぶ人もいるんですよ。

3. 私のマネをする(非推奨)

des-ring #5(0.5mm) + des-dome-gasket #5(0.5mm)
加工と追加アイテム(Oリング)が必要になりますが、#5の静音性能でフルストロークが魅力的と思うなら止めはしません。
使用したOリングは、柔らかいシリコン製、幅1mm、外径5.5mmです。

注意点

最初にお伝えしたとおりですが、これはHHKBの記事になりますので、リアフォやNizに関してはガスケットがきちんと適合するかわからないという事が1点と、

もう一つはガスケットを使う際にネジを強く締めないようにしてください。場所によってはPCBが浮いているので、締め付けた結果歪んだりしてしまいます。特に端っこのネジは締めなくてもいいと思います。


あとがき

はじめてのアドカレでした。非常に楽しいです。
自分、情報系ですがナードな友達があまりいませんでしたので、自キdiscord、ならびに温泉街discordに出会ったのがきっかけで、自分でコミュニティを見つけに行く事を学べました。なんでもっと早くやらなかったのかとちょっと悔しいですが幸せです。今後とも宜しくお願いします。

ここまで書いといてスミマセンが、この記事はHHKBじゃなくて、完全自作rev1 (Poker互換でBoba U4なキーボード)で書きました。

次の記事はeucalyさんの『自作キーボードキットを、iTunesリモコンにしてみる』です。



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