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お土産づくりのポイント「ココで買う意味」と「まず目につく仕掛け」&自社の価値を高める位置づけ

9月1日に、「岡崎市ファンづくり推進委員会(岡崎市商工労政課内)」とオカビズで共催したおみやげづくりのセミナー。関心が高くも参加できなかったという人、うちには関係ないよと思っていた飲食店やサービス業の方にもポイントだけでも知ってほしい内容でした(手前味噌…)

この投稿では、セミナーの概要とポイントだけ、さらっていきます。ぜひセミナーの振り返りに、また気づきにつなげていただければと思います。

みんな、すでに知っている。いいお土産/悪いお土産の基準

セミナーは、グループワークからさっそく開始。
「もらってがっかりしたお土産、もらってうれしかったお土産について周りと話してみましょう~」

みなさんからもどんな意見が出たか、お聞きしました。
「がわ(包装)だけが変わっているだけのもの」
「底上げしてあって中身が少ないもの」
「地域名が書いてあるだけで何のつながりもないもの」など、出てきました。京都土産かったら生産地は愛知だったとか。ねー、結構ありますよね。と、みなさん実感をもってウンウンしていました。

これ、消費者目線での「いいお土産/悪いお土産」っていうことなんですね。みなさん、実感としてわかっていらっしゃる。これは開発するときにとても重要だぞ、ということで、秋元はこのワークを冒頭にぶっこんできました。
おみやげ開発の大前提として、この実感としての消費者目線を忘れないこと、また道の駅藤川やネオパーサなど近くで、おみやげ売り場にどんなものがどんな価格で売っているのか?自分の目で確かめてみてくださいね、とリサーチもおすすめしました。

おみやげ開発のポイントは「お土産への期待感」にきちんとこたえること

さてここから本題。
ではおみやげに、おみやげ開発にとって重要なポイントはなにか。ごくごく簡単にまとめると、この3つととらえられるだろうと。

1.お客さんは「その土地で買う意味」がほしい
2.パッケージやユニークさで、初めてのお客さんに気づいてもらう。
3.誰が何のために買っていくのか?ターゲットやシーン、用途を想定する

セミナーではそれぞれ、具体的な事例と合わせて詳細を解説していきました。

まず一つ目が、お客さんがお土産に期待するのは、「ここで買う意味」だということ。それは土地の産物/歴史的ないわれ/局地的なはやりやブームなど、意味と一口にいってもいろいろあります。パッケージに家康つけただけ、岡崎の、とつけただけ、でなく、ちょっと語れるようなうんちくやストーリーをきちんと整えてあげる。
おみやげとして、ここで買ったことを、購入者も、その先のもらう人も、なるほどねとわかるものを作ってあげることがポイントです。
このうんちく&ストーリーづくりには、図書館のレファレンスサービス(資料検索)を使うこともご提案しました。りぶらにある中央図書館で、図書館スタッフさんが希望の記事を探してくれます。WEB検索も簡単な時代ですが、特に歴史的なことは本当かきちんと調べる必要があります。自分では探すのも読むのもちょっと吐き気がしちゃう人でも、図書館の精鋭スタッフさんの力を借りれば、無料&スムーズです。
 >岡崎市中央図書館「資料相談」HP

二つ目、パッケージや商品名のユニークさ。これはさじ加減に注意しないといけない、という注釈付きではありました。というのは、おみやげ購入者は多くの場合、初めて来た人、たまに来る人であり、いわゆる「一見さん」なんですね。たくさん並ぶ商品の中でまず目に留めてもらうには、やはりパッケージや商品名でどこかとがる部分、笑わせてひっかける部分、バッキバキな色を使うなど、わかりやすい工夫が必要だということ。

でもこれはあくまで、「まず目を留めてもらう工夫」なので、お店の威厳を損なうおふざけ感とか、商品をディスるスカした感じになるのはNG。
「うそぶいたり、ふかしすぎるのは、ダメ、絶対」と秋元も念押しです。

そして三つ目、ターゲットやシーン、用途を想定する。これはもう徹底的にやったほうがいい。

―自分へのご褒美用
ー職場へのばらまき
ー家族へのお土産

どんな人がどんな気持ちで誰に渡すのか?義理なのか、笑いのネタなのか、自分用なのか。それによって内容量も変わる、包装や許容できる価格も変わる。会社のお土産用なら個包装がたくさん入っていたほうがいいし日持ちがしてほしい。

セミナー中には「こんな素敵なプレゼントを渡す私は素敵でしょ」という贈る側の隠れた動機も重要だとも話題が出ました。贈り物って、贈る相手の利用シーンなどを思い浮かべてチョイスするけれども、その中でも何を選ぶかというセンスが試されるものですもんねww

なので、「おしゃれなおみやげを買う」ことが是の人もいるし、「面白いおみやげ」「うんちくのあるおみやげ」「知られていないおみやげ」がいい人もいる。誰向けで、どういう気持ちで買って行ってほしいのか(=そういうニーズがあるのか)は、誰にでも受け入れられるより、絞ったほうがぐっと響きやすくなります。

自社に価値が蓄積するお土産の在り方を考える

セミナー後半戦、オカビズデザインアドバイザーの稲波からは、前半のおみやげづくり基礎を前提として理想のおみやげについてお話をしました。
①おみやげとしてのニーズを満たしている
②自社のエッセンスがきちんと反映させてある。既存商品や事業の価値を棄損していない
③自社商品に戻ってくる導線がある(ECなど)。


途中、ちょっと難しい部分もありましたが、つまり 今後、どの商品を伸ばし、どんな顧客につながっていきたいか?事業の課題や志、ありたい姿、なども考えながら作っていくことも考えてほしいということでした。
大河ドラマを契機とした観光増客は、商機であるけれど、すりへるだけのお土産づくりや販売は消耗戦でしかない。おみやげは通過点であると認識して、これを事業の未来に対してどう活用するか?
セミナー内では「方程式」も使って事例を分解解説しました。

稲波の本業はデザイン事務所の社長ですが、地域の文化や伝統産業、地域に根付いた文化の継承をテーマに、課題解決のためのデザインをしている一面もあります。だからこそ、地域で事業を続ける皆さんをリスペクトし、それ自体が魅力となるのだと。お土産商戦にむやみに乗っかるだけでなく、きちんと強みを生かし、これからの事業の魅力を理解してくれる良客につなげてくれるようなお土産を作ってほしい、と力説していました。

実践型で「やってみる」ゼミ開催。申込9/13まで

セミナーは概論ですので、参加型で具体的な話に落とし込めるような実践型ゼミを実施します!連続3回でも、気になるテーマ一回でも、申込可能です。

稲波は、セミナー中でも「ちょっと難しかった」という、「買う意味付け」「自社に返ってくる商品づくり」など、いわゆるコンセプトづくの部分を深堀りしていきます。
松田と小沢は、店頭でまず気づいてもらうためのコピーやパッケージについて。どのテーマも、通常相談でもいつも事業者さんが悩まれているポイントです。お土産づくり以外の商品づくりにも生かせる内容なので、ぜひご参加くださいね。
 >ゼミ詳細・申込はこちらからhttps://www.oka-biz.net/seminar/entry-744.html

「ぜひ行きたい」と途中からご参加くださった市長は、大河での観光来客増をぜひうまく商機につなげてほしい、ぜひ盛り上げてほしい、と熱く語ってくださいました。