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オカビズ10周年記念セミナー:毎日新聞リファラバ × オカビズセミナー「小さな企業の生き残り戦略」〜注目される企業の強みの活かし方〜を開催しました!/エニシング帆前掛け 西村氏・片岡屏風店 片岡氏

こんにちは!
岡崎市が運営する完全無料のビジネス相談所、オカビズです。

今回のセミナーでは、手がける製品を「この時代」の事業として発展させていった経営者のクロストークを実施!脱サラから事業を立ち上げ、さらに「帆前掛け」で地場産業再起を仕掛けたエニシングの西村さん、屏風屋にて海外展開などを仕掛ける片岡さんのお二人をお招きし、毎日新聞Refalover (リファラバ)清水編集長と共にオカビズチーフコーディネーターの秋元が、お二人の話を掘り下げていきました!


登壇者のご紹介

有限会社エニシング代表取締役 西村 和弘氏

2000年に脱サラし、東京で漢字Tシャツ販売会社を起業。商品展開の中、愛知県豊橋市で日本の伝統着「帆前掛け」に辿り着く。2019年「前掛けファクトリー」オープン。世界30ヵ国以上で年間10万枚の前掛けを販売し、2023年3月にはファブリックラボもオープンし、欧米を中心にデザイナーが多く訪れる施設になっている。

西村氏

片岡屏風店専務取締役 片岡 孝斗氏

1946年創業の屏風店を家業に持つ。スウェーデンのストックホルムにて現地のクリエイターとのコラボレーションイベント「UNFOLDINGIMAGE」を開催するなど、三代目として日本の伝統文化である屏風を世界に広げるべく挑戦している。

片岡氏

毎日新聞リファラバ編集長 清水 憲司氏

経済記者として20年近く中央省庁や企業などを取材。ある出会いから「日本復活のカギはファミリービジネスにあり」と思い至り、2022年に「リファラバ」を立ち上げ、イベント・セミナーの企画・司会を行っている。

清水編集長

まずは、西村さんのお話からスタートです!

帆前掛けの西村氏:生き残り戦略のポイント3つ

脱サラをしてオンリーワンの会社を作ろうと起業した西村さんは、日本に唯一残っていた前掛けの産地・愛知県豊橋市の60代、70代の前掛け職人たちとの出会いがその後を変えたそう。日本のものづくり産地の共通の問題として「後継者不足・高齢化」などが挙げられますが 前掛けも同じ状況でした。

プレゼンをする片岡さん

1. 需要は自分自身で創造する!

酒屋、米屋、八百屋などで多く使われていた前掛け。企業名や店名を入れた前掛けは、年末にカレンダーと共に無料で配られていたそうです。西村さんは、時代の流れと共に衰退してしまった日本伝統の前掛けの魅力を再発見し、しっかりと伝えていきたい!と、当時、500枚から製造・卸売販売をしていた商慣習を見直し、「一枚から作れる感動の贈り物」を打ち出し、新しい需要を創造。また、人口が増加している海外に目を向け、行動します!

ニューヨークへ

2. 「面倒くさい話ばかりを持ってくるな〜」 職人と共に挑戦

伝統産業は、職人の技術で支えられています。「一枚から作れる感動の贈り物」は、お客さんのニーズに合わせたモノづくり。当時、西村さんは「面倒くさい話ばかりを持ってくるな〜」と職人に言われていたそうです。一緒に試行錯誤しながら、職人との距離を縮め信頼関係を構築して来たそうです。また展開が広がるにつれ、これからを担う若い世代も徐々に増え、豊橋市でも前掛けを作る事業者が少し増えてきたそうです。

職人の皆さん

3. 「どうしてこの人は喜んでくれるんだろう?」  とにかく顧客にききまくりニーズを探る

事業を始めた頃、カメラマンから前掛けの注文がちらほら。理由をきいてみると、膝をついて仕事をするため汚れなくて丈夫で便利とのこと。また、「こんなのできない?」というお客さんからの声にはいつも耳を傾け、それを実現してきた西村さん。「どうしてこの人は喜んでくれるんだろう?」常に顧客の何気ない一言を見逃さず、改善や研究開発に繋げています。

秋元『「その時、その時」に喜んでもらえること、トレンドに合わせてプロダクトやサービスを変えていくんですね』と、その大切さを強調しました。 

屏風の片岡氏:生き残り戦略のポイント2つ

1. 外に出たから気づけた

片岡さんは高校生の時に、1年間アメリカ留学をしたそう。その際日本について聞かれ、日本やその文化について知らない自分に気づく。また外から日本を見ることで、日本の文化や生活様式などが日本人のアイデンティティーを構築していることが分かる。そして日本の伝統文化である家業の屏風屋の見方が変わり、屏風を多くの人に知ってもらおうとブランドとしていろんなところへ出向き、取組みを行っていきました。

プレゼンをする片岡さん
スウェーデンとのコラボレーション

2. 昔ながらの現状からの打破!

今では、海外進出をして様々なプロジェクトを展開している片岡さんですが、ほんの10年程前は、桃の節句、端午の節句などの屏風をOEM生産していたとのこと。注文が来るかどうかは発注元次第という状況に、昔ながらの体制を打破して、自分たちで事業を展開する決断をします!

ハンバーガーショップ用に制作した屏風

そして、リファラバ編集長 清水編集長と秋元が、伝統産業に関わる二人へ生き残っていくための秘訣を紐解いていきましたよ。

ナビゲーターの秋元(左)と清水編集長(右)

伝統産業という檻

これまで、伝統産業を営む事業者を多く取材してきた清水編集長は、伝統産業には「檻」があると指摘します。古くから受け継がれてきた技術や製法をもちい、日本の伝統的な文化・生活に根ざしている産業なだけに、その中に閉じこもり守りに入ってしまいがちなんだそうです。

では、その「伝統産業という檻」から、お二人はどうやって出られたのか?
西村さん、片岡さんの二人の共通点は、外の目線を持っていて環境の変化に気づけたことアウェイ体験をして、その悔しさや文化の大切さにも気づけた。そして一番の原動力は現実的な数字。シンプルに「このままじゃ、まずい何とかせねば!この伝統産業もなくなる」と危機感や使命感を強く感じた」と語ってくれました。

そして秋元が「檻からはそんなに軽やかに出られるものですか?」と、さらに深掘りしていきます。これまで多くの取材をしてきた清水編集長は「伝統産業に縛られている人は多く、抜け出せる人は少数。長い伝統の中で変化に気付けず、当たり前過ぎてその活動に意味があるかも分からなくなっているがそのまま続けている人もいる」とのこと。

西村さんは、前掛けの本質的な魅力を磨き続け、価格競争のない世界に行きたくて海外へ。
片岡さんは、「伝統に縛られるのではなく、心が動くこと・やりたいことのために伝統を使う」と。

片岡さん(左)と西村さん(右)

清水編集長は「檻ははじめからないのかもしれませんね」と。
なるほど、伝統産業をどう捉え、どう行動するか次第で変わって来るんですね〜

秋元は、お二人が順調に事業を展開して来たかのようですが、これまで数多くの取組みをして、失敗を繰り返しながら磨き上げてきて今があることを引き出します。まずはバッターボックスに立つ。立った打席で噛み合っているのかを確認する。そしてボックスに立ち続けてどのように流すかが少しずつ分かって来たような気がするとのこと。こうやって精度を高め、成功確率を上げていくことを学びました。

チーフコーチネーターの秋元

これからも生き残っていくために

最後に、小さな企業が生き残っていくための秘訣を皆さんに伺いました。

西村さん:やはり「顧客の創造」。新しいお客さんをしっかり見つけていく。誰にどうやって売っていくのか。そして、常にブラッシュアップ、磨き上げていくことが大切!

片岡さん:自分自身の個性、自分の職業、「個人」が大切。それで邁進していく。

清水編集長:伝統産業は実は自由。競争相手が減っていく。自分がこれだと思うものをどんと出して行く。伝統産業で他の人が檻にハマっている間に、未来があって、新しい顧客がいるところへ広げていく。

自分を鼓舞しながら、自分のやりたいことを周りの人に言って行動していくことはとても大事。そうやって成功確率を上げていく。まずはやってみる。
やってみないと始まらないと、お二人は口を揃えて、語ってくれました。

海外展開をされているお二人の会社は、10数人の規模だそうです。勇気が出ませんか?

小さな一歩から始めてみませんか。今日から。

次回セミナーのご案内 12/1(金) 

オカビズは10周年を迎えました!これからの時代を生き抜く中小事業者さんが「これだ!」と思う気づき満載のイベントを連続開催しています。
次回は朝日新聞「ツギノジダイ」編集長をお迎えします。どうぞお楽しみに!

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