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湘南ナンバーの車

 通勤途中に小学生や自転車に乗った高校生らが頻繁に渡る横断歩道がある。というよりは、朝の時間帯は歩行者や自転車の専用道路になっていて、それが横切っているという感じだ。いつも、交通指導のおじいさんと保護者2人が旗を持って交通整理をしている。
 そこへ差し掛かった時、4台前を走っていた白いSUV車(上部の方だけ見える)が、静止を振り切って横断歩道を突破していった。たいていその先は信号待ちで詰まっているので、急いでも意味はないだろうと思った。小学生達の横断を待ってから前へ進むと、案の定、信号待ちで渋滞していた。やがて自分の車が交差点を通過できる番がやって来た。先程のSUV車は右折待ちで止まっていた。私も右折をするので、その後についた。湘南ナンバーのレクサスだった。俺の車は湘南ナンバーなんだぜ、という雰囲気が漂っていた。(運転者が女性である可能性もあるけれど)
 右折して入る道路は片側2車線の国道である。レクサスは右側の車線、私は左側の車線に入った。道路は渋滞していた。しばらくして私の車はレクサスの横に並んだ。どんな奴が運転しているのだろう、と思って横を見ると、運転席で若い男が目薬を差しながら運転していた。よれた紺色のTシャツを着ていた。色は落ちてくすんだ感じだ。
 いくらお金があっても、売っていないものは買うことは出来ない。
もうひとつは、紺色のTシャツは洗濯したり日に当てたりすると、ムラムラに色落ちすることが多く、みっともなくなる、ということだ。


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