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日銀副総裁が著者?! 「易経入門-孔子がギリシア悲劇を読んだら」

図書館巡りは至福のひと時です。最近、最も自宅に近い小さな図書館で見つけたのがこの本。易経はいわゆる四書五経の一つで、陽、陰を組み合わせた六十四卦によって自然と人生の変化の道理を説いた書として広く知られています。

金融庁などの要職を担当していた著者は、金融関係の国際基準の交渉でスイスに出張していた頃、金融危機のさなかの日本の銀行には劇薬となりえる規制強化をめぐる切羽詰まった交渉をする中で易経と出会い、今後の展開について気づくところがあったとの事です。更に、2500年前のギリシャ悲劇、ソポクレスの「アンティゴネ」を読み終え、気まぐれに登場人物を易経に対応させてみたときの驚きが、ソポクレスと孔子(易経)の対話として本書に書かれるきっかけになったと。。

私も、以前、易経の陰陽による組み合わせが0,1で計算されるコンピュータによる処理と似ていると感じ、少し勉強していた時期がありました。二進数の6桁は64パターンの情報量になるわけですね。特に火山旅という掛(下から陰陰陽陽陰陽と並ぶ)のビジュアルなイメージが美しくて気に入っており、大昔の旅は今とは大違いで、山の中で焚火をしながら一晩を過ごす不安な様子が、現代人の人生の姿にも重なるなと思っておりました。まあ、私の頭ではそのレベルなわけですが、この本(2011年出版)の内容でびっくり、何処かで著者の名前を見たことがあるな???と思いながら調べて2度びっくり、なんと現(2023/06/03現在)日銀副総裁ではないですか?頭がいい人ってのは凄いなと、改めて思った次第です。。。また色々と読んでみたくなりました。

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