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未来の仕事を変革する:Apple Vision Proの画期的な体験とMeta Quest3との比較 【Spatial Column Vo.1】

Apple Vision ProやMeta Quest3やARグラスはどのような性能や機能に差分があるのか。Apple Vision Proがどのように私たちの仕事を再定義しているか、そしてそれがMeta Quest3やARグラスとどう異なるのかを探ります。デバイスが提供する独自の体験と、それが既存のデジタル体験をどのように拡張、代替するのかを解き明かしていきます。

こんにちは、ARスタートアップ Graffity CEOの森本です。
Xにて、Apple Vision Proについて質問を募集したところ以下のような質問をいただきました。

Apple Vision ProとMeta Quest3の違いは多くの人が気になっていると思うので、様々な観点から比較してまとめたのが本記事となります。

Apple Vision Proについて質問があれば、ぜひマシュマロ経由でいただければ、XやNoteを通して回答をしていきます。ぜひ、以下のリンクより気軽に質問をください。

https://marshmallow-qa.com/obdrgbgkc9mj877

時間のない方はPodcastでぜひ通勤中にでもお聞きいただければと思います。


Apple Vision Pro & Meta Quest 3 & XREAL Air2 比較まとめ

まず初めに、Apple Vision Pro、Meta Quest 3、ARグラスで主要なデバイスであるXREAL Air2 / Air2 Ultraを比較したいと思います。

ビデオパススルー vs ライトシースルー

ビデオパススルーは、ユーザーが実際の周囲を直接見るのではなく、カメラで捉えた映像をディスプレイを通して見る技術です。

ライトシースルーは、(または透過型ディスプレイ技術)は、ユーザーが実際の世界を直接見ながら、その視界にデジタル情報やオブジェクトを重ねて表示する技術です。

Apple Vision Proは、ビデオパススルーを活用したデバイスであるため、ライトシースルー技術を活用しているARグラスとは比較してもあまり意味がないですが、同じビデオパススルー技術を活用しているMeta Quest 3とは比較することができます

一般論ですが、ビデオパススルー型グラスデバイスは重量があり屋内向けライトシースルー型グラスデバイスは軽量化でき屋外向けと理解いただいて問題ないかと思います。

専門家によると、ライトシースルーの技術難易度はビデオパススルーの10倍と言われており、ビデオパススルーからグラスデバイスは一般普及し、ライトシースルー型グラスデバイスは、ビデオパススルー普及以降に注目されると予想をしています。

Apple Vision Pro と Meta Quest 3 の違い1 : 解像度の高さ

Apple Vision ProとMeta Quest 3を比較したときの大きな違いの1つは、解像度になります。Apple Vision Proは、4K並の解像度となっており、Meta Quest 3の約1.9倍となっています。

解像度が高いことにより、
・デバイスを付けた状態で移動することができる、そして酔わない
・デバイスを付けた状態で、現実との距離感に違和感がない
(今までは遠近感に歪みが発生しており、目の前にあるコップに触るときに違和感があった)
・目の疲れの負担が減ることで、デバイスを長時間つけることができる

などの効果があることを、Apple Vision ProとMeta Quest 3を装着して比較してみた結果、感じました。

Apple Vision Pro と Meta Quest 3 の違い2 : 入力インターフェイス

Apple Vision ProとMeta Quest 3ではインターフェイスが大きく異なります。
・Apple Vision Proは、コントローラーがなくハンドトラッキング・アイトラッキングで操作
・Meta Quest 3は、基本的にコントローラーで操作
(ハンドトラッキングは搭載、アイトラッキンは非搭載)

コントローラーがあるのとないとで大きく違うのは、ハンズフリーになるかどうかです。両手が必要な料理・家事・仕事をしながらApple Vision Proのコンテンツを利用することができます。

Meta Quest 3でも同様にハンドトラッキングは搭載しておりますが、認識範囲で大きな差があります。Meta Quest 3はカメラに写っている範囲のみハンドトラッキングが可能です。一方で、Apple Vision Proは、カメラに写ってる範囲外でもトラッキングすることができます

このハンドトラッキングの範囲に加え、Apple Vision Proではアイトラッキングを搭載しており、選択操作をより直感的にすることで、グラス型デバイスの操作の概念を再定義しました。

Apple Vision Pro と Meta Quest 3 の違い3 : 価格

Meta Quest 3が優位に立っている点は、やはり価格でしょうか。50万円と7万円では価格は雲泥の差です。50万なのであれば、解像度も高ければ、新しい入力インターフェイスになって欲しいですよね。

価格から分かりますが、想定されているユースケースが大きく異なります。Apple Vision Proは仕事、Meta Quest 3はゲームをメインのユースケースとしており、Apple Vision Proはパソコンの拡張orリプレイス、Meta Quest 3はコンソールゲームのリプレイスを前提としていると考えています。

デバイスごとの想定している、ユースケースについての考察をしていきます。

Apple Vision Pro & Meta Quest 3 & XREAL Air2 のユースケースの違い

Apple Vision Pro: 仕事の未来を拡張する

Apple Vision Proは、従来のPCの概念を根本から変えることを目指しています。Apple Vision Proで仕事をする中で、Macのリプレイスではなく、拡張としての役割を担っていると感じました。

Macとの連携は非常にシンプルで、同じApple IDでログインしている場合は、Connectというモーダルが表示され、タップすると接続することができます。

実際仕事をしてみて、既存のMacではできない大きなディスプレイでの作業や、空間に様々なウィンドウを開いて素早く切り替えることが可能になることをメリットに感じました。

Zoomでは、Apple Vision Proが顔を認識して生成するアバターを活用してコミュニケーションをすることができ、オンラインミーティングも問題なくすることができます。アバターはリアルタイムに表情を認識し変えることができ、非常に精度が高いと感じました。

一方で課題もあり、Vision Proに特化した仕事用のアプリケーションはまだ少ないためMacのディスプレイの拡張に留まってしまったり、複数MacのWindowが開けるわけではないので大きなディスプレイを表示するだけになっています。

さらに、毎回Vision Proを立ち上げMacと接続した後に、Safariで必要な画面を起動し配置する必要があり、Spatial ブラウザの必要性も感じました。
目の疲れの観点も少しあり、8時間ずっとつけて仕事をするには正直慣れが必要だなとも感じております。

Apple Vision Proは、特に仕事のユースケースを拡張することに重点を置いており、そのための独自のアプリケーションが今後も増えていき、PCの拡張そしてリプレイスへと繋がっていくと思い、2-3年で飛躍していくデバイスだなと感じております。

Meta Quest3: ゲーム体験の再定義

一方、Meta Quest3は主にゲームや映像体験をリプレイスし、拡張することを目指しています。コントローラーの使用を基本とし、ゲームに最適化された体験を提供していると考えております。

Nintendoを代表に、やはりゲームプレイにはコントローラーが必須です。Vision Proはハンドトラッキングやアイトラッキングを搭載した新しいインターフェイスであり、もちろん新しいインターフェイスならではのゲーム体験は存在しますが、コントローラーがあると入力を簡易化できるのでその分快適なゲーム体験ができると考えています

価格も手頃で、多くの人々がアクセス可能なレベルになっています。解像度がApple Vision Proよりも低いため、仕事用のデバイスとしては不向きですが、ゲーム、映像視聴、オンラインでの交流といったエンターテインメントの用途では非常に優れていると考えています。

よって、Apple Vision Proは仕事をメイン+エンタメとしたユースケースであり、Meta Quest 3は、ゲームをメイン+エンタメのユースケースにフォーカスしている点で大きな差があると考えています。

ARグラス: スマホの未来を拡張する

XREAL Air 2を代表とするARグラスは、スマートフォンやゲーム・映像体験を拡張することを目指しています。

ARグラスのマーケットシェアNo1である、XREAL社では、大きく分けて2つのプロダクトがあります。

XREAL Air2 / XREAL Air2 Pro

XREAL Air2・XREAL Air2 Proは、6DoF機能はなく大きなディスプレイとして活用されています。よって、スマーフォンやSwitchなどのゲーム機器に優先で接続し、大画面で動画を見たり、ゲームをプレイすることがメインのユースケースとなっています。何か既存のデバイスを代替しているのではなく、拡張しているユースケースです。

XREAL Air2 Ultra

XREAL Air2 Ultraは、2024年1月に発表された6DoF機能を搭載したARグラスです。XREAL Air2 Ultraは、スマホの拡張・リプレイスを意識したプロダクトとなっています

XREAL Air2 / XREAL Air2 Proと同様に、大画面で動画を見たり、ゲームをプレイすることがメインのユースケースでありつつも、空間を認識したSpatial Applicationも今後リリースされますが、メインでは、特定のイベントや施設での活用がメインとなると考えております。

Apple Vision ProやMeta Quest3とは違い、ライトシースルー型のグラスデバイスであり軽量であるため、屋外や歩きながら利用できるユースケースと非常に相性が良く、美術館や博物館、特定のエンタメ施設、観光での活用に期待できると考えています

スマホを完全にリプレイスするにはまだ時間がかかるでしょう。技術的な難易度が高く、バッテリー問題や小型化、デザイン性など、解決すべき課題が多くあり、今後のデバイスの発展が期待されます。

最後に

Apple Vision Pro、Meta Quest3、そしてARグラスは、それぞれ異なるユースケースと体験を提供しています。

Apple Vision Proは仕事と日常生活の拡張に重点を置き、Meta Quest3はゲームとエンターテインメントを、ARグラスはスマートフォンやゲーム・映像視聴体験を拡張しています。

これらのデバイスは既存のデジタル体験をどのように変革し、未来をどのように形作っていくのか、その進化に皆さんで注目していきましょう。

また、Apple Vision Proについて質問があれば、ぜひマシュマロ経由でいただければ、XやNoteを通して回答をしていきます。ぜひ、以下のリンクより気軽に質問をください。

https://marshmallow-qa.com/obdrgbgkc9mj87


Graffityでは、AR技術に特化した新規事業の企画・開発・運用改善まで支援するスタジオ「Graffity AR Studio」を運営しており、これまで累計25万ダウンロードを突破したARシューティングバトル「ペチャバト」や、グローバルに展開しているARシューティングバトル「Leap Trigger」など、ARエンタメを中心としたAR新規事業を推進しております。これらの知見を活かし、スピード感を持ってARを活用した新規事業をワンストップでサポートいたします。

Vision Pro向けのSpatialアプリ「Ninja Gaze Typing」を開発期間1ヶ月でリリースしており、今後もVision Pro向けアプリのリリース実績グローバルNo1を目指し、様々なSpatialアプリを出していきたいと思います。

Apple Vision Pro向けにアプリをリリースされたい場合は、ぜひお問合せください。


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