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ICF コア・コンピテンシー1:倫理に基づいた行動をしていることを示している【英語動画まとめ】

こんにちは。英語資料翻訳シリーズ第二弾です。
国内で活躍するコーチ、コーチングをビジネスや生活に生かしたい方に向けて、英語の資料(論文、ブックレビュー、インタビュー、ウェビナーなど)を翻訳 / 要約し、日本語で掲載していきます。

初回ではこのシリーズではIOCの記事を翻訳していくとお伝えしたのですが、二回目では、IOCではなくICFの内容を扱います。まさに、ダンスインザモーメントですね。



今回から数回にわたって、youtubeに上がっているICF公式によるコア・コンピテンシーの解説動画の要約を紹介したいと思います。全8回で8項目の構成要素について、それぞれ10分程度の動画がまとまっています。例も交えてわかりやすく紹介されており、コーチとして理解しておきたい要素が目白押しの内容です。

はじめに

ICFコア・コンピテンシーとは、ICFが定めたプロコーチの能力水準の記述のことで、公式サイトによると、以下のように説明されています。

ICFコア・コンピテンシーは、ICFによって定義された今日のコーチング専門職で使用されているスキルとアプローチについての理解を深めるために開発されました。これらのコンピテンシーとICFのコーチングの定義は、ICF資格認定試験を含む資格認定プロセスの基礎となるものです。(中略)
コア・コンピテンシーは、各グループのコンピテンシーを見る共通の方法に基づいて、論理的に組み合うものをグループ化して、4つのカテゴリーに分けられています。それぞれのグループや個々の能力水準は、すべてコーチとして満たすべき核となる不可欠の資質であり、どれも等しく重要で、優劣はありません。

https://icfjapan.com/competency

ICFの認定資格(ACC, PCC, MCC)を取得するためには、コア・コンピテンシーと倫理規定についての180分のテストを実施しないといけないほか、プロコーチとして活動する上で、必要不可欠な考え方の基盤になるものですね。


動画について

今回取り上げるのは、シリーズの第一回、フランシス・ペナフォート氏(MCC)の解説による"Updated ICF Core Competency 1: Demonstrates Ethical Practice"(倫理に基づいた行動をしていることを示している)です。4つのポイントで解説と例が提示されていきますが、今回は倫理規定に関する内容なので、例としては悪い例が挙げられ、倫理規定を守らないコーチがどのような振る舞いをするのかが言及されています。倫理規定に関するお話なので、コンピテンシー全体を築く土台となる重要な内容となっています。
この記事に加えて倫理規定と、ICFのコア・バリューに目を通しておくと、より理解が深まると思います。

本記事では、ダイジェストで要約をまとめます。
日本語の逐語訳の掲載はありませんので、全体をご覧になりたい方は、youtubeの自動生成翻訳で確認してみてください。

コーチが自分自身を顧みること

一つ目のポイントは、コーチが自分自身を顧みることです。コーチとして自分自身を客観的に見つめ、コーチングの関係にどの程度の正直さ、プロフェッショナリズムと誠実さを持ち込むか、どんな自分でコーチングの関係に身を置くかを考えることが大切です。これらの要素にフォーカスしないと、倫理に基づいた行動は難しいでしょう。

例えば、「60分のセッションに35分遅刻してくる」という行動は、倫理に基づいているとは言えないでしょう。これは明らかにプロフェッショナリズムと誠実さが欠如しています。クライアントに「自分は尊重されていない」という印象を生んでしまい、信頼や親密さの構築が進まないでしょう。

ステークホルダーとの関係性

次のポイントは、コーチが持つクライアントやスポンサー、またステークホルダーとの関係性です。倫理に基づいたコーチは、コーチングの関係を大切にし、思いやりや優しさ、共感、細やかな配慮を示すことで関係性を深めようとします。クライアントのアイデンティティや信念、価値観を理解し尊重することで、関係性を育むのです。

悪い例として、あるコーチの例が挙げられています。このコーチは契約時に「全てのセッションを対面で実施する」とクライアントと同意していたにもかかわらず、コーチ側の都合でセッションを電話で行ったことがありました。さらに、このクライアントはムスリムだったのですが、それを知りながら、コーチが別のセッションで犬を連れてきたことも問題視されました(*イスラム教では犬は不浄とされています)。これは、クライアントの信念や尊厳を尊重していないだけでなく、宗教や人種、文化に関係なく平等にリソースにつながるという倫理規定の重要な部分を守れていないことになります。

倫理規定とコア・バリューの遵守

また、コーチはICFの定める倫理規定ICFのコア・バリュー(専門性、協働、人間性、公平性)に従うことが大切です。これが守れないと、倫理に基づいた行動ができません。

こちらの悪い例は、クライアントがコーチに「この情報を両親に共有しないでください」と伝えたにもかかわらず、コーチがその依頼を無視し、情報をクライアントの両親に伝えてしまったケースです。倫理規定の守秘義務に違反してしまったことで、クライアントは尊厳を傷つけられ、心を閉ざし、コーチングを通じた可能性に対しても希望を見出せなくなってしまいました。

コーチングの関係の外側に情報を出す場合は、コーチがそれを自覚し、またクライアントに事前に許可を取る必要があります。

ACC、PCC、MCCにおける違い

最後に、ACC、PCC、MCCの資格によってこのコンピテンシーに違いがあるかどうかについて触れられました。結論、倫理に基づいた行動をとるのは、あらゆるコーチの活動の基盤であると述べられています。コーチのレベルに関係なく、非常に重要なコンピテンシーであることが述べられています。

というわけで、倫理に基づいた行動は、コーチングにおいて非常に重要な要素であり、このコア・コンピテンシーをしっかりと理解し、実践することで、より良いコーチングの関係を築いていけることでしょう。

感想+おわりに

今回は倫理規定に関するところだったので、根幹であり、絶対に守れないといけない部分だなあと思いました。悪い例であげられているコーチの行動は、約束を破ること、宗教や信条を軽視すること、守秘義務に従わないこと。どれも、まさか起きないだろうと思うけど、無自覚に触れてしまう可能性もある例でもありますね。知らなかった、うっかりしていたでは済ませないプロフェッショナリズムを持っておきたいと思いました。そのために、常に自分を高い水準に置いておきたいですね。
みなさんの感想もぜひ、コメントやツイートで教えてくださいね!

残り7つのコア・コンピテンシーについても定期的に要約していきますので、お楽しみに!

*あくまで個人的な活動のため、内容に関してお気づきの点、ご指摘などありましたら、お知らせください🙇‍♂️

💡ICF資格取得(ACC, PCCなど)のための翻訳サービスをやってます
https://ssttstt.notion.site/ICF-f58fb4f864894151a62aaf9ce51fe23d?pvs=4

💡ライフコーチングはこちら
https://www.notion.so/ssttstt/Taku-2ab9883440f843229818f16fa93a40dd


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