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書斎デスクの万年筆が青いアゲハ蝶に見える。

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記事一覧

詩 『さらば』

僕が心を失った感覚も きっと誰も分からないんだ。 戻らなくて悲しいことも もう戻らないのが…

詩 『今になる』

目の前に赤土色の大きなドアがある。 この部屋を出るとまた同じ部屋。 いつかの僕がドアを開け…

詩 『死にたい夜』

深夜にリストカットする高校生は 同級生を八つ裂きにする夢を見る。 生きたくもないし死にたく…

詩 『エレイナルの終末』

磔にされた海賊、21世紀のヒロイン・ドクター 意味のないものに乾杯だ、チャールズドドソン 亡…

詩 『地の利を得たドーナツ“機械”』

瀉血ご無沙汰の魑魅魍魎は 中世ヨーロッパの戦争に同情して コウモリを下品にしていく。 文字…

詩 『ネロネロネロQQQ』

令和は教科書を吹っ飛ばす内容の歴史をつくっているが、すぐ終わるから別に大したことはない。…

詩 『月光のハンモック』

起きる前までは平気なのに いまは背中の星空が柔らかくなっちゃう。 入り込んだら平気なのに ぼくはいつも気になっているだけなんだ。 高い天の星空に誰かがいるような。 ぼくは何かを忘れてしまっているような。 ここは星しか見えないから ここには星しかない。 とても綺麗だな。 覚める前までは平気なのに いまは転がる月の裏側が見えちゃう。 落ち込んだら平気なのに ぼくはいつも気になっているだけなんだ。 高い天井の星に誰かがいるような。 ぼくはもう思い出すことができないような。 こ

詩 『アシクルプロス』

脳じゃない!心臓で詩を書く人は壊される。 消費を贅沢だと思い込む人は疑わない。 出来損ない…

詩 『ノロマな日本国民は爆撃する必要がある。【政治的思想QKL「地獄」】』

地獄を見せろ。 馬鹿らしい政治に電線を張って爆裂させろ。 太陽フレアを爆発させる俺は馬鹿ら…

詩 『楽園リゾートと2037年経済』

東京がやっとこさ乾いたので アスファルトの間からミミズが湧き出た。 コンクリートを埋めつく…

詩 『あべこべ』

奇妙なアタマをした若者が月に向かって笑ってる。 月の上の若者も地球に向かって笑ってる。 そ…

詩 『それは人間界の種類による』

日本酒で狂いそうに、どうも苦しそうに 愉しそうにあなたは人を殺すんだね。 唸れ、煽れ、邪魔…

詩 『人類学を爆撃せよ』

僕は疲れた時に天国についたことがある。 天国に生息する鳥は地獄を知らない。 さえずりに似た…

詩 『オレンジランプ』

蝶々結びで駆ける丘 水無月の羽は後ろで舞う 幽閉しているような。 僕はひたすら楽しかった。 すこやかに光る木のランプが 黄昏時だからか、角度が違うからか オレンジに揺らいでいる。 だからそのままで。 いつの時代でも約束をしたまま。 降りる樽は高く、 伸びた道はオレンジに、 繋ぐ手は高く、 伸びた手はオレンジに。 透き通った腕を振る丘 大粒の雨は後ろで止んでいる。 幽閉しているような。 僕は色々考えている。 すこやかに育つ木のランプが 黄昏時だからか、角度が違うからか