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ちょっとした小話

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美容室OjOmano〜再現性サロン〜

スタイリストの倉田晋吾です!

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今週は技術のお話はお休みして、コロナ禍での美容室での僕が鮮明に記憶に残っているお話を少し。

1、コロナ禍で感じた美容室の立ち位置

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新型コロナウイルスの蔓延から早くも1年が過ぎました。
生活様式が代わり、自由に動き回れていた今までの行動範囲から自身の生活圏内の中で全てのことを完結できるようにシフトしてきました。

僕自身も、これまでは用もなく都心部へ出掛け、ブラブラして昼ごはんを適当なところで食べながら街を歩くような休みの使い方をしていましたが、今では電車を使う範囲のところへ出かけることは滅多になくなり、家の周りやネットを利用した買い物をすることが増えました。

皆さんも同様に今までできていたことができなくなったり、活動の拠点を自宅に置きながらの生活に慣れざるを得なくなり、今まで利用していたモノやサービスから離れた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

とはいえ今回はそんな暗い話をしたいのではありません。

今回の状況下で美容室というサービスの立ち位置が僕の中で明確になった、というお話をさせていただきます。

2、美容師という仕事

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暗い話をしないとか言っておきながら当時の心情をお話ししなければならないので時系列としては初回の緊急事態宣言(2020/4)に遡らせていただきます。
未曾有の事態に、全ての人が言いようのない不安を抱えながら生活を続けていた頃です。

僕たちMaNOは、少しの期間ではありますが休業をすることになり、その間様々な可能性をスタッフ皆で話し合っていました。
「再開したらたらどんなことができるか?」
「お客様に忘れられないようにするにはどうするか?」
とはいえどうなるか誰も予想が出来ないような状況、少しネガティブな空気がオンラインの画面の向こう側からも感じずにはいられませんでした。

いざ、営業を再開しましたが誰もが経験したことない状況で皆が手探りで日々を過ごしていたような気がします。
お客様のご来店は激減し、衛生対策は万全の状態でもご来店を積極的に促すことは出来ない空気感。美容師をしたくても出来ない日が長く続いていました。

僕たち美容師はお客様と対面をしないことには成り立たない職業です。
コロナ禍ではどうしても対面をすることが敬遠され、それが世の中が当たり前になっていくとしたら、僕たちの仕事は、美容室というものはどうなるのか、この頃常にそんなことばかりが頭の中を巡っていたのをいまだに覚えています。

3、こんな言葉に救われた

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緊急事態宣言中はずっと前章のような感じの日々を過ごしていましたので、何もできることがなく、ご来店下さったお客様に全力で感謝をしつつ期待にお応えをするのみの受け身な状態でした。

そんなネガティブな感情の中でようやく無事宣言が解除され、少しずつお客様が戻ってきた頃、何気ない会話の中でこのようなお言葉をいただいたのです。

こんな状況だけど美容室には行かないとダメね
「え、どうしてですか?」
髪は自分じゃ切れないもの
「そうですよね(確かに)」
それに美容室に行かないと元気が出ないわ
髪を切ることは世間から見たら不要不急かもしれないけれど、女性は常に綺麗でいたいと思う気持ちをなくしたらダメなのよ、だから美容室は不要不急じゃないのよ


この何気ない一連のやりとりですが、美容室という仕事がどんな立場に置かれているのかをお客様から教えてもらったことで僕の視界が大きくひらけたような気がしました。と、同時に僕自身が美容室を不要不急の立場に勝手に置き「お客様から必要とされないかもしれない職業」だと少しでも想像をしてしまったこと少し申し訳なくもなりました。

この言葉のおかげで美容師という仕事に改めて誇り持てるようになり、これからも「綺麗になりたいという気持ち」に少しでも寄り添い、応えていける仕事をしていこうと決心した瞬間でした。

まとめ

こんな取り留めもない話を今回はさせていただきました。

まだまだ予断は許されない状況なのは変わりがありません、コロナによって辛い思いをされている方もいらっしゃるかもしれません。
この時期に相応しくない記事かもしれませんが、私たち美容師はそれでもお客様の「美」に携わっていきたいと心の底から思っています。
髪を切ることで心が軽くなったり、少し元気が出たり、人と話をしたくなったり…
ただ髪を切るだけでの仕事ではないということを是非知っておいて欲しいのです。

ご来店を控えてくださっているお客様にもいつかお会いできる日を心から楽しみにしています。

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