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30代独身オタク、マンモス団地に棲む

 どうも、おたくです。
 会社の近辺にねぐらを構えていましたが定期借家の契約が満了する(のと家賃がお高いのと電気給湯器という文明に限界を感じた)ため、社の近隣に住むことが条件の家賃補助という恩恵を捨ててURに引っ越したので、これからUR団地に一人で住もうとする人へ何かしらの足しになればと思いしたためます。

新居の条件

  • ひろい(前が38.8平米くらいだったのでそれ以上)

  • 今より安い家賃

  • 鳥を飼える

  • ガス給湯

  • 社へチャリ通可能

 おたくは荷物が多い。もしかしたらミニマリストなオタクもいるのかもしれないけれど、生活に必要な私物を削ったところで推しは物理ででかいグッズを出してくる。今年なんかはくそでかい絵馬を買わされた。従って面積とか収納は必須である。

 あとコロナ禍によってとりが飼いたくなった。欲を言えばベンガルワシミミズクと暮らしたい所存だったが、実家でセキセイインコを多頭飼いしていたオタクが孤独の中でせめて近くにあってくれと望んだ別のいのちが小鳥だった。
 シロハラインコとかいう陽キャの鳥にも心が惹かれたがそんな財はないので、手始めに一度は暮らしてみたかった文鳥から迎えたい。ので鳥と暮らせる家がよい。

 ガス給湯への希求は切実で、電気温水器なんてものは電気代が格安だった時代の悲しき遺産である。使用量は限られるわ毎晩しっかり全量の湯が沸かされるわで恐ろしい電気代をみた。具体的には3万とかみた。一人で。
 当然使った湯量を補充して沸かし直す分、電気代が比例するので間違っても湯船を張れない。そう、自宅で湯船に入れないのである!いのちには関わらないがせめて冬至や雨に濡れて帰ってきた冬くらいは湯に浸かってもバチが当たらないと思う。
 ガスの方が安いと思う日がくるなど学生時代の一人暮らしの私なら信じないだろう。

条件に合う民間の物件なんてないのよ

 ない。ついでに言えば大家へのヘイトが溜まっていたのもあり世の中のすべての不動産収入者に対して礼金を払いたくない気持ちになっていた。すまん。
 会社への徒歩出社は捨て難いが、会社が皮肉にもいい立地にあるせいで近隣に住もうものなら25平米が妥協ラインになる。無理。でかい絵馬とかでかい立方体と一緒に寝る羽目になる。

でも条件に合う物件がある。そう、URならね。

 元々同い年の友人がひとりでURに住んでいたことがあり、団地って家庭が住むレベルの賃貸じゃないの!?と興味がわきURについて詳しく調べた。特に魅力的だったのは部屋の魔改造について規定があって、その範囲であれば部屋の模様替えが自由だという。神か?
 なんでも長く住んで欲しいからというコンセプトらしいが、後日このルールを使い必要に迫られて自前でモニター付きインターホンと温水洗浄付き便座を用意した。おいおいエアコンも買うだろう。そうなれば頼まれなくてもしばらく居座りたい。
 ちなみにURには入居にあたり色々と条件がある。一番最初に考慮するであろう収入等の制限であるが、URは上限でなく下限である。だから友人の一人暮らしに驚いたものだが、よくよく見てみれば貯金か月収どちらかがクリアしていればよいようだった。ぶっちゃけ弊オタクに貯金は全くないのだが、月収はありがたいことに条件を満たしていた。20代のときにがんばってよかったね!

いいことだらけじゃない

 前述したが条件を満たすURの部屋は昭和のマンモス団地である。リフォームの関係で4階より最上階のほうが安いとかいうバグにより最上階に入居したが、インターホンの受話器が電話のアレだけであった。当然オートロックなどついていないので誰でも直ピンポンし放題である。
 パンの押し売りと宗教の勧誘がきていよいよモニター付きインターホンが必要であると踏んだ。ちなみに一人暮らし歴およそ13年にして初めての宗教の勧誘だった。何が救ってくれるっていってたか忘れたけどペンギンこそ至高の生命体、ペンギンのみがすべての苦悩を解決するのでお前もペンギンを信じろと語ったが結構ですといわれた。

インターホン買ったことあるか?俺はあるが。

 モニター付きインターホンであるが賃貸契約の定めによれば、非常ボタンがついていれば原状回復義務が免除されるらしい。つまり放置していける。
 ところがこの非常ボタン付きというのはなかなか大手の家電量販店ECにない。冷静に考えれば非常ボタン付きを買う顧客って借りる方じゃなくて貸す方である。そら市場にそう無いわ。
 このボタン、設定すれば管理人室やらに通報がいくようにもできるそうだが、何もしなければ玄関外側の子機で警報が鳴るという。煽るんだ、直接不審者を・・・!
 ちなみに弊団地の管理事務所は17時だか16時だかに閉まるのでつまりボタンいらんくね?と思うのだが、退去する際にまた取り外して前のを残しておいたやつを〜なんて面倒なので諦めた。ボタンの分ちょっと高いが仕方ない。

くらマでおじを召喚

 クラマって30代おたく的には思うところのある響きだが、くらしのマーケットで専門おじを召喚しインターホンを取り替えてもらった。

 これのおかげで家電量販店でブツと工事費をセットで頼むよりも幾許か安く済む。ありがたい。ただ部屋に自己責任で人を呼ぶことになるのでレビューを熟読し名前をググるなどリサーチは必須になる。でもオタク、そういうの慣れてる〜。マジ僥倖〜。

 インターホンは旧親機が受話器の縦長だったために横長の新親機をつけてもらったところ貼られてない壁紙部分が露呈した。思いがけない壁の素肌。
 工事してくれたおじさんは随分と気にして、ここだけ壁紙貼るとかしてもらうしか……とか言っていたが正直壁紙も壁の素肌も白いので目立たんくね?どうでもよくね?という気持ちだったが言われるほどにそうかもなと思いスマホほどの面積もない部分を埋めるために壁紙を買った。クソ高かったし面倒なのでまだ貼ってない。

ウォシュレットなしの生活には戻れるが気持ちは良くない

 部屋は間取りが5畳間とたしか11畳くらいのリビングとなっていて、リビングの方にエアコンがついているが寝室にする5畳のほうにはない。こちらは入居前に後々エアコンがつけられるようにとコンセントの交換をお願いしておいた。
 ここ数年の猛暑でエアコンが喫緊の出費となる覚悟であったが、なんとリビングのエアコンの冷気が扉を開けてれば十分に回ってきてくれた。ちなみにであるがベランダと玄関・キッチンの窓・浴室の窓がほぼ直線上にあるため開放すれば風通しが恐ろしいほどいい。最上階なのも相まって強風まである。最高。なのでエアコンは一旦置いておくとして出費はウォシュレットにまわした。
 便座の取り替え自体に事案はなかったが、コンクリ壁に穴を開けると退去の復旧費がやばいですよ!といわれその場では壁掛けリモコンはつけてもらわなかった。あとから事務所に確認したら便座の備品よな?じゃあつけて良いぞ?といわれこれがめちゃくちゃ後悔することになる。

洗濯機は風呂へ排水

 これが一番転居時の鬼門だった。

床から25cmくらい底上げしなきゃいけない

 排水口の穴がこの高さにある。排水ホースは上から下へ流れるようにしないと排水が逆流するので、必然的に洗濯機を嵩上げしなければならない。
 これに関しては 団地 洗濯機 かさあげ とかで検索すると先人たちの涙ぐましい創意工夫を参照できる。普通に台車を購入する人、ダンボールで洗濯パンを自作する猛者、穴のあるコンクリートブロック半分サイズを積み重ねる人・・・。ちなみにであるが市販のかさあげ台はせいぜい上げられて10センチほどのため足りない。

 結論から言うと私のソリューションはこれである。

摩擦と重心で差をつけろ

 コーナンで売ってた20センチ角のピンコロ+7センチ分のゴム台のあわせ技である。荷重の跡が怖かったのでシリコンマットも敷いた。この石、家まで運んでくるのが一番つらかった。

 ベースブロックを積むという手もあるがあまり多重にしたくはない。
 それはさておきドラム式洗濯機のため自重がまずそこそこにある。なので稼働音もそれなりに出る。出るのはなんでか。揺れるからである。なにが揺れてるかって一枚の洗濯パンに乗せるからあっちに重心、こっちに重心と機体が揺れてダンスフロアたるパンからも音が出るのである。そんなら圧力を分散すればいいので4つ足それぞれに台を用意し、コンクリであるのと高さが足りない分の摩擦と嵩をゴム台に任せた。
 今のところちっとも足がずれてもいなければ音も極めて静かである。見た目も妥協できるラインだし床掃除も容易なので最適解だったのかもしれない。

快適なくらしを求める画策はまだ続く

 11月になって満を辞して文鳥のひなを迎えた。
 ひなからの生育は初めてなので保温にケージレイアウトにと試行錯誤は続くがそれはまた別の記事で。今とりは首を背に回して寝ている。まるい。かわいい。

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