「これが分からないなら刑務所へ」上司の代わりに社会の仕組みを教える裁判官(道路交通法違反) 傍聴小景#65
会社員時代はずっと営業マンだったこともあって、多少「営業」という仕事について思うところがあります。
特に気になる言葉が、「私も営業ですから」というセリフ。これを単に粘り腰って意味でいうなら、まぁ頑張ってねと思う程度で済むし、まぁそれは当然だと思う。
でも、「よく商品のことはわかんねぇけど、「いいものですよ」って言い続けるしかないっす!自分、営業なんで!」みたいな意味で、ただ引かないことが営業だと思っているタイプの面倒臭さといったらない。
裁判でも、自己弁護のつもりなのでしょうが、「会社のため」「お客様のため」という言葉で動機の犯罪性を薄めようとお考えの方がいますが、根本がどうもずれている方が多いように感じます。
なんかこういうの、事件の規模に関わらずちょっとイラっとしちゃうんですよねぇ…
はじめに 〜車を使った仕事中の違反?〜
被告人は、細身で髪を短く整えており、目つきがややキツめでなんとなく体育会気質を備えていそうな方。スーツを着て入廷しました。
同じくらいの年齢の男性と話しながら入ってきて、その人は傍聴席に座ったので、会社の関係者かと思われます。ということは仕事中の違反?
事件の概要(起訴状の要約)
別の裁判の話ですが、「原付の無免なら罰金で済む」という謎理論で、裁判を行っている期間中に無免で乗り回していて罪をオンさせていた方がいたのですが、似たような理由なのでしょうか。
それにしても、③の理由も気になりますし、単純な無免の話でもなさそうです。
検察官が提出した証拠類 〜そんな麺なら伸ばしちゃえば?〜
キターーーーーーーーー!
中華麺を伸ばしちゃいけないから無免許運転だぁ?そんな状況下であるなら、麺など伸ばしてしまえ。それにプラスして一通無視も加わってるんだから、相当に交通法規への意識は弱そうな方ですね。
証人尋問 〜料理の才能を見せる被告人〜
法廷に一緒に来た男性が証人として立ちました。その飲食店の店長で、かつ被告人とは10代のころからの友人だそうです。
縦にも横にも大柄で、熊さんみたいな人。その見た目の雰囲気同様、日頃からおおらかなのでしょうかね、なんか緊張感に欠けています。
うるせぇな笑
友人としてはいいけど、裁判の証人としてはかなり危ういだろうに。
たまに被告人が、半笑いで供述してて「何がおかしいんですか!」って怒られるケースはあるけど、証人である今回はなかったですね。
笑ってるってのがヘラヘラしているというか、「いやぁ、さすがにいい大人なんでもうやんないっしょ」って感じで...う〜ん、ヘラヘラだな、馬鹿にしているとは感じないんだけど、複数やっちゃってる重さはあまり感じていない様子。
検察官からはもう少し突っ込んだところを聞いてきます。
最後はちょっと力を入れて頭を下げる証人。
友人としてか、雇用主としてか、それとも単に戦力として抜けられたら困るのかわかりませんが、最後の言葉は何か人を守りたい意識が乗った言葉でした。
しっかり管理するタイプじゃないけど、いい上司なのかもと感じました。
被告人質問 〜どうせ無免で運転すんだから免許は取れ〜
さて、40年来の友人であり、かつ上司に出廷をさせ、頭をしっかり下げさせたのですから、被告人からどんな言葉が出るのか気になります。
なんとか50代らしい威厳を見たいところです。
と前フリをしているわけですから、当然威厳など見えなかったわけで。
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