VSCode+Git bashの設定

Windows上で使用できるターミナル(コマンドプロンプトやPowerShell)は、MacやLinuxのターミナルとコマンドが異なるので使いにくい。MacやLinuxのターミナルはPOSIX準拠といって、ほぼ同様のコマンド等が使えるようになっている。ので、WindowsにもPOSIX準拠のターミナルを入れたい…という話。

アプローチは大きく二つあって、一つはWSL(Windows Subsystem for Linux)というWindowsの機能を使ってLinuxをWindows上にインストールしてしまう方法。Windows上のターミナルからLinuxそのものが使えるようになる。もう一つは、WindowsにPOSIX準拠のターミナルソフトウェアをインストールする方法。後者のほうがWindows上のファイルの扱いは容易なので、ターミナルソフトウェアをインストールすることにする。

Git Bashのインストール

Windows用のターミナルソフトウェアにはMSYS2など色々とあるが、ここではGit for Windowsに付属してくるGit Bashを使うことにする(なお、Git Bashの中身はほぼMSYS2)。バージョン管理システムである“Git”はコーディングやプログラミングをするならいずれにせよインストールすることになるので、ついでにインストールされるターミナルを有効活用する。

インストーラを[ここ]からダウンロードして、標準の設定でインストールするだけでGit Bashがスタートメニューに追加される。インストールに関する細かい画面とか見たい人は[ここ]を参照のこと。ただし、「Adjusting Your PATH environment」では先頭の「User Git from Git Bash only」を選択したままでよい。

VSCodeの設定

で、このGit BashをVSCodeから使えるようにする。
VSCodeを起動して、Ctrlキーを押しながらコンマを押す(Ctrl+,)と「設定」タブが開く。右上のほうにある「ファイルに矢印の付いたマーク(下図の一番左)」を押すと、さらにsettings.jsonというファイルがタブで開く。

キャプチャ

settings.jsonには { } の間に色々と設定が記述された状態かと思うが、その中ほどに以下の二文を追加する。末尾に追加してもよいが、その場合は、一つ上の行の最後にコンマを追加することを忘れずに。

"terminal.integrated.shell.windows": "C:\\Program Files\\Git\\bin\\bash.exe",
"terminal.integrated.shellArgs.windows": ["-l"],

Ctrl+Sでsettings.jsonを保存するとVSCodeを再起動する。起動したら、Ctrl+@を押すとVSCode上でターミナルが起動する。もし、この時点でターミナルがまだコマンドプロンプトやPowerShellになっている場合は、以下の図で「1: bash」となっている部分(おそらくpowershellなどになっている)の右側の「∨」マークを押すと「bash」という選択肢があると思うのでそれを選ぶ。

キャプチャ


環境変数の設定

POSIX準拠のターミナルを使用するようになると、「ホームディレクトリ」という言葉が登場する。ターミナルで単に「cd」と入力してEnterキーを押すと移動するフォルダのことである。Windowsの場合、何も設定しないと「C:\Users\<ユーザ名>」になるが、そこ以外で利用しているワークスペースがあるならホームディレクトリを移動しておくと便利である。

ホームディレクトリの指定は、Windowsの環境変数HOMEにパスを指定すればよい。Windowsの旗マーク→⚙から「Windowsの設定」を開き、「設定の検索」フォームに「環境変数」と入力すると「環境変数を編集」という候補が出てくる。開いたウィンドウの上半分が「ユーザ環境変数」になっているので、そこの「新規」ボタンを押す。

キャプチャ

このような画面が出てくるので、変数名を「HOME」、変数値をホームディレクトリにしたい場所へのパスにする。

設定したら、ターミナルを開いて「cd」と入力してEnterキーを押す。そこで「pwd」と入力してホームディレクトリに設定したPathが表示されたら成功である。なお、Windowsではフォルダの区切りが「¥」になるが、Git Bashでは「/」になる。「ls」と入力するとそのフォルダにあるファイルが表示される。

なお、本来はターミナルを起動したら最初にホームディレクトリから始まるのであるが、VSCodeからターミナルを起動すると「C:\Users\<ユーザ名>」から始まる。最初に儀式のように「cd」コマンドを打ってホームディレクトリに移動する必要がある。

.bashrcの設定

ターミナルの諸々の設定は「.bashrc」というファイルに書き込む(色々と流儀はあるのだが)。先頭がドットで始まるファイルもVSCodeなら普通に作成できる。VSCodeで新規ファイル作成(Ctrl-N)し、ひとまず以下の内容を打ち込んで「.bashrc」という名前で保存(Ctrl-S)する。保存先はホームディレクトリを選ぶこと。

alias ls='ls -F'
alias ll='ls -l'
alias la='ls -a'
alias lla='ls -la'
alias rm='rm -i'
alias mv='mv -i'
alias cp='cp -i'

ターミナルを一度閉じて(ターミナル上部の右端の☓ボタン)、Ctrl-@で再びターミナルを起動する。

ターミナルで「ls」と打ち込むとファイルやフォルダが表示されるが、フォルダの後ろに「/」が付くようになる。また「ll」と打ち込むとファイルやフォルダの詳細が表示されるようになる。

.bashrcでの設定は他にも色々とあるが、必要性が出てきたらその都度更新していけばよい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?