おお実務

おお実務

おお実務　宇宙の外側に座す観念を　我が身から招き入れ

強く揺るぎなく　実在に働きかける　その恐ろしい力

おお実務　虹色に瞬きながら　明滅する幻を鷲掴み

この世に叩きつけ　荒々しく拓を取る　その野蛮な力

規律の王たる時空が統べる　あらゆる約束　契約　因果関係に向かって

誰にも聞こえぬ絶叫と　誰にも見えない棍棒で　襲いかかること　実務

書き換え不能の物語を　取り消しの二重線と　追記　注記でかきむしり

獣をさらに獣に　人間をさらに人間たらしめるもの　実務

心に描いた絵空事が　ただちに実現する世なら

こんな苛立ちはなかった　こんな痛みは生まれなかった

全てのことが何度でも　やり直せて　繰り返せるのなら

こんな責め苦はなかった　こんな重荷は生まれなかった

だからこそ実務　今出し抜けにお前の腕を取り　引き寄せて抱きしめよう

いつまでも共に生き　戦いの陶酔に身を投げよう　この心は焦りと恥に
喜んで抉らせよう　その代わりに

大地に無名の焼印を残そう

やがて木陰でしばし休むとき　実務　お前が大声で俺の名を呼びながら駆けてくるならば

苦笑いしてそれに応えよう　今がその時だ