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2022年10月2日の乾杯

2022年10月4日の乾杯、今回はふたりが本当に久しぶりに同じ舞台を観たその感想を交わします。APOCシアターで上演されたCOLLOL『可視化歯科鹿しかし歌詞菓子貸し華氏』、作品のこと、舞台から訪れるもののこと、作り手や演じ手たちのこと、更には劇場のことなど様々に話がはずみました。

👨演劇のおじさんと
👩おねえさんです。よろしくお願いします。
👨お願いします。なんか久しぶりですよね、劇場でお会いしたというのも。
👩そうですね。ほんとうに久しぶりに劇場へ舞台を観に行かせていただきまして。COLLOLさんの、作品名は・・。
👨かしかしかし、
👩そう、かしかしかし
👨うふふふ、ちょっと待ってね。正確に・・・。『可視化歯科鹿しかし歌詞菓子貸し華氏〜King Learより』
👩なんかあれでしたね、リア王のお話。
👨そうですね、元々はリア王のお話を、いろんなパーツをバラバラに組み上げて作っていくみたいなお話でしたよね。
👩うんうん。まず、まずですけれど、面白かったですね。
👨うん、面白かった。
👩そう、面白かった。なんかすごく考えさせられる舞台だっだし、その、なんだろ、自由度が高い。受け取り側の自由度が高いから、
👨そう、自由度が高いというのは間違いなくあって。
👩私、COLLOLさんは初めてだったのですけれど、なんか、けっこう革新的なじゃないけれど挑戦的なことを、公演を、良くされているなあという印象だったんです。いろんなことを。
👨私ってここに関わる人はいろいろに、昔から観ていた団体ではあったのですよ。
👩はい。
👨演出家を3人擁する演劇ユニットでね。その中のひとり、田口アヤコさんがお子様ができるとかがあって、一時期お休みをされていたんですね。
👩へぇ、はいはい。
👨で、女の子を授かられて、また活動を始められたみたいで。
👩あらあら、そうなんですね。
👨ええ。で、あそこは音を作られていた江村桂吾さんもしっかりと関わられていて、彼は今回の舞台でもスチールドラムっていうのかな、音を出したりもしていらっしゃいましたが。
👩ああ、出していらっしゃいましたね。
👨彼には、独特の音というか音空間を編む才能があって。昔東京オレンジの音楽監督をされていた時期もあったはず。あと、角本敦さんもユニットの演出のひとりとして名を連ねていらっしゃって。
👩角本さんというのはどういう方なのですか。
👨COLLOLは3人の演出家がいらっしゃる団体なのですよ。で、私が存じ上げている彼はd’UOMO ex machinaという団体でお芝居を作られているかたでもあって。
👩今もやられていらっしゃるのですか?
👨ああ、どうだろうなぁ。もう10年近く前になるけれど何度か公演を拝見していて。ただ、今もその団体での公演を続けていらっしゃるかはわからないけれど。
👩うん。
👨彼も古典などを題材にしつつ尖ったお芝居を作られる方で。
👩はい。
👨これって今更言っちゃってよいエピソードかどうかわからないのですけれど、昔絵空箱での公演を観に行ったときにけっこうご立腹で。なんか、表現のために大音量が欲しかったらしいのですね。
👩はい。
👨そうしたら、通りを隔てた居酒屋さんからさすがに勘弁してくれとクレームが来たらしい。
👩うふふ。どこまで大きな音を出したのかと。
👨実際に本番でも相当の音だったけれど、それでもご本人はまだ足りないとかおっしゃっていたのね。
👩うふふふ。
👨こう、その時のなにかを表現するための彼の描くことへの姿が今でも印象に残っていて。それはしっかりと彼の感性に裏打ちされた理のあることであるようにも感じたし。べたな言い方だけれど常ならぬほどに鋭くビジョンを持ったセンスをお持ちの方なのですよ。まあ、この3人でなにかを作るというユニットだったら、それはもういろんなことができるのだろうなぁと。
👩うん、そうだし、私は個人的に、前にもちょっともお話ししましたけれど。東京ディスティニーランドさんという方、なんか観てみたら、あれですね。多分もう演劇の劇団とか・・・。もともと私がよく見ていた時には劇団には出ていらっしゃらなかったのですけれど、ここ最近はでていらっしゃったのかな、よくわからないですけれど。今は劇団という形で出るのはCOLLOLとあと一団体、もう一団体は劇団というのかよくわからないですけれど、劇場で劇団の作品に出るというのは多分もうないと思うんですよ。
👨ああ、なるほど。
👩もうその、東京ディスティニーランドさんという方が、彼は一人芝居なんかをやっていらっしゃる方なのですけれど、彼がリア王とかをやっていらっしゃったけれど、やっぱり凄かったなぁと。いやぁ、おもしろかった。
👨うん。あのさ、冒頭の部分で中央のおざぶに座って前面客席の空間をあしらいながら「片棒」をやってらしたじゃないですか。
👩ああ、やってらっしゃいましたね。
👨あの「片棒」は見事でしたね。
👩うんうん、うん。
👨あのさ、語り口がしっかりと粋な江戸前なのよ。先代になるのかな、金原亭馬生師匠という噺家がいらっしゃったのね。十代目というか。要は古今亭志ん生師匠のむすこね。志ん朝師匠のお兄さんというか。
👩ああ、はいはい。
👨その先代の馬生師匠を思い出させるような江戸前の語り口でね、なんだろ、噺の緩急とかキーになる部分のメリハリがすごく粋なんですよね。
👩うんうん。
👨ちょっとくずしたり、べらんめぇみたいなところもあってね。
👩はいはい。
👨馬生師匠の師匠は当然に志ん生師匠なのだけれど、かれの録音を聴いていても、こう噺を演じつつ縛られず場を作ってみたいなところもあって、まあ「黄金餅」の道中付けを間違って、それでもその流れとか勢いがあって観客が引き込まれてしまうみたいなところがあったらしくて。で、その先代の馬生師匠に私はギリで間に合ってそれこそ学生で東京に遊びにきたり就職して間もないころに何度か高座を観たことがあるのだけれど、彼の場合も端正な中にもそういうライブの呼吸やふらにもすごく惹きつけられたのね。その感じを今回の東京ディスティニーランドさんにも感じて。もう冒頭の落語を聴いただけで、よい俳優だなぁというかよい表現者でもあり芸人でもある方だなぁと思ったのね。
👩ああ、そうですね。そうそう、よい表現者ですよね。その、ほんとうに魅力ある、その、なんていうのですかねぇ、決して好かれるばかりではなくて、ちゃんとしっかりと毒があるところが私はすごく好きで。その、薬もある種毒じゃないですか。その毒になるか薬になるかは量だったりとか摂取量だったりとかだと思うのですけど、その観るたびになにがしかの影響されるというかもらうものがある、それがプラスなばかりではないところが好きなんですよ。プラスのものだけをもらえるわけではなくて、なんだろうな、観劇人というか演劇を観る観客を観客のままではいさせないという、しっかりと関わらせる、巻き込む、ここは演劇を作る場で一緒につくっているじゃないけど・・、一緒につくっているとかじゃないのかな、なんかちゃんと怠けさせないですよね。観客を怠けさせない表現者だなぁと思っていて。いやぁ、よかった。ほんと毒もあり薬部分もありみたいなのがとてもよかったな、私は。
👨なんか私が観ていてすごく思ったのは、一番目には、凄く強いウィットのセンスや精神を彼ってもっているんですよ、きっと。
👩うん、そうですね。
👨洒落心っていうの。
👩はい、そうですね。
👨だけど、その洒落心っていうのは、すべての人を笑わせるくらいのなまくらな洒落心ではないんだよ、きっと。
👩うんうん。
👨もっと研がれていて、だから洒落もある人にとっては刃物にもなるし、ときにはそういうお芝居が人を傷付けたりもするじゃない。
👩うん、そうですね。
👨それくらいまで研がれているぎりぎりのところで、でも今回は団体としての舞台作品だから、そのフォーマットの中でやっているという感じもしたのね。
👩うんうん。
👨開演前のパフォーマンスの時には小道具の剣で遊んでいたりもしたじゃない。おでこバットみたいなことをしたりとかしてさ。
👩うん。
👨それ以外にも他の俳優同様に場内を徘徊しながら回ったりもしていたし遊んだりもじゃない。
👩はいはい。
👨それは、見方によっておバカだったり尖って感じられたりといろんな印象になるのだろうけれど、好き嫌いは絶対出るだろうなぁって思ったのね。
👩うん、そうですね。
👨でも、その好き嫌いこそが、彼の・・、おねえさんも今おっしゃっていたけれど、そこに生まれる好き嫌い自体が彼の魅力なのだろうなぁって思ってもいて。
👩うん、そうそう。そのどっちもあるってしっかりとパワーというか。その、毒にも薬にもならないっていう言葉があるじゃないですか。
👨ああ、はい。
👩なんか、あることだと思うんですよ。ありがちというか。そうなってしまうのは嫌なのだけれど、彼の場合はそこがすごく研がれていると思うのね。
👨まあ、毒にもなれば薬にもなるぞっていう。
👩ああ、そうそう。うふふ。で、なんかけっこう衝撃的だったのが、七味まゆ味さんと東京ディスティニーランドさんの共演というのが。やっぱり七味さんがリア王の次女だったじゃないですか。 
👨はい、
👩いやぁ、素晴らしかったねぇ。素晴らしかった、惚れ惚れしちゃった。
👨まあ、七味さんはねぇ。柿喰う客のなかでもちょっと独自の色を醸していますよね。
👩やっぱり、芝居がさ、すごく正常だし丁寧なんだけれど大胆で、いやぁよかった。もうぐっと来てしまって。
👨あのさ、どういえばよいのだろう、彼女は場の中にいるというとことからは何一つ外れていないんですよ、一切。にもかかわらず、ちゃんと場から突出しているんだよね。
👩そうそう、そうなの。そうなのよ。あと、観ていてすごく安心したぁ。
👨あはは。あの、彼女が客演しているのって続けて観ていて。この間のTAACにも彼女は客演していて。
👩へぇ、うんうん。
👨で、やっぱり彼女がひとり入ると、例えばそれが家族の話であっても概念で語られる物語ではなくなって、舞台の上におかれるものに血が通うんだよね。彼女がひとりいるだけで。
👩そうですね、うんうん。
👨それも一方的に血が通うんじゃなくて、醒めたところと深く血が巡るところが両方出せるのよ、彼女は。
👩うん、うんうん。いやぁ、すごくわかる。
👨まあ、私は開演前に少々粗相をしてしまって、チラシを一枚舞台スペースに落として徘徊している彼女に拾ってもらい、ついでに遊んでもらいましたけれど。
👩あははは。
👨その時の返してもらい方もちゃんと舞台の空気を纏っていて、今更ながらにいい俳優だなぁって思いましたけれどね。
👩いやぁ、よかった。その、リア王が倒れていてそれに三女が声をかけるというシーンをみんなやるんですよね、俳優を変えてね。
👨はい。
👩その時の七味さんが私はものすごく好きで。
👨ああ、はいはい。
👩ほんとうにこう、丁寧でね、なんかね、今いいものを観ているという気持ちにすごくしてもらえて。
👨多分あれって、普通に一番心を預けられる女性っていうのは西尾美鈴さんだったとおもうんですよ。その、ノーマルな感じでリア王3女をやると彼女の感じかなとも思うんですよね。ただ、それを七味さんがやると全然違う新しい印象が紡ぎ出されて、新しいニュアンスを観ることができるというのも間違いなくあって。その、観る側のシェークスピアの世界の印象とか解釈がまた変わりますよね。
👩うん、そうですねぇ。しかもなんか、今回の作品は後半のところとかで東京ディスティニーランドさんが演じるリア王が亡霊みたいな感じになって、「そう見えているのか」とか、こうなんかいろいろいっぱい重ねていくみたいなシーンがあったのだけれど、なんかね。今この場だけではなくて、その作品、リア王という作品に対して。シェークスピアの作品っていろんな風に世界中で公演が打たれているわけじゃないですか。
👨はい。
👩その場所場所で、多分いろんな見え方とか演じられ方、演出のされ方がされていて、なにかそれに対するもののようにも私は思えて。というか、そう思えて。
👨そうだね。で、その辺は多分作品への田口さんの色使いというか視点といか作り方かなと思えて。彼女のそういう作り方なんですよ。
👩ですよね。絶対そうだろうなと思って。絶対に意図されているだろうなって。なんかその、今この場で観ているものだけれど、凄くこうシェークスピアのことを考えたりとか、いろんなところでいろんな時代で行われてきた、今まで演じられてきたシェークスピア、まあ今回でいえばリア王のことを思う。で、昔観た、自分が昔観たほかの演出のリア王とかのことを思い出すような。今この場に、APOCシアターにいるけれど、この場所に、小さな・・というとあれですけれど小ぶりな劇場にいて、いるんだけれど、心を外側に連れ出してくれる。過去とか未来に行われる公演とかに心を跳ばせることができるような、世界観がすごく広がりのある良い舞台、好きな舞台でしたね。
👨うんうん。
👩なんか今ここにあることで、今目の前で起こっている生活の舞台でもあるじゃないですか。日常のなかのどこかを切り取ったような舞台もあるけれど、そういうものとはまた違う、なんか想いを馳せることができる、今までやこれから、あと自分が生きていない時のことまで心を、想いを馳せることができる。考えることが出来る。いやぁ、もちろん人を選ぶとは思うんだけれどさ、
👨うん、そうだね。
👩もっといろんな人に観てほしいですよね、これ。なんか映像でやってほしいなぁと思った。
👨なんか、一度だけリアルタイムに配信する回があったみたいだけれどね。
👩ああそうなんだ。
👨だから映像にはのこったのだろうとおもうけれど、だけど、あの空間を映像に落とすというか切り取るのはさぞやむずかしいだろうなぁとも思って。
👩そうですねぇ。
👨だけど、私はあれを観ていてさ、あの中にサザエさんがでてくるじゃない。
👩ああ、出てきますね。
👨だけど、結局リア王という物語とサザエさんの世界が出てきた時に、そこの世界の中で人が生きるという感覚からすると、違和感がないんだよね。
👩うんうん。
👨その世界にサザエさんが普通にとりこまれていたじゃない。
👩なんかね、父とは母とかその遺産みたいなところがね。
👨それは一番最初の「片棒」だって、まああの噺っていうのはどこかリア王の設定に似ていてね。
👩うふふ、うん、そうですね。
👨まあ、三人の息子がいてというあたりからそっくりじゃないですか。
👩うん、そっくり。
👨それにしてもそうだし、なんだろ、ある切り口からの普遍というものって田口さんは見ているのだと思うんだよ。
👩うんうん。
👨その中に人がこうあった時にこうなるみたいなね。
👩うんうん。
👨それは、リア王のパーツを切り取って表現することでもできるのだけれど、その中にサザエさんとか片棒を詰め物にして見せてもらえると、単なる普遍というものではなく、新たな膨らみをもった感覚としてそれを見せてもらえている気がするのね。
👩うんうん、そうですね。
👨それが、単なる対面だったりプロセニアムの劇場空間であったら、ただ概念の広がりというかそういう物語を観ましたでおわってしまうのだろうけれど、あの囲み舞台というか360度客席舞台、
👩うふふふ、はい。
👨その輪の中に江村さんがいて音を作っているみたいな雰囲気だと、それをストーリーとして頭の中で自分の感覚に戻して感じるのではなく、より体感的な部分でそのままに渡してくれるじゃないですか。
👩ああ、そうですね。
👨そう思うと、あの空間から訪れるものって、セリフでエピソードを積み上げている部分もあるのだけれど、感覚としてはすでにダンスにちかいものがあって。
👩確かに、確かに。ダンスに近いはすごくわかるな。
👨それは音楽にも近いし、ダンスにも近くて。
👩うん、だから映像に残してほしいというか、いろんな人に観てほしいから消えてほしくないからっていう気持ちもあるけれど、あれこそ体験しないとですよね。
👨そう
👩あれは体験だ。
👨皮膚感覚でないとわからない部分が多々あるというか。
👩映像で観たら多分、観ていない人が映像で急に観てもわからないところがすごくいっぱいあると思うから。その、本質的に伝わらない部分があるような気がしますよね。
👨うん。一番最初に出演者たちが出てきてうろちょろして・・。
👩開演前にね。開場中に。
👨そこで、観客はそうやって掘り起こされているような気もするのね、その感覚を。
👩うんうん。
👨観客がその感覚になじむみたいな。空間の広さにしてもそうだし、皮膚感覚にしてもそうだし。あと、あの劇場って上がすごく高いじゃないですか。
👩うんうん、天井がね。
👨そう、天井が。そうすると劇場の音の降りてきかたとかがあって、そうするとその中で語られる台詞の響きとかもわかるというか受け取りやすいから。で、それは客席と対面の舞台からやってくるものとは明らかに違うので。
👩うん。
👨だからこそ、そうして田口さんが仕掛け俳優たちが演じたものが、はじまると観る側にそのままに伝わってきたようにも思うのね。
👩うん、うんうん。
👨それは、いろんな方がいろんな形でやられていることなのだろうけれど、演劇において物語を追うというのはその要素のひとつに過ぎなくて、
👩はいはい。
👨どうやってその中で感覚を引き出され、あるいは渡されていくかというのはあって。それは映像というか観劇三昧のことを話した時にも言ったかもだけれど、演劇にとって大切なことだけれど映像で追いつくとは限らないみたいな話もちょっとしたとおもうのですけれど、そことも通じるところもあって。
👩うんうん。
👨そう考えていくと、ベタな言い方だけれど、観る側の感覚をすごく研いでくれたお芝居だったなという気もしたのね、私は。
👩うん、そうですね。
👨いい体験でしたよね、あれは。
👩うん、とても。とてもいい体験だった。観ることが出来てよかったですね。
👨ええ。しかもあれだけの客席というのは贅沢ですよ。
👩うふふ、確かに。
👨だけど、APOCってときどきあるよね、そういうふうに尖ったお芝居をするところって。
👩あります、あります。ありますよね。
👨あれね、空間に魔物がいるんですよ。
👩うーん。
👨あの、終演後、音関係の方と、十分距離をとってマスク越しに少しだけ言葉を交わしたけれど。やっぱり魔物はいますよねってお話をしていたので。
👩私も立ったことがあるんですけれど。あそこ面白い。名前だけでは記憶がなかったのですけれど、どこだって思っていたんですけれど、行ったら思い出しましたね。
👨あはは。。
👩あそこは面白いんですよねぇ。不思議、ほんとに。
👨そう、今回でもそうだけれど、楽屋から階段をあがったところはもう舞台じゃない。俳優の方の緊張感も袖にいる時間がない分だけ違うのかなぁとか想像したりもして。
👩うふふふ。
👨あと、観客にしても、1階のカフェからあの狭い階段を上がっていうことで、なにか異次元に誘い込まれるような感覚ってあるんですよね。
👩あぁ。
👨あと1階のカフェって、今はコロナの影響で休止しているようだけれど、食べるものもすごくおいしかったんだよね。
👩えーと、食べたことあるかな、すごい昔だから。・・・覚えがないけれど。いや、すごくおいしかった覚えがある。
👨ちょっと独特なのですけれど、スパイスがちゃんと効いていてね。
👩あぁ、カレーとかありませんでしたっけ。
👨うん、カレーなんかもあって。
👩うん、カレーを食べた気がする。凄くおいしかった。
👨エスニック風なものもあるんですけれど。
👩へぇ。
👨そういうものを味わってからあの階段を上っていくとね。おなかの中が異次元なところに空間の異次元が重なって自分の全体が引っ張られるみたいなところもあってね。
👩うふふふふ。あの、おっしゃっていたように1階に楽屋があって階段を上って舞台に行くんですよね。おじさんもご存知かもだけれど。
👨ちょっとあることで楽屋にお邪魔をしたことがあって私も知っているのですけれどね。
👩今回みなさんドレスだったでしょ。ウェディングドレスみたいな、白いドレスをいろいろに。ちょっと七味さんだけゴールドがかかったようなドレスでしたけれど。個人的な想いだけれど、裏のあの階段を皆さんがドレスを着て上がっているかとおもうと凄いなぁって。大変って思って。
👨東京ディスティニーランドさんは、靴を階段の上がったところに置いていてそこで履きましたものね。
👩そうですね、荷物も多いから、きっと。
👨私もあの階段を上がらせていただいた経験があるのですけれど、
👩けっこうきついでしょ?
👨うん。俳優の方がシーンごとの出捌けであの階段を何度も上がったり下りたりするのはほんと大変だろうなぁって思って。
👩そう、大変。だいたい私が出ていた時にはあそこの階段に座って出番を待ってましたけれどね。
👨ああ、なるほどね。階段を袖代わりにして。
👩そうそう。すごく聴けるから、おもてのお芝居を。私が出たときには階段の上のところにセットを組んであったから、階段を上がったらすぐに顔が見えてしまうとかではなかったのですけれどね。
👨ああ、なるほどね。あそこってそういう使い方のバリエーションもすごくおもしろいんだよね。そもそも長方形とか正方形じゃないしね。
👩えーと三角、うーん。
👨三角というか、五角形とか六角形だよね、正しくは。
👩うん、変な形をしていますよね。外から観たときに尖っているからびっくりする。
👨あはは、そうそう。
👩なんだっけ、二等辺三角形?二等辺じゃないね、二等辺だときれいな三角形か。定規セットだと分度器なんかといっしょに入っている、こう底辺が長い・・、
👨直角三角形?
👩そうそう、その直角三角形みたいな形をしていますね。
👨あそこでね、昔、壁面にタペストリーを吊るしてお芝居を上演したのを観たことがあるのだけれど、そうするとやっぱり綺麗な形に並ばないんですよ。角をさけるとどこかに隙間の広い狭いがでてしまったり面の角度も違うから。だけどそうやって並べたものだからこその味があるんですよ、あそこ。
👩うんうん。あの形を味方にする・・、なんかしやすいですよね、何故か、不思議な形だし、使いづらいのかなぁって思うけれど、何故か味方をしてくれる。演出の味方をしてくれるしいろんな味方をしてくれる劇場だと思う。
👨客席にしたってみんないろんな風にレイアウトするじゃないですか、好き勝手に。
👩使う団体によって全然違う形になりますよね、ほかでもあるけど、でも大体決まっているじゃないですか。そもそもほかの劇場とかはしっかりと四角で三角ではないから。
👨そうそう。そもそもAPOCシアターって褒め言葉として普通に間尺にあわないですものね。でも、だからこそ、そこに今回のような紋切型ではないいろんな体感が生まれたのかなぁとも思うし。
👩そもそもあそこを使うという段階で、それも含めてになっているしね。あの形が、もともとのあの場所自体がもうセットみたいなものだから。おおもとにあの形のセットがあるけれどどうしようみたいに考えるだろうし、天井の高さも含めて。
👨COLLOLはああいう刺激的な場所ってすきそうなイメージもあるしね。昔、記憶に間違いがなければ、地下が元倉庫とか作業場で、1階と吹き抜けになっているみたいなスペースがあってそこでの公演があって。そうすると、下に座ると上が見えないのよ。でも上から見下ろすと何をやっているかがよくわからないという感じになって。そういうところでもやっていた覚えがある。
👩ところでこの公演自体はもう終わっているんですよね。
👨もう終わってる。10月2日までだった。
👩今回の作品は映像化するのかなぁ。するのだったら是非皆さんに観ていただきたい。もしご覧になった方がいらっしゃってタグをつけてツイッターで感想を呟いていただけたら、見つけにいくのに。というか、この記事ってコメントってもらえないんですかね。
👨noteの機能としてコメントってあるし、記事にはツィッターのリンクを貼っているので、そちらにコメントを頂くことができれば拝見できるし。
👩ああ、そうであれば嬉しいですね。私たちもCOLLOLさんに関するいろんなことは見にいくのですけれど。
👨まあ、主宰の方も子育てをされているというし、COLLOLさんが今後どういう活動をされていくのかはわからないけれど、でもいろんなことをしていただける期待はあるよね。
👩そうですね。まだいろいろ企んでいらっしゃるように感じました。
👨なんか、今回の公演で尽きるという感じはまったくなくて、演出や俳優の方たちも含めて今後のことで新たに広がったような感触が観る側にもあったしね。観る側としても、なんというか手ごたえというか。
👩なんかね、私の隣に若めの男性の方が座っていらっしゃってどうなのかなって思っていたの。観ている最中で態勢なんかを変えたりもしていらっしゃったから。もちろん観ているときには気にならなかったけれど動きはあるなと感じていたので。
👨うん。
👩その方がね、終わった後にめちゃめちゃ大きな拍手をしていて.
👨うふふふ。
👩しかもなんなら劇場内で一番早いんじゃないかなと思えるくらいにいきなりアンケートを書き始めて、しかもすごい勢いで書いていて。ああ、面白かったんだなぁって思った。
👨いやでも、刺激的では間違いなくありましたよ。
👩うん。いやぁいろんなものを貰ったというのをお隣からも感じて。
👨うふふふ。
👩ちょっとほっこりしたんですよね。
👨まあ、私も、本当はいけないのだけれど、距離を意識して、マスク越しに知り合いの俳優さんなどと一言二言言葉を交わして、その中で関わることが出来てよかったみたいなお話はされていて。
👩うん、ほんと久しぶりの観劇でしたけれど、観に行ってよかったです。
👨はい。
👩とてもよかった。今後のCOLLOLさんの活躍にも期待しつつ。
👨うん。私にとってはCOLLOLって昔から外せない劇団だったので。
👩おしさんも言われたように、これからどのような活動をどのくらいの頻度でされていくのかはわからないですけれど、また観たいですね。
👨そう。この間演劇のサステナビリティみたいな話もしたけれど、たとえ定期的にできなくても多分田口さんや演出家のみなさんのセンスというのは膨らむことはあっても消えないだろうしね。
👩そうですね。
👨だからちょっとまた休むことはあっても、きっとそれでは済まない。火山といっしょでまた溶岩やガスがたまれば活動してくれるみたいな。
👩あははは。ではその時には、私たちは期待してまた劇場に足を運びましょう。
👨はい、そうですね。でもほんといい体験でしたよね。
👩ほんとに、ほんとに。是非に映像化などあれば観ていただきたいなと思います。
👨直でライブ配信をしているということなので、きっと映像も残っているとはおもうので。
👩はい。
👨今回はたまたまおじさんとおねえさんが同じ舞台を観ることができたので、その感動を胸にということで、
👩おもしろかったぞということで。
👨おしゃべりをさせていただきました。また、10月に入って公演の量も増えてきているように感じるので。そうそう、ある方に伺ったのだけれど、劇場が昔の如く取れなくなってきているって。
👩あら、すばらしい。
👨ある劇団の主宰の方に伺ったのですけれど、急にパタパタっと埋まってきている感じがするって。
👩みんなやりたい、やるぞってなってきているんですね。
👨そう。
👩いいことだ。もっと盛り上がっていくのを楽しみにしていましょう。
👨まあ、そうなると演劇のおじさんもこれから大変だっていうことなのですけれど、頑張りましょうということで。
👩あははは、そうですね。頑張りましょうということで。
👨では、今日はこのくらいにしましょうか。
👩はい。
👨ということで、演劇のおじさんと
👩おねえさんでした。
👨次回もお楽しみに。


(ご参考)
・COLLOL
『可視化歯科鹿しかし歌詞菓子貸し華氏〜King Learより』
2022年9月28日~10月2日@千歳船橋APOCシアター
劇作・演出:田口アヤコ 
研究・演出:角本敦 
音響・演出:江村桂吾
出演:西尾美鈴、七味まゆ味(柿喰う客/七味の一味)
伊藤嘉奈子、東京ディスティニーランド
田口アヤコ、大木裕之


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