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Book!buk!Libook!#15振り返り(マボロシ回)…テーマ:恋とか愛とか

前回更新からすっかり間が空いてしまいました。
表題にある通り、わたくしおじぃは、SpoonにてLODOFMアカウントで「Book!buk!Libook!」というLive番組をやっており、8月14日(日)10時半~放送しました。…が!

録音し忘れました…!!(ボソッ

とうとう録音できないマボロシ回が発生してしまったので、その中身を、少し振り返りと合わせて、テーマを解題した中身についてお話ししたいと思います。

きっかけは「N/A」(年森瑛 著)の書評

このテーマ「恋とか愛とか」にしようと思ったのは、朝日新聞8月6日(土)朝刊の書評面に掲載されていたこちらの書評がきっかけでした。

評者は、書評家の朝日新聞書評委員の江南亜美子さん。
まだこの本を読んだことはないのですが、書評の内容に衝撃を受けました。
評者は、この本で、

自分は自分ただ一人を代表する存在だという真の当事者性の尊重と、連帯の可能性の模索という本来相反する力の共存を描いた

https://book.asahi.com/article/14688269

とこの本を評する。この一言でとても読みたくなった。読んだ感想は追って読み次第述べたいが、なぜ読みたくなったのか。
「真の当事者性」について共感する個所があったからだ。

書評に書いてあることだけで解釈すると(早く読みなさい)、自らにも似たような経験があるように思ったのだ。

ある男子が女子に教わったこと

…と言っても、ただのこじらせ男子が経験した恋愛事情に過ぎないので、そこを含みおいて読んでいただきたい。
(あと、それだけでは終わらないよう別の書籍を最後に引用します。)

二人目にできた彼女がいて、その子とは社会人になってから約5年付き合った。その彼女から教えてもらうことがとても多かったので少し紹介したい。

①将来どうしたいなどありますか?という質問の流れで、「子供を産みたい」とわたしが言ったとき
→「子供を産むのが当然、という家族概念が全く正しいと思っていない。わたしは子供がいなくても差し支えない。例えば家族全員が同じところに一緒に住む必要もないとさえ思っている。そして性行為自体も苦手であり、あまり行為をしたいと思っていない。」

②苗字は自分のものが好きだから、結婚したらそろえてほしい、とわたしが言ったとき
→「苗字はわたしだって自分のものが好きだから、絶対にあなたの苗字にする、とは納得ができない」

①②ともに、衝撃を受けた。
男性の苗字にそろえ、同居し子供を産んでもらい家庭を築く、という「家族像」を勝手に描いていただけなのだが、相手はそう思っていないということがわかった。
しかし、その後
「あなたがわたしを好きになったんだから、わたしの価値観もある程度受け入れてもらわないと困るしフェアではない」
と言われ、なるほど確かに、と。
一般的な「男女関係」「家族像」をつい頭に思い浮かべてしまうが、それは最終的には・本来的には、当人同士がどうしたいかによって決められるべきであるのだ、と。そして、その形は人によって異なるので、そもそも一般的な家族像なども存在しないのではないか、と。だから、どんなに周りから見て変なことがあったとしても、よそはよそ、うちはうち、と判断していった方がいいのではないか、と。
こういうことに気づかせてくれた。

それが付き合い始めてから8か月くらいが経った頃だったと思うので、当時はかなり前向きに結婚することをお互いに検討していたのだと思うが、異動に伴う引っ越しや資格試験勉強などを理由に離れる期間が多くなり、その子とは残念ながらお別れすることになる。

真の当事者性とは何か

そのことに気づいてから、大抵のことには驚かなくなったし、だいたいのことには驚かなくなった。お付き合いにおいても、仕事においても。
「その人がそのように行動する理由があって、そのようなことをしてしまったのだ」と理解することができ、よく理由を聞き対策を練るなどで周りのこともうまく進行していったように思う。
だから別れてしまったことは残念だったが、それを教えてくれたことは感謝している。

ところで、話を戻すと、「真の当事者性とは何か」である。

先述で引用した「N/A」においては、江南さんは

拒食症でも性的少数者でもなく
「ただのまどかとしてずっと生きていたかった」

https://book.asahi.com/article/14688269

と評している。
あなたは、いま具合が悪いことに病名をつけたりすると安心する、と言った経験はないだろうか。この引用はおそらくその逆で、「名前がついているものを否定するつもりは毛頭ないが、自分がそのように分類されるのはなんか違う」みたいなことなのだと理解できるのではないか。

たぶん、私たち日本人(なのか人間なのか)は、一般論やジャンル分けが好きな人種であるということはあると思う。
しかし、僕にとっては、(細かく書いていないが)自らの恋愛観はほかの人と一緒にされたくないしできるものでもないと思っているし、その二人目の彼女との付き合い方は周りから見て不思議だったようなのだが、それはそれでいい、と思っている。
そういった「一般論や固定観念に押し込められない、一人ひとりが固有の経験をしているのだ」と言う点での「当事者性」を私たちは周りの事象に持つことができるのかどうか、ということが、多様な考えや価値観を認めざるを得ないこれからの時代で必要になってくるのかもしれない。

こういった考え方を従来から持っていて、なかなか誰かと共有できていなかったのだが、その視点で語ってくれている小説があることに安堵したのだった。

それを描いていた小説がもう一つ

よく思い出すと、大学1年生のときあたりに読んだ、
三浦しをん著「きみはポラリス」
が、これらの感情を当時受け止めてくれていたように思う。

この本は、11編からなる短編集で、様々な形の恋愛を描いている。
男女もそうだが、同性同士のことも描いている。
一般的な結婚観に押し込められない、自らが選んだカタチの男女の付き合いをしていったり、レズ・ゲイと言う言葉がまだ生きていてLGBTという言葉がおそらくまだない時代に、後ろ指さされるかもしれないという思いを抱きながら男性へ告白をしようとする男性の姿などが、丹念に描きとられていて、そういう世界があっていいんだ、と思わされた小説である。

作者の三浦しをんさんは、時代を先取りしてるんだなぁ~と今になって思う。なお、三浦しをんさんにお会いしたことがあり、本人に「きみはポラリスがはじめての三浦小説でした」とお話したら、「きみも変わり者だねえ」と苦笑された、というのはいい思い出です。

ほかに、当日ライブ配信で紹介された話題

当日ライブ配信の中で、紹介していただいた映画や本などを列記しておく。多少備忘録になっていて、当時いたリスナーの方で取り下げてほしい方がいれば教えてください。
・映画「花束みたいな恋をした」・・・甘酸っぱい恋愛
・おかざき真理「サプリ」「&」・・・ずっしり重たいけど、約10年前の時代背景で今の時代とのずれはあるものの、女性の生き方、恋愛との兼ね合い、終身雇用が無くなって彷徨う(そして女性も社会進出するようになり結婚や恋愛に彷徨う)感じに共感
・pixivコミック「放課後は喫茶店で」・・・レトロ趣味女子高生と喫茶店マスター男子高校生の純喫茶ラブコメ
・島本理生「生まれる森」・・・年上の方に失恋し、主人公に自分を重ねて泣く
・🎶上坂すみれ「げんし、じょしはたいようだった」・・・「男だとか女だとかレーベルだけで中身まで決めつけないで」という歌詞を思い出す
・梨木香歩「西の魔女が死んだ」・・・家族の大切さや祖母のやさしさを再確認

当日紹介した音楽

🎶三月のパンタシア「四角運命」
・・・アニメ「カッコウの許嫁」第1クールEdテーマ。ちょうど14日までYouTubeで第1クールのアニメ無料公開をしていました。このアニメも超キュンキュンが止まらないやつです。

🎶さとうもか「Wooly」
・・・2021年10月13日(水)発売メジャー1st Album「WOOLLY」リード曲。TBSラジオ「After6Junction」にてライブ音源放映されていてお気に入りになったアーティストさんの中から、恋愛をテーマに選んだ。


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