台湾統一はアリか?
いくら親戚国だといっても、同意もなしに他「国」を自国に統一すると公言することは、ふつうはやらない。わたしたち、すくなくとも、わたしはそう思う。ところが、風向きが変わってきた。台湾統一はアリか?と問われれば、いままでの答えが違ってきたように思う。
お隣の国で独裁色を強めた3期目の総書記が、1期目のときにこう言った。
「中国夢」
中華民族の復興、そう、かつての清朝全盛期の「中国」を復活させる。その範囲は、中国「国恥地図」(1)に示してあり、そしてそれは「一帯一路」で着々とすすめている。
3期目、彼はこう言った。
「中国式現代化は中国の国情に基づいた特色を持ち、貧富の格差を是正しすべての人が豊かになる『共同富裕』という目標などの実現を目指す」
なにかがひっかかった。そう、「中国の国情に基づいた」ということばです。わたしたちが、一般的に言う「現代化」とは違うんだぞ、「中国式だ」と言っているのです。
直近、東欧で親戚だった国の一部を占拠し、自国の領土に組み入れた国がありました。「ロシア式」、これも同じなんですよ。米国が何を言おうが、欧州諸国が制裁をしようが、関係ない。「ロシア式」で正しいことをおこなっていると言っているのです。
もどって、台湾。
わたしたちが考えている「常識」とは、かけ離れた基準でものごとをすすめる大国があるという現実。方法論は別として、「統一」は「夢」の実現であり、中国式でおこなわれる可能性がある。
そう、台湾統一はアリか?と問われれば、「アリ」です。
ご参考:
(1)『中国「国恥地図」の謎を解く』(譚?美、新潮新書)