見出し画像

D社のマーケティング

「D社のマーケティング」というWEBセミナーを視聴した、つもりだった。田舎の砥石屋さんだったのが、精密加工機の最先端をいくグローバル企業へと成長。砥石にこだわるその姿勢とマーケティングにふれてみたかった。

若い30代の講師、失礼ながら、ふーんとは思いながらも10分ほど聞いていたが、期待する本論に入っていかない。企業情報を外部データベースから抽出し、会社規模、社員数、利益率などを分析してターゲットを絞り込む? ○○社のデータを項目別に整理をしただけのようにみえた。D社のマーケティングってその程度なの?

切ったり、削ったり、磨いたり。ウエハーなどの切断、半導体製造になくてはならない専門加工機。そんな商売に外部データベースなどの上っ面な情報は役に立たない。足でかせいだ個別情報をもっているはず、それをどう使ってきたかを聞きたいのだ。

明らかに変だった。聞きながら横で調べると、名前もスペルも同じ会社が2つ3つある。そのうちの、採用や人材育成サービス関連の会社じゃないの?ここ。それならわからなくもない。

最初に会社の概要くらい話してくれよ。いや、途中から参加したから、あったのかもしれないけど。

30分ちかくは経っていた。時間以上に、自分の勝手な思い込みに腹が立って、たたき切った。

翌日、聞いたことのない会社から電話があった。
「いかがでしたか?」
「何のこと?かけ間違いじゃないの?」
「セミナー申し込んでいただいてましたので」
「ああ、あれのこと?会社ちがいだったので途中で切ったよ」
「そうですか」
「事前のレジュメにその会社の概要くらい載せておいてよ」
「承知しました」

この手の電話にしたらあっさりと引きさがる。
聞くと、同じ間違いをしたひとが何人もいたそうだ。少しは安堵した。