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業界視界不良のなかの「初日の出フライト」、運行に携わった人たちの笑顔にエール

大晦日の夜、中国からのwechat飲み会のお誘いを、新年の挨拶だけで飲まずに切り上げて、夜半に成田空港に出かけた。「初日の出フライト」は3時にチェックインだという。11月に航空会社のAとJ、それぞれ羽田と成田発に申し込み、運よくA便に当選した。大変な人気なんだそうだ。

このご時勢、お正月を海外でという人はほとんどおらず、初詣も自粛で道路も空港、駐車場もガラガラ。しかもこの時間帯、チェックインカウンターはこのツアーのひとだけ。出迎えの航空会社係員が客よりも多い。ボーディングゲートには振袖姿のCAが4人も見送り動員。乗客数激減のなか、他業種に出向中の社員も多いと聞く。そんな中でのこのイベント、皆で盛り上げようとの意気込みを感じました。

最新式の2階建てA380FLYING HONU、エンジン付近が凍結したとのことで出発が10分ほど遅れたほかは、順調に2時間あまりのフライトだった。装備がよく、機外のモニターも前方、尾翼それに下向きの3映像、GPSで現在地も刻々と表示される。ご来光を背に富士山が見えるように、右側席左側席とも不公平のないように1分間隔くらいで旋回するサービス。場所は松本付近から南アルプス上空、雲海上に冨士と太陽がきれいに望めた。

何がいいって?
ご来光を見るのに天気の心配がいらないこと。そう、雲上ですから。

もっといいのは?
ながめながらのお屠蘇におせち料理、それにCAのサービス。へたな旅館に正月に泊まるより、よほどコストパフォーマンスがよろしい。淡麗の冷酒を小瓶で3本、2合くらいでしょうか、のどにしみいりますね。刻々と変わる空の色と冨士の遠景、手前は真っ白い雲海。大人気だというのもよくわかりました。

さらに?
2時間程度のフライト、お酒のみにとってはもう1時間くらい欲しいところでしょうか。でも、太陽と富士山、雲、時間がたつと、いってみればある意味単調な景色は、ごく限られた一瞬、短時間の感動だからこそ思い出に残るのでしょうね。

乗客は250人程度、真ん中の4人席は使わないから約半分。食事とお土産つきだからたぶん赤字でしょうね。しばらくはこんな状況でしょうから、貯まったマイルの使い道がなくなる人、わたしもそうです、にとっては最高のイベントでした。業界視界不良の中の「初日の出フライト」、運行に携わる人たちの笑顔にエールを送りたいと思います。