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いい職場、悪い職場

いい職場、悪い職場の違いは何か。米国クライアントブースト社が1400万件の社員口コミを分析した。口コミ評点上位会社の職場ワードは、「共感」、つづいて「フラット」「自由闊達」が「いい職場」で、下位(悪い職場)は「ワンマン」「イエスマン」だという。

対象会社の2021年純利益合計を3年前と比べると、上位は7.7%増え、下位は2.4%マイナスだった。役職の上下に関係なく自由な意見を出し合い、問題解決をはかる。壁のない「いい職場」は利益に結びついている。

ワンマン経営者のまわりにはイエスマンがはびこる。じゃあ、こんな会社は「悪い職場」かといえば、いちがいにそうではあるまい。

強いリーダーシップのもと、「言うべきことは表に出せないけれど、言われたことはやりとげる」そんな人がたくさんいれば、業績が伸びるだろう。「ワンマン」、「イエスマン」と利益は相反しない。

横道にそれるが、政治の世界を垣間見ると、人事権はトップである首相が握る。せっかく手にした大臣の椅子は離したくない、しがみつくために閣僚はみんなイエスマン。ところが、失政や不人気でトップが「死に体」になったと見るや、口々に「自由な意見」を言い出す。勝手なものだとは思うけれど、リスク管理ができている。

強いリーダーシップを発揮する「ワンマン」は悪くはない。意思決定が速く、むしろ変革期に求めるシステムだ。問題は、業績や方向性が「死に体」になったときに、組織の壁を取り払って、自由な意見を言う人が出てくるかどうかだ。そんな風土をもつのが「いい職場」だと思う。

ときには、政治の世界も参考になる。