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向こうからやって来る人の眼を見る

銀座4丁目の交差点、朝7時半すぎ、高校の同級生Mさんから声をかけられた。早い時間なのでさほど人通りは多くない。が、よくわかったねと問うと、向こうからやって来る人の眼を必ず見る、しかも近づいてという。

漁業関係の会社に勤めていて、10年以上アムステルダムに駐在していた。アムスは治安が良くない。しかも、港町だからさまざまな国の人が往来し、怪しげなのも多い。だから、眼を見て警戒するのだそうだ。日本に帰ってからもその習慣は抜けないらしい。

眼を見ることで相手に「見たぞ」とわからせる、その効果もあるんじゃないかという。

わたしもやってみた。散歩、通勤途中、繁華街を問わずやって来る人の眼を見た。

眼をそらしている人の多いことか。見返してこない、というか、チラッと見てもすぐに視線をそらして歩いている。自分もそうだったかもしれない。スマホを見ながらじゃなおのこと、そんなことはできませんよね。

何のことかというと、大阪のクリニック放火事件です。ガソリン容器をもって自転車に乗り、その後は歩いてビルにはいったはず。どんな眼をしてたのでしょうか。ほとんど誰も、彼を、彼の眼を見てなかったのじゃないでしょうか。その場に居合わせたわけじゃありませんがそんな気がします

向こうからやって来る人の眼を見る。「見たぞ」。これ、自己防衛です。毎日続けなきゃ。