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魚か鶏か

今に始まったことじゃない。左足の小指のつけ根あたり、外側の靴にあたるところが歩くと痛みがあった。右足とくらべると、少し三角に外へ張り出している。2、3日前からひどくなったので皮膚科にいった。

問診票には「魚の目か?」と書いておいた。

会社の近くにある皮膚科クリニック、初めてだ。ビルの6Fに移転したばかりだという。となりはレディスクリニック。ビジネス街というより、テレビ局があったり、繁華街に囲まれているせいか、どの医院も「○○クリニック」としゃれている。待合室には4、5人、すべて若い女性だった。

壁に大きなプロジェクターがあり、ここでの治療の紹介をしていた。薄毛、脱毛、シミ、たるみ改善、小顔効果、それに美尻治療。美容皮膚科です。魚の目治療っぽい人はいない。

場違いだなあと思いながら順番を待ち、お声がかかって処置室へ。

左足を見て、いきなりカミソリを取り出して患部をスライスし始めた40代のドクター。薄く、すこしずつ、それでも下に落ちた皮膚をみると結構な量になっている。真ん中のところを少し深く掘る。かたわらの液体窒素のジャーからコップに少しとりだし、綿棒につけて患部におしあてる。少し痛むがたいしたことはない。

「靴を替えましたか」
「強く歩きましたか」
「2、3週間たってもまだ痛むようだったらまた来てください。塗り薬を出しておきます」

5分、こんなことならもっと早く来るんだった。

診療明細をみると「鶏眼治療」と書いてある。
鶏?魚?「魚の目」じゃないの?

進化系統図は魚から鳥につづくし、まあどちらでもいいか。