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日本の「宝」はどうなるのか


日立金属が身売りされることが決まりました。
上場子会社の再編・整理が目的、親会社の事業ドメインを明確にして、選択と集中で収益力をあげるという。

いえ、そんなのはどうでもいいんです。
「日本の宝ー技術と製品」がどうなるのか、それを今懸念しているのです。

30年ほど前に「ヤスギハガネ」の包丁を購入しました。当時、日立金属安来工場とお取引がありよく訪問していました。地元の小料理屋のおかみさんに、長年使い続け、研ぎ減った包丁を見せてもらったのがきっかけでした。

「こんなに小さくなっても切れはかわらない。」
「品質はまちがいない。」
安来言葉は忘れましたが、おかみさんの保証つきです。

これに感心して、翌日会社を訪問した時に工場売店で1本買い求めたのを覚えています。
以来、研ぎを重ねてずいぶん小ぶりになりましたが、かわらず健在で、使いつづけています。「宝」になりました。

「 どじょうすくい」でおなじみの「安来節」。山から流れてきた砂鉄をすくって選別するさまに似せたことが由来だという。その砂鉄を「たたら」製鉄法で精錬したのが玉鋼。古来、日本刀はこの玉鋼を使用していました。その末裔が「ヤスギハガネ」。

昨年出雲大社の帰りに立ち寄り、もう1本買い求めました。 これは娘のプレゼント用。ウチのはまだ現役で活躍しているのに、追加で後任を買ってヘソを曲げられると困ります。だからそのときは買わずにおきました。

ところが今回の件で心配になりました。
包丁の製造販売は別会社なので大丈夫だとは思いますが、今のうちにもう1本予備に買っておこうかと思案しています。
日本の「宝ー技術と製品」が手に入るうちに。